お彼岸が近づくと「できるだけ安価にお墓を建てたい」という相談が一気に増えます。気持ちはよく分かります。ただ、墓石は見た目よりも、基礎や据え付けなどの見えない部分で差が出やすく、安さ優先で進めると数年後に傾き、目地割れ、ぐらつきなどの不安が出ることも。

◇ お墓ディレクター1級:お墓のプロの証、1級取得者は全国で2桁
◇ 墓地管理士:お墓、納骨堂、永代供養墓の法律の専門家
◇(一社)日本石材産業協会正会員、兵庫県支部理事
◇ 石材加工技能士1級:石の加工の技能を表する国家資格
◇ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
◇ 「地震に強いお墓」施工店
おおきた石材店
昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

この記事では、費用を抑えたい時に「削ってはいけない所」と「工夫で調整できる所」を整理し、どうしても難しい場合の樹木葬・永代供養墓との違いまで、中立に分かりやすくまとめます。
安く建てたい気持ちは自然。でも“後から効く差”がある
お墓を建てたい、でも、費用が掛かる。少しでも安くできないかしら? という気持ちはよく分かります。

でも、何でもいいから安いお墓を建てたいというのは、あまり良い方策ではありません。
初期費用だけで決めると起きやすいこと
では、予算を抑えたい時はどこをどう工夫するといいのでしょうか。まず考えたいのは「削る順番」です。削ってはいけないのは安全に関わるところ。
具体的には、地盤・基礎・据え付けの考え方です。地震や凍結、雨の影響を受ける場所では、ここを弱くすると後で手直しが必要になり、結果的に高くつくことが少なくありません。
いずれの部分もお墓の石の下です。

ここをより改良しようと思ったら、上の石をすべて取り外さないとできないところばかりです。
見えない部分(基礎・据え付け)が価格差になる理由
10年以上昔はお墓に基礎コンクリートをする石材店は多くはなかったです。中には布基礎といって、石が乗る部分のみ基礎コンクリートをして、その他の部分は土や砕石を敷いた状態でお墓を建てる業者さんが多くいらっしゃりました。
現在でも、西日本、近畿地方では、そういった安価な基礎工事を実施している地域もあると聞いております。
お墓という特殊な建造物である特性上、お寺のご住職でも中には、「お墓の下にコンクリートなど、するべきではない」などと、耳を疑うことを言われたこともありました。
ただ、この部分、お墓が完成した後は、確認することが非常に難しく、安価に仕上げて、しっかりとした基礎工事と言ってしまうこともあるので、なかなか価格で差をつけることが難しい部分でもあります。
安価に寄せるなら、削る順番を間違えない
優先度1:安全(耐震)/優先度2:維持のしやすさ
最も優先度を高くすべきなのは、安全、安心の部分。つまり耐震、免震。基礎工事に関わる部分。次にメンテナンス、つまり維持のしやすさを優先すべきでしょう。
逆に削ってもいいのは、意匠やサイズ、付属品の優先順位です。
例えば、豪華さを少し控えても、清掃性を上げたり、目地や水の流れを工夫したりすると、長く安心して使いやすいお墓になります。

さらには、サイズを小さくする、という方法もあります。こちらはデメリットもありますが、(小さなお墓というイメージになりやすい)メリットもあり、お墓のサイズ、墓地の区画自体を小さくすると、基礎工事費用も安くなるというメリットも出てきます。
シンプルなお墓はお墓そうじも簡単になり、時短にもなりますし、メリットが大きい手法でもあります。
削るより「設計で整える」ほうが結果的に安定
つまりは、「構造で整える(削る)」のではなく、「設計で整える(削る)」という発想で、お墓をデザインした方が、お墓を建てた後、満足感が増える、不満が少なくてすむ、という部分でもあります。
できるだけ安価に、の答え
「できるだけ安価に」という要望に対して、現実的なのは「下げ方を間違えない」こと。
具体的には、
①仕様を全部いじる前に、まず予算の上限を決める。
②その中で「安全(耐震)」と「維持(掃除・管理)」は優先度を上げる。
③残りで見た目や石種、オプションを調整する。
この順番にすると、納得しやすく、後悔も減ります。
見積りを見る時のコツもあります。合計金額だけで比べると判断が難しいので、「基礎・据え付け」「耐震の考え方」がどうなっているかを確認すると、内容の差が見えやすくなります。
安価な提案ほど、ここが薄い場合があるので要注意です。
どうしても難しい時の現実的な選択肢
とはいえ、どうしても墓石建立が難しいケースもあります。
近年は、費用だけでなく、将来の継承や管理の負担を考えて、樹木葬や永代供養墓を検討される方も増えています。これは「お墓を諦める」というより、「家族の形に合わせて供養を選ぶ」という流れでもあります。
樹木葬・永代供養墓の向き不向き
ただ、樹木葬・永代供養墓は合う人にはとても良い一方で後から「こんなはずではなかった」と揉めやすい面もあります。
たとえば、親世代は“手を合わせる場所”が欲しい、子世代は“管理負担を減らしたい”。
この両方を満たす方法は、墓石か樹木葬かの二択だけではなく、
小さく建てる、維持が楽な設計にする、合祀の条件を確認するなど、意外と幅があります。
家族が揉めない確認ポイント
お彼岸は家族が集まって話しやすい時期です。
焦って決める必要はありませんが、逆に“何も決めないまま”時間だけが過ぎるのもつらいもの。
まずは、予算の上限と「絶対に譲れない安心(耐震など)」を一つだけ決めてみてください。
そこから話が進みやすくなります。
















