私たちは毎年、健康診断は受けられる人が多いと思います。
特に症状がなくても、定期的にチェックすることで、病気の早期発見や予防につながるからです。
実は、お墓にも同じような考え方が必要な時代になっています。特に地震の多い日本では、「お墓の健康診断」という新しい習慣が、大切な家族の墓を守ることにつながります。

◇ お墓ディレクター1級:お墓のプロの証、1級取得者は全国で2桁
◇ 墓地管理士:お墓、納骨堂、永代供養墓の法律の専門家
◇(一社)日本石材産業協会正会員、兵庫県支部理事
◇ 石材加工技能士1級:石の加工の技能を表する国家資格
◇ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
◇ 「地震に強いお墓」施工店
おおきた石材店
昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

なぜ今「お墓の健康診断」なのか
日本は世界有数の地震大国です。2024年の能登半島地震をはじめ、近年も各地で大きな地震が発生しています。近畿北部は大正時代に「北丹大震災」という大きな自信を経験し、その復興から100年余りを経過しました。
地震の直接的な揺れでお墓が倒壊することが話題になりがちですが、実はほとんど影響がなさそうに見えても、目に見えないひび割れや、石材同士の接合部分の緩みなど、「見た目には分からない損傷」が蓄積していることも少なくありません。
人間の体と同じように、お墓も「自覚症状」が出る前に点検することが大切なのです。
お墓の「症状」を見逃していませんか?
以下のような変化に気づいたことはありませんか?
初期症状(軽度)
- 石材の接合部分に隙間ができている
- 墓石が以前よりわずかに傾いている気がする
- 目地(石と石の間)のコーキング材が劣化している
- 花立や香炉がぐらつく
進行した症状(中度)
- 明らかな傾きやずれが見られる
- ひび割れが発生している
- 石材の一部が欠けている
- 石と石のすき間が開いてきている気がする
- 基礎部分に沈下の兆候がある
- 化粧砂利や石を張った部分が波打っている
重症(早急な対処が必要)
- 墓石が大きく傾いている
- 倒壊の危険性がある
- 隣接する墓に影響を及ぼす可能性がある
- お墓の基礎部分にすき間がある
- 石と石の接合部に明らかなすき間がある
これらの「症状」を放置すると、次の地震で一気に悪化し、大規模な修復が必要になったり、最悪の場合、完全に倒壊してしまったりすることもあります。
「お墓の健康診断」の具体的な内容
目視チェック(セルフ診断)
春のお彼岸でお墓参りをする際、以下の点をチェックしてみましょう。
垂直性の確認
スマートフォンの水平器アプリを使って、墓石が垂直に立っているか確認できます。わずかな傾きでも、早めに気づくことが大切です。また、隣りや後ろにお墓が建っているときは、そのお墓と比べることで、傾いていることを簡単に検査することもできます。
接合部の確認

石材同士の接合部分に隙間がないか、目地材が劣化していないかを確認します。手で軽く押してみて、ぐらつきがないかもチェックしましょう。弾力がなくなっている目地材は劣化のサインです。またセメント系の目地材は一部が浮いている、外れている場合はメンテナンスのサインだと考えてください。
ひび割れの確認
石材表面をよく見て、ひび割れがないか確認します。特に彫刻部分の周辺は、応力が集中しやすく、ひびが入りやすい箇所です。文字の部分にひび割れが発生すると文字が判読しずらくなったり、文字が欠損したりすることがある前兆でもあります。
周辺環境の確認
お墓の周囲の地盤に沈下や隆起がないか、排水がきちんと機能しているかも確認しましょう。近くに巨木があれば、簡単にお墓は傾きます。また、大きな木でなくとも、お墓に悪影響を及ぼすことがままありますので、お墓の近くに樹木が茂っている場合は注意してください。
専門家による点検(プロの診断)
石材店や墓地管理者に依頼する専門的な点検では、以下のようなことを確認してもらえます。
構造的な安全性
- 基礎工事の状態
- 接着剤や金具の劣化具合
- 耐震施工の有効性
- 石材内部のひび(打診検査)
メンテナンス計画の提案
- すぐに必要な補修
- 数年以内に検討すべき対策
- 予防的なメンテナンスの提案
春のお彼岸を「定期点検日」にする習慣
人間の健康診断と同じように、お墓の点検も「定期的」であることが重要です。そこで提案したいのが、春のお彼岸を「お墓の定期点検日」にするという習慣です。
なぜ春のお彼岸が良いのか
年度の変わり目
新年度が始まる前の時期で、家族が集まりやすく、今後の予定も立てやすい時期です。
気候が安定
極端な暑さや寒さがなく、墓地に足を運びやすい季節です。また、冬の間に発生した損傷を発見しやすいタイミングでもあります。
業者の対応も比較的スムーズ
石材店にとって、春のお彼岸「前」は比較的余裕のある時期です。点検や見積もりの依頼もスムーズに対応してもらえる可能性があります。
予防的メンテナンスという考え方
健康診断で病気の早期発見ができるように、お墓の定期点検も「問題が起きる前」に対処することが最大のメリットです。
コスト面でのメリット
小さな補修なら数万円で済むものが、放置して大規模修復が必要になると数十万円から百万円以上かかることもあります。人間の医療費と同じで、予防は治療よりもはるかに経済的です。
安心感
「いつ倒れるかわからない」という不安を抱えながら過ごすよりも、専門家に「問題ありません」と言ってもらえる安心感は大きいものです。
次世代への配慮
お墓を次の世代に引き継ぐ際、良好な状態を保っておくことは、大切な思いやりです。突然の大規模修復を子供や孫に負担させるのではなく、計画的にメンテナンスしておくことができます。
実践!今年の春のお彼岸でできること
ステップ1:セルフチェック
お墓参りの際、上記の「目視チェック」を実施してみましょう。写真を撮っておくと、来年との比較もできます。
ステップ2:気になる点をメモ
少しでも気になることがあれば、メモしておきます。「ちょっと傾いているかも」という感覚的なことでも構いません。
ステップ3:専門家に相談
墓地の管理事務所や、お墓を建てた石材店に連絡してみましょう。多くの石材店は、無料での点検サービスを提供しています。
ステップ4:必要に応じて対策
点検の結果、何らかの対策が必要と判断されたら、優先順位をつけて計画的に進めましょう。すべてを一度にやる必要はありません。
まとめ:お墓も「予防」の時代へ
地震大国日本で暮らす私たちにとって、お墓の耐震性や安全性は、もはや「あったら良い」ものではなく、「必須」のものになりつつあります。
春のお彼岸にお墓参りをするとき、ご先祖様に手を合わせるだけでなく、お墓そのものにも少し目を向けてみてください。「お墓の健康診断」という新しい習慣が、大切な家族の墓を次世代まで守ることにつながります。
お墓の健康診断チェックリスト(印刷してお墓参りに持参できます)
□ 墓石の傾きはないか
□ 石材の接合部に隙間はないか
□ ひび割れや欠けはないか
□ 花立や香炉がぐらつかないか
□ 目地材の劣化はないか
□ 周辺地盤に異常はないか
□ 排水は正常に機能しているか
□ 前回の点検から変化はないか
気になる点があれば、写真を撮って専門家に相談しましょう。


















