お墓を建てる時は、お墓の見積書というのを石材店から頂くはずです。さて、この見積書はどうしてみたらいいのでしょうか?

おおきた石材店 代表 大北和彦
〇 お墓ディレクター1級
〇 墓地管理士
〇 石材施工技能士1級
〇 技能顕功賞
〇 一般社団法人日本石材産業協会正会員
おおきた石材店
昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

まず、どういった内容があるかを確認してください。
石に関わる費用
この費用としては、以下のものが考えられます。

文字の彫刻が意外と時間がかかります。正面の太い文字の彫刻は一日ではできません。
5、耐震加工はいろいろな考えの石材店さんがいますから、この加工が必要ないという石材店も存在するでしょう。でも、日本でお墓を建てるなら、耐震、免震を考えるのは当たり前だと思いますが、どうでしょうか?
お墓の下の基礎工事
ここは「お墓が長持ちするかどうか」を左右する大切な部分ですが、完成後は工事の様子が全く分かりません。
特に、8はおおきた石材店では必ず加工しますが、それを加工しない石材店もあります。そうなると、この費用は発生しないわけです。
6,は基本的におおきた石材店は実施しますが、予算の関係で省く場合はあります。7,はベタ基礎工事が基本となりますが、業者によっては、ベタ基礎をしない業者もいます。8,も基本的に実施します。
ただ、この6,7,8の部分は完成後は全く見えないのです。
でも、結構費用は発生します。石材店の価格差はこういった部分で出てきます。少し前なら、基礎コンクリートを全くしない石材施工業者も結構いました。そうなると、施工期間も大幅に短くなりますし、以前は一日かからずにお墓を1基建てていた業者もいました。
完成時には基本的に分からないのですが、不動沈下つまり、片側のみ沈んだり、石同士が離れて、分離したり、お墓や灯ろうが傾いたりするリスクが極めて高くなります。


赤線の部分、明らかに傾いていますね。ここだけではなく、お墓全体の左側が沈んでいるようです。これはおそらく、
基礎工事が十分ではなかったのが、原因だと思われます。
お墓を建てる際の費用
重量の重たい石をお墓の形に設置するための費用です。こちらもお墓工事の様子を直に見ないとイメージしずらい部分だと思います。ただ、一番気を遣いますし、慎重な作業が必要な部分です。
10、の接着剤は、圧倒的に使う量が少ないことが地震に弱い、地震で倒れてしまうお墓の大きな原因とも言われています。相対的にお墓工事での接着剤を使う量は少ない石材店が多いように感じます。また、使う接着剤の品質にも影響するので、安価なものは避けるようにしています。
シールしない業者さんもいらっしゃいますが、シールは接着剤の耐久性の保証みたいなものなので、接着剤を使用する場合はシール作業は絶対必要となります。

その他の費用
13,進入路の確保、養生
14、見積書作成費用
15、工事完了後の進入路の補修、養生、現状復帰
16、その他諸経費
などが含まれています。14、に関しては、項目としては上げておりませんが、少なくとも墓地現場に複数回、通い、寸法、進入路の確認、狭い箇所、通行困難場所等の確認、あと、周囲のお墓の状況を確認した際に地盤調査の必要があるか、ないか、あればその費用の積算などをしないといけないので、ある程度の時間、経費が必要となります。
まとめ
かなり多くの項目があり、なおかつ、1項目一つだけではない場合もあり、更に、おおきた石材店の場合、お墓の石種の比較(墓地に合う石、一番無難な石、リーズナブルな石)と比較を計上します。
また、工事全体を俯瞰して、必要な工事があれば、追加で含めますし、これは必要ないということがあれば、削除します。
項目としては、上の16では納まらない場合もあります。たくさんの項目がありますが、そのすべてをできるだけ分かりやすく掲載して、お墓の工事の素人でもある、お客様に理解していただける内容に仕上げています。
ですから、見積書表紙と中身、1枚、2枚という見積書はあり得ないのです。














