春のお彼岸を前に、お墓参りや墓石の購入を検討されている方も多い時期です。しかし、今年は例年とは少し違う状況が生まれています。それは、中国政府の輸出産業への補助金削減政策が、日本の墓石市場に影響を及ぼし始めているということです。
日本の墓石の約8割は中国産
意外に思われるかもしれませんが、日本国内で建てられる墓石の約8割は中国で加工されたものです。原石は世界各地から調達されますが、その多くが中国の石材加工工場で磨かれ、彫刻され、日本へ輸入されています。
中国の石材加工技術は高く、また人件費や設備費の面でもコストメリットがあったため、長年にわたり日本の墓石業界を支えてきました。
中国政府の補助金削減とは
中国政府はこれまで、輸出産業を支援するためにさまざまな補助金制度を設けてきました。石材加工業も例外ではなく、設備投資への補助、電力料金の優遇、税制上の優遇措置などが存在していました。
しかし近年、中国経済の構造転換や財政健全化の流れの中で、こうした補助金が段階的に削減されています。特に2024年後半から2025年にかけて、地方政府レベルでの支援縮小が顕著になってきました。
墓石価格への影響
補助金削減は、以下のような形で墓石価格に影響します。
製造コストの上昇
補助金に支えられていた電力費や設備費が本来の価格に戻ることで、中国国内での加工コストが上昇します。これまで「価格優位性」があった中国産墓石が、その優位性を徐々に失いつつあります。
為替との複合効果
円安傾向が続く中、輸入コストはすでに上昇していました。そこに製造コストの上昇が加わることで、日本国内での販売価格への転嫁は避けられない状況です。
納期への影響も
一部の中小加工業者は採算が合わず、生産規模を縮小したり廃業したりするケースも出ています。これにより、注文から納品までの期間が長くなる可能性もあります。
春のお彼岸前の今、考えるべきこと
すでに検討中の方へ
もしお墓の建立や改修をすでに具体的に検討されているなら、早めの決断が賢明かもしれません。石材店の多くは、数か月前に仕入れた在庫や、すでに発注済みの石材については従来価格で提供できる場合があります。
春のお彼岸は石材業界にとって繁忙期の一つですが、実は見積もりや相談は今の時期(2月)が比較的スムーズです。価格改定前の見積もりを取得しておくことをお勧めします。
これから検討する方へ
急ぐ必要はありませんが、「様子を見る」期間が長くなるほど、価格は上昇する可能性があります。少なくとも複数の石材店で見積もりを取り、現在の相場感を把握しておくことが大切です。
また、国産石材や、中国以外の国(インドなど)で加工された石材も選択肢に入れることで、価格比較の幅が広がります。
長期的な視点で考える
墓石は一度建てれば、少なくとも数十年、場合によっては百年以上使い続けるものです。数万円、数十万円の価格差を気にしすぎるよりも、品質や石材店の信頼性、アフターサービスなどを総合的に判断することが重要です。
ただし、「今後さらに価格が上がる可能性がある」という市場環境を理解した上で、購入時期を検討する価値はあります。
まとめ
中国の補助金削減という国際的な経済政策の変化が、私たちの身近なお墓にも影響を与えています。グローバル化した現代では、墓石のような伝統的な商品でさえ、世界経済の動きと無縁ではいられません。
春のお彼岸を前に、ご先祖様への感謝とともに、お墓について改めて考えてみる機会にしてはいかがでしょうか。購入を検討されている方は、石材店への早めの相談をお勧めします。
参考情報
実際に見積もりを取る際は、以下の点を確認しましょう。
- 石材の産地(原石と加工地の両方)
- 施工内容の詳細(基礎工事、耐震施工の有無)
- 保証内容とアフターサービス
- 価格の有効期限
信頼できる石材店は、こうした質問に丁寧に答えてくれるはずです。


















