
きっかけは、2022年5月。
福島県相馬市にお墓の倒壊現場を視察に行った時でした。
地震が来て数か月経過していたにも関わらず、このような惨状でした。








被災地で出会った人
その惨状の中で一人のおばあさんに出会いました。福島県相馬市のとある墓地でした。
そのおばあさんは自分の家のお墓にブルーシートをかぶせていて、私たちがやってくると話しかけてきました。
お墓が倒れてしまって、石屋さんに直してほしいと何度もたのんでいるのに、なかなかやって来てくれない。順番が回ってこないのだ。石材店も多忙を極めている。
私たちが石屋だと話すと、お願いだから、このお墓を直してほしいと懇願された。ご先祖様のお骨がむき出しになってしまって、こんなことだと申し訳が立たないとおっしゃっていた。
だが、私たち石材店も道具もなければ、機械もない。何もなければ、何一つできないのだ。無力感を感じながら、ほんとに申し訳ないですと謝りつつ、その場を去った。
このように、一度倒壊してしまうと、元にはほとんど戻らない。石が割れて居たり、折れて居たり、そういった部分の石を新しく取り換えたり、しなくてはいけない。更に、ガタガタになった基礎コンクリートは新しく施工し直さないといけない。ゼロからの修理ではない。今ある破壊された基礎コンクリートの撤去から始めないといけないので、マイナスからのスタートだ。
新しい部材を調達して、すべて新しく設置し直さないといけない。以前設置した時の接着剤などはきれいさっぱりと除去しないといいお墓は建たない。また、以前と同じ施工なら、同じ揺れが来たら、また倒れてしまう。以前より地震に強い建て方を検討して、実際に工事しないといけない。
ゼロから新しく建てるよりも、1.5倍くらいの費用が掛かってしまうこともあるかもしれない。場合によっては、2倍の費用が掛かるかもしれない。とてつもない費用と手間がかかってしまう。
被災地の石材店さんはおっしゃっていた。
地震に遭って、倒れてしまったお墓は一度は修理してくれる。費用が掛かっても。でももう一度地震が来て、倒れてしまったら、もう2度とその石材店には依頼されない。信用がなくなるのだ。別のもっと評判のいい石材店に行くか、それともお墓を諦めて、別の場所に納骨することを考える人がほとんど、だと。
石材店はつらいでしょうが、そのお墓の持ち主はもっとつらいのだと思います。
石材店の仕事
確かに地震でお墓が倒れてしまったのは、石材店にとってもお墓の持ち主にとっても不幸ではあるでしょう。でも、その石材店には、大きな責任があると思うのです。
ただ単にお墓を建てるだけでいい、そう思っている石材店さんもいらっしゃるでしょう。
でも、私はそうは思いません。
少しでも地震に強いお墓を建てるべき。建てるのが石材店の務めだと信じています。
多少の手間がかかっても、多少の費用が増えても、それでしっかりとした、地震にも強いお墓が建つのなら、是非ともそちらにすべきだし、そう考えるのが、「お墓のプロ」と呼べるのだと思うのです。
地震大国、日本でお墓はほぼ建て方のルールのないものです。建築基準という日本国の住宅の建て方のルールがあります。でも、お墓はそんなルールすらない建造物なのです。それでも、私は、地震に強いお墓を建てたい。多少の地震でも影響を受けないお墓を建てたい。
そう考え、福島の地で、須賀川市の「関根石材店 」さんに教えを請いました。東日本大震災以降、福島県は多くの地震に見舞われています。その中で唯一、地震の被害がほとんどない、本当の意味での「地震に強いお墓」を建てられています。
基礎部分から徹底的に改良を加え、より強いお墓、地震に天災にも強いお墓というものの建て方を教わりました。そのお墓をこの但馬、豊岡の地で建てていきたい。それが、「お墓のプロ」としての務めだと考えます。
「地震に強いお墓」の意味
「地震に強いお墓」とは、「どんな地震でも倒れないお墓」ではありません。
地震というのは、地盤の影響を強く受けて、大きく揺れて、影響が大きい土地もあれば、そのすぐ近くでも、ほとんど揺れることがない地盤も存在します。ある種、「運」の要素もあるのです。でも、運が影響しても、最低限、一番小さな揺れ、一番小さな影響で済むお墓を目指して、日々、より良い、より地震に強いお墓を目指して、日々進歩、日々精進しているつもりです。
徐々に「地震に強いお墓」が豊岡市、但馬地方、そして、関西地方に広がっていけば、いいのにな、と考えながら、日々お墓を建てています。新しいお墓だけではなく、古いお墓もリフォーム工事にて、「地震に強いお墓」を建てることが出来ます。
この地震に強いお墓を選んでもらえるよう、そして、そのためには私一人が建てていてもあまり大きく広がらないと思います。この「地震に強いお墓」で建ててみようと思われる石材店の方もぜひ一緒に建てませんか?
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