お墓の引っ越し~灯ろう編
おはようございます。
お墓の引っ越し、を主に1月はやっております
但馬、豊岡のお墓と墓石のプロ、おおきた石材店の大北和彦(stoneman-ohkita)です。
お墓をあっちからこっちへ移すだけでしょ??
大間違い!!
残念でした。初戦敗退です。
また来年お越しください。
まず、灯ろうのお引越しです。
山の上から持って降りてきたのは、丸墓前灯ろうというもの。
6つのパーツのうち、その第一。
一番下の地面の上にある石。
私たちは「地輪の石」などと呼んでいます。
五輪塔の一番下の石と同じように読んでいますね。
手前が下、地面と接している部分。
施工でくっ付いている古いモルタル(セメント+砂+水で練ったもの)
がしっかり付着しております。
これをきれいに取り除かなくては施工不良になります。
起こした写真がこれ。
こういった道具でこのモルタルを取り外していきます。
一番上が「せっとう」
次が「コンクリートのみ」
「刃付きの平のみ」
このように、簡単に外れる時もありますが、
なかなか取れない場合もあります。
ひっくり返して、上の面。
このように、上に乗っていた首と呼んでいる部材とを固定していた
ノロ(セメント+水を練ったもの)
あるいは、
樹脂ノロ(セメント+セメント接着剤を練ったもの)で
と呼ばれるものを取り除きます。
ノミで取ったり、叩いて剥離させたりして大きなものは取るのですが、
その後、
このスクレーバーという道具で、表面に薄く付着している
セメント被膜を削り取ります。
これをしないとまた施工不良です。
ちなみに、この作業は磨き仕上げしてある石のみです。
その他の加工の石にはできません。
こういった上面と下面の接着していた材料をそぎ落とす作業を
全ての石にしなくてはいけません。
これは、ロウソク台が乗る「火受」という下から3番目の部材。
このような道具で大きめの接着材料は叩いて落とし、
その後、
細かい部材を落とすのは先ほどのスクレーバーでそぎ落とします。
グラインダ等で削ると早いんですが、磨きの面も一緒に落ちてしまいます。
なので、この方法で落としております。
こちらは、「火袋」と言って、先ほどの火受の上に乗る下から4番目の部材。
この上と下の面は石と直接接する部分のみなので、
見えないのでグラインダでそぎ落とします。
このように一個一個、汚れと不要なものをそぎ落とす作業。
灯ろうは1対がおおいので、
6部材×2組=12部材しなくてはなりません。
「お墓の引っ越し」と言っても
意外と、いや、結構大変な作業が必要なのです。