Q316~カロートに水が入るお墓ってあるの?
A あります。
というか、ほとんどのお墓には[水]が入る可能性があります。
本来、お墓って屋外に建てるものですから、雨水が進入しない、あるいはしにくい構造になっているはずです。
でも、
以前(昭和の40年代以前)はお骨を土中に埋めて、その上にお墓を建てる、
という方法が普通でした。
それが家墓といって、たくさんのお骨を収納しなくてはならないお墓になったのです。
そのため、お墓の石に穴を開けて、いつでも納骨できるように、納骨口を作ったわけです。
そのため、その納骨口は、納骨しやすいように作られています。
が、その反面、雨水などの水分の侵入は避けられません。
つまり、雨水が進入しやすい構造になっているんです。
よくある和型の三重台のお墓。
このお墓、しっかり施工して、目地(シール)してあれば、水は侵入してこないのですが、
目地切れ(シールと石の間にすき間ができる)が起こると、そこから水が進入してきます。
この目地切れは、施工不良の場合もありますが、経年劣化でも目地切れを起こします。
つまり、
古いお墓は雨水(水分)が侵入してきやすい、ということ。
上の写真、赤い矢印は通常、下の石と上の石の間は目地(シール)する場合が多いですが、目地切れを起こすとここから水が進入します。
また、
関西の一部の地域はごく最近まで石の上に石を乗せただけ、という施工をするのが普通の地域もあります。
その場合、基本目地はしないので、必ず水は侵入します。
黄緑の斜線の部分が納骨口ですが、(関西型の場合、通常)
その納骨口の蓋の役目をするのが、水鉢ですが、その水鉢のすき間は、通常シールしません。
納骨するとき、また移動しないといけないからです。
おおきた石材店でも完全に固定はしません。
目地テープという緩衝材を貼って、石同士くっ付かないようにして、
置いているだけです。
その緩衝材が多少、水の侵入を防いでくれますが、完全ではありません。
青の矢印の部分、その緩衝材を施工してありますので、多少水分の侵入を防ぎますが、
古くなると劣化して、硬くなりボロボロになって意味をなさなくなります。
つまり、和型のお墓はもちろん、
洋型、デザイン墓、
さらに、関東型の納骨のお墓も同様に
常に水が進入してくる可能性があるということです。