お墓を選ぶとき、多くの方が気にするのは「石の種類」「デザイン」「価格」。でも石材店からすると、実は「目地(めじ)」こそ、仕上がりと耐久性に差が出る重要なポイントなのです。
目地とは、石と石の”つなぎ目”のこと。この隙間の幅を当店では約2~3mmに揃えることを基本にしています。これは単なる見た目のこだわりではありません。今日は、その理由をできるだけ分かりやすくお伝えします。

目地が広いと何が起きる?
目地が広いと線が太く見えるという見た目の問題もありますが、本当に大事なのは接着剤の耐久性です。
接着剤の量が増える=充填不足のリスク
目地幅が広いほど、入れるべき接着剤の量が増えます。すると何が起きるか?
- 奥までしっかり充填する難易度が上がる
- 特に角や端部で充填不足が起きやすい
- 「入れたつもり」でも実は足りていない状態に
充填不足→接着不良につながる
接着剤は「ただ入っている」だけでは意味がありません。しっかりと接着面が確保されて初めて効果を発揮します。
充填不足があると:
- 後からわずかに動く(ガタつき)
- 目地に空洞が残り密着が弱い
- 長年で空気や水が侵入し接着剤が劣化
つまり、目地幅が広い=接着剤が大量に必要=充填不足が起きやすい=接着不良の原因という悪循環になるのです。
目地シールの本当の役割
目地のシールは、水の侵入を防ぐだけでなく、内部の接着剤の性能を守り、石同士の一体感と安定を長く維持するという重要な役目があります。
目地幅を抑えることで、必要量を確実に充填できる条件を作る。これが最も大切なのです。
目地幅2~3mmを実現するには?
目地幅を揃えるには、2つの前提が必要です。
①石の加工精度
寸法や角の精度が揃っていないと、現場で合わせるために「どこかを広くして調整」が必要になります。すると:
- 一部だけ目地が広くなる
- 角や端部で充填が難しい場所が増える
- 結果として充填不足→接着不良
②据え付け精度
据え付けが甘いと、石がわずかに傾いた状態に。すると:
- 目地が切れる
- シールが剥離する
- ガタつきが出る
目地幅2~3mmを狙う=加工精度・据え付け精度を高いレベルで揃えることが必須なのです。
安い施工で起きやすい問題
価格優先にすると、加工精度や据え付け、充填の手間にコストをかけにくくなります。その結果:
- 目地幅がバラつく: 正面は細いのに角や裏側だけ広い
- 角や端部が広い: 一番難しい場所で量が増える
- 据え付けが甘い: 石が微妙に動き、シールに負担集中
- 充填時間不足: 量は入れたつもりでもムラが出る
見た目では分からなくても、内部で充填不足が起きている可能性があるのです。
まとめ:目地は接着剤を効かせるための設計
目地幅を2~3mm程度に揃えるのは、必要量を確実に充填できる条件を作り、接着剤の耐久性を高めるための考え方です。
カタログや見積書には目地のことが細かく書かれていないことが多いですが、次の質問をすると施工の考え方が見えてきます:
- 「目地幅は何mmを基準にしていますか?その理由は?」
- 「目地のシールは防水だけでなく、接着としてどう考えていますか?」
- 「角や端部の充填は、どうやって充填不足が出ないようにしますか?」
- 「完成後、目地幅の均一さ(裏側・角も含む)を一緒に確認できますか?」
目地は”線の太さ”ではなく、接着剤を効かせるための設計と精度の話。お墓選びの際は、ぜひこの点にも注目してみてください。


















