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    お墓工事に大敵な「雨と雪と」

    太平洋側は冬は「乾燥」の季節。でも、日本海側は「湿度との闘い」の季節です。

    おおきた石材店 代表 大北和彦

    〇 お墓ディレクター1級
    〇 墓地管理士
    〇 石材施工技能士1級
    〇 技能顕功賞
    〇 一般社団法人日本石材産業協会正会員

    おおきた石材店

    昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

    冬の季節がやってくると、日本海の海水から湧き出る水蒸気をたっぷり吸って、湿度が高い北北西の風が強く吹きます。そして、気温が下がるとそれが、雨から雪へと変わるわけです。

    その湿度たっぷりの空気が日本海側でたっぷりと水分を地上におとして、その後、乾燥しきった風が太平洋側に流れ込んで、乾燥するのですね。

    お墓の工事というものは、湿度との闘いでもあります。

    目次

    湿度を嫌うお墓工事

    特に、湿度を避けたい作業工程をお伝えします。

    建て方(お墓を建てる工程)

    まず、お墓工事全般、その中でも、接着剤を使う作業は極端に湿度を嫌います。極端な話、雨や雪が降っていなかったとしても、豊岡市は朝は霜、夕方以降は霧が発生し、その湿度でも施工不良の原因となります。

    このような、弾性接着剤はもとより、2液を混ぜて使うエポキシ系の強靭に固まる接着剤も水分があると、施工不良となります。

    お墓の石、外柵の石などの据付工事も雨降りの日は避けたいです。石を移動させる際、濡れていると滑る可能性が高くなります。特に、写真のような石を挟んで持ち上げる作業は濡れた石は厳禁です。

    シール(目地)作業

    このような、養生テープを貼って行う「目地作業」も雨が降ったりしたら、出来ませんし、更にこのすき間に水分が溜まってしまっていては、完全に施工不良となり、簡単にはがれてしまいますので、当日はもとより、前日の雨降り、湿気も対策しないといけないので、ブルーシートなどで養生しなくてはいけないのです。

    現場での文字彫刻

    このような現場での文字彫刻も雨、雪、水分厳禁です。石自体が湿気を含んでいると、ゴムシートが剥離してしまうので、石もしっかり乾燥させなくてはいけないので、こちらも養生、石の乾燥をさせるのに苦労があります。

    コンクリートを作る工程

    それ以外にも、コンクリート工事も雨などは避けた方がいいです。特に雪は絶対にダメですね。

    雨が降ると、表面を押さえるという作業が難しくなります。コンクリートは表面、特に上の面の出来上がりが極めて大事になるので、雨降りではテントを張るなりの養生してないと、できないです。

    コンクリート施工前の作業

    土木作業的な部分でも、雨や雪は避けたいですね。

    基礎工事の最初の段階、まず穴を掘る作業から始まりますが、この時に雨や雪が降られると困ります。地面がぬかるんで、転圧してもしっかり固まらなかったり、雪の場合、とりあえずすべて除雪しないとできないので、除雪作業が余計な作業となります。

    機械系の道具

    カニクレーンや運搬車、発電機、コンプレッサなど、機械系の道具もあまり雨降りの中に使いたくないものです。

    機械ではなくても、こういった作業も雨降りの日は避けたいですね。(雨の中作業してますが。。。)

    ダンプ、重機など雨降りでもある程度大丈夫な機械はありますし、雨でもある程度はどの機械も大丈夫に設計されているはずです。屋外用のものなら。但し、雨降りの中、一日中作業、などという場合はいろいろ不具合が出てきますので、雨の中、雪の中、長時間の使用、作業は出来れば避けたいです。

    樹脂舗装(ファイバーレジン)

    樹脂で固める舗装、いわゆる樹脂舗装。おおきた石材店では、ファイバーレジンという商品を使っていますので、そう呼んでいますが、こちらも湿気は非常に嫌います。

    日本海側の冬はほぼ工事できない、と言っていいほどの困難度です。上にテントを張り、全体に養生のため、ブルーシートを2重に設置して、樹脂の上側にマスカーフィルムを張っても、施工不良となったことがあり、施工はもとより、24時間の養生時間を取らないといけないので、冬は困難を極めます。それも一つの原因ですが、それ以外の理由もいくつかあり、この舗装仕上げは「避けた方がいいお墓工事」に指定しております。

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    こうなると、雨や雪が降ったらできる作業はほとんどない、と言ってもいい状態です。

    雨でもできるお墓工事は

    強いていうなら、雨降りでも可能なお墓工事は。。。

    「お墓仕舞い」の工事くらい。

    でも、

    • お墓の石を吊る作業、
    • 運搬車で運ぶ作業、
    • 石を割る作業、
    • 石を人力で移動させる作業

    などは、雨や雪が降ると、滑るので、危険な作業となります。本当は、どんな作業でも、雨降りは避けた方がいいのです。

    まとめ

    北国のように大雪が降って、根雪が残るということは少なくなりましたが、それでも、12月頃から2月頃までの冬季は兵庫県北部は雨や雪が極めて多い、お墓工事は困難な時期となります。

    それでも、合間の晴れ間の日、曇りの日、雨でも少しでもある間の晴れ間、雨が止んだタイミングを利用して、お墓工事をさせていただいていますが、それ以外の季節のおよそ倍くらいの時間がかかるような気がしています。

    本来はそれ以外の時期にお墓工事が出来るのが、理想なのですが、それでも、この3か月の間、全くお墓工事をしないのも難しいですね。時間がかかっても、それ以外の季節と同等のお墓工事が出来るよう、いろいろ工夫をしております。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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