花立石の加工(穴明け、水抜き穴、下場加工)
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
最近のお墓はたいがい、花立の石は大きめの穴が開いており、
(50~60ミリくらいの直径)、そこにステンレスの筒、花筒(はなつつ)とか言いますが、
それを差して、その中にお水と生花をお供えする、というのがほとんどです。
が、
古いお墓は、まだそのような大きな穴を開けることが出来ず、
ステンレスの筒も使っていなかった頃は直接生花をその石の穴に挿して
お供えしていました。
これだと、お花の水を替えるのに、石をひっくり返さないといけないし、
中まで掃除が大変です。
なかなかきれいになりませんね。
なので、最近はほとんどというより、全てステンレスの筒を差して使うタイプになってしまいました。
こういうやつです。以前から比べると大変便利です。
ですが、古いお墓にはまだ古いタイプの花立の石が残っていて、
それに加工しなおすという工事を、お墓のリフォーム工事の際、よくやります。
今回も二組の花立の石を加工しなおしました。
とてもよくあるパターンです。
まず、花立の石に60ミリの穴をコアドリルで開けます。
40ミリくらいの穴です。
しかも、手で空けてあるので、底が浅く、
深くなるほど狭く、細くなっているので、ステンレスの筒は入りません。
分かりにくいですが、内部の様子。
奥へ行くほど、狭くなっているのがわずかに分かると思います。
右側がコアで60ミリの穴を開けました。
コアドリルで開けると、まっすぐに入るので、ステンレスの筒も簡単に入ります。
やはり道具ですね。
昔はホントに苦労して開けたんでしょうね。
ホントにご苦労様です。
このように、大きさが全く違うので入りません。
花筒のサイズが外径がおおよそ58ミリですので。
60ミリのコアで開けた穴はすっぽりと入ります。
深さも関係するので、筒より深く穴を開けます。
穴が浅いと、この上の部分が石から浮いたようになるんですが、
しっかりと根本まで入っております。
右がコアで抜いたステンレスの筒が入った花立石。
左が以前の手で穴を開けた花立石。
お供えできる花の量も多分ずいぶん違うと思います。
掃除もしやすく、
お花もたくさん供えられて、
いいことづくめですね。
これを発明した人は表彰されてもいいと思いますがね。
(^O^)
ただ、
穴が全く開いてない花立石に穴を開けるのは、実は簡単なんですが、
小さめの穴が開いている石に大きめの穴を開けるのは、実は手間が掛かります。
ゼロから開けるときは、不要な部分の石を取るのは非常に簡単なのですが、
上の写真のように小さめの穴を大きくするときは、石が途中で折れてしまい、
残った底の石を取るのに非常に苦労します。
苦労して、底の残った石を取ることができても、
終わりではありません。
このままでは、雨などで、穴に溜まった水が抜けないので、
冬季、凍結したりしたら、石自体が割れたりするんです。
また、長い間水が溜まったままになっていると、水が腐って腐敗臭が酷くなります。夏場は特に悪臭が漂います。なので、水抜きの穴を開ける必要があります。
上の写真のように花筒の穴の一番底に来るように、水抜き穴を開けます。
私は、左右外側に空けるようにしております。
穴が見えて、かっこ悪いという石屋さんもあるかも知れませんが、
裏側とか内側とかだと、石同士が密着してしまうと、
水抜き穴がせっかく空いているのに、水が抜けない、ということがあるから。
せっかく空けても、抜けないと意味ないですからね。
とここまでで通常は、完成なのですが、
いつも気になるポイントがもう一つ。
奥の一組(2つ)が完成した花立石。
手前の一組(2つ)が加工前の花立石。
穴だけではないです。