兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

寿命というのは、誰にも分らない

  
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寿命というのは、誰にも分らない

おはようございます。
但馬、豊岡のお墓と墓石のプロ、おおきた石材店のカズ(stoneman-ohkita)です。
今現在、ご遺骨をお持ちで、その行き先をお探しの方、あなたに一番あった安置先を探しませんか?
そのお手伝いをいたします。
お問い合わせは、こちらから。

 

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おおきた石材店のお客様のお話です。

その家のご主人は大工さんでした。
個人で工務店を経営されておりました。

そのご自宅のお墓は、おおきた石材店ではなく、他の石材店が建てられたお墓でした。
その石材店は廃業され、当時、付き合いのあったおおきた石材店の私の父に
メンテナンスを依頼されてからのお付き合いです。

私も10年くらい昔にそのお墓の外柵の玉垣が外れて、修理の工事をさせて頂きました。
その頃はそのご主人もまだ元気で、お仕事をされていたんですが、
「俺も年だし、息子が大工を継いでくれているので、倅に任そうかと、思っているんだ。。。」と
仰っておりました。

それから、数年経過して、

その工務店の電話から着信が。。。
(電話番号が登録してあるので、登録済みの番号はすぐにわかるんですね。)
聞き慣れぬ若い声。。。
「あの、〇〇工務店ですが、父が亡くなって、戒名をお墓に彫ってほしいんです」との電話。

 

お会いしてみると、よく見るとご主人とどことなく似た感じの息子さんでした。
会った感じは凄くやわらかな、人当たりのいい息子さんでした。
(とはいっても、私よりいくつか年上ですが。。。)

父が突然亡くなったこと。
工務店という仕事は今すごく仕事がなくて、大変なんだという話。
お墓のことはよくわからないので、お任せします、という話。

短い時間でしたが、いろいろな話をしたように思います。
とても、話しやすい、いい人という印象でした。

お父さんの戒名を彫刻させてもらい、
その報告に工事後、ご自宅によると、
請求書もまだ作成してないのに、もう払うよ、という返事。
お金を借りていると、気分が良くないということで、
概算でいいから支払うと、お金を頂きました。
請求書も領収書もあとでいいから。
人間としてもよくできた人、と感じました。
これからも長くお付き合いしたいなって、思ったものでした。

 

それから、数年して、

またもや、その工務店から着信。。。
なんだろうと、電話に出てみると、またもや聞き慣れぬ女性の声。
「息子が亡くなって、息子の戒名を彫ってほしいんです」
なんと、その息子さんがガンで突然亡くなった、というのです。

ビックリして、急いでご自宅に向かうと、
息子さんのお母さん、つまり亡くなったご主人の奥さんが出てこられました。
初めてお会いしたんですが、しっかりとした方、でした。

 

「息子の戒名を彫ってください」

 

非常に元気だったのですが、突然体調が悪くなって、
病院に行って診察してもらったら、ガンだったこと。
すでに末期で、友達や仲のいい人ともやつれた顔を見られたくないので、
一切内緒にしていらっしゃったこと。
地域のお付き合いも非常に積極的で、仲間がたくさんいらっしゃったのですが、
全員の人に知らせずに、亡くなったということ。

残されたお母さんもさぞかし、大変だったでしょうね。
息子が亡くなるのを見送る、ということ自体が普通あり得ない、大変なこと。
しかもこの息子さんなら、おそらく、弔問がすごいことになったでしょうね。

それでも、淡々と、息子を亡くしたことに対する悲しみ、後悔、など微塵(みじん)も見せず
必要なことをこなされているとのことでした。

このご自宅は今、このお母さんひとりでお住まいで、来月早々にも、都会に住む別の息子さん一家のところへ
引越しされる、とのことでした。

その引越しするまでに、戒名を彫刻してもらって、代金もきっちり払って、
全て済ましてから引越ししたい、とのことでした。

このお母さんがいて、この息子さんがいる。
このお母さんの血を受けついていらっしゃったんだな、と実感しました。

今では、このご実家は無人です。
ときどき家の前を通るんですが、通るたび、
このご家族のことを思い出します。

お母さん、お元気だろうか。。。

 

 

 

 

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