納骨や法要のタイミングで増えるご相談が、戒名(法名)の追加彫刻です。
一見「文字を彫るだけ」に見えますが、ここは 一度彫ると簡単に直せない ため、ほんの小さな確認不足が“ずっと残る後悔”になりやすい分野でもあります。
今日は、戒名(法名、法号)追加彫刻で後悔しやすいポイントを5つに絞って、彫る前に確認しておくべきことをまとめます。売り込みではなく、失敗を避けるための記事です。

◇ お墓ディレクター1級:お墓のプロの証、1級取得者は全国で2桁
◇ 墓地管理士:お墓、納骨堂、永代供養墓の法律の専門家
◇(一社)日本石材産業協会正会員、兵庫県支部理事
◇ 石材加工技能士1級:石の加工の技能を表する国家資格
◇ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
◇ 「地震に強いお墓」施工店
おおきた石材店
昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

後悔①:文字の「正式表記」を確認しない
戒名(法名、法号)は、寺院や宗派、授戒の状況によって表記が変わることがあります。
間違いが起きやすいのは、次の部分です。
- 院号/院殿号の有無
- 位号(信士・信女・居士・大姉 など)
- 「釋(しゃく)」を付ける/付けない(宗派・寺院の方針)
- 旧字体・異体字(例:﨑/崎、髙/高 など)
戒名(法名、法号)だけではなく、俗名でも旧字体・戸籍字体の違いの文字が稀にあります。
確認のコツ
「口頭で聞いた戒名」だけで進めないことです。
できれば お寺からいただいた紙(回向文、位牌、過去帳の写し等) を基準にします。
分からない場合は、寺院に「彫刻に使う正式表記」を確認するのが一番確実です。
また、「逮夜表」と言って、お寺、ご住職から頂く、枕経の予定表のようなものを頂く場合があります。
それに、戒名(法名、法)、なくなった日、俗名、没年齢などが記載されていることがあります。そちらを代用する場合もあります。
後悔②:命日・俗名・年齢表記が異なる
戒名の追加彫刻は、戒名だけでなく 没年月日 や 俗名、そして 年齢 を彫ることが多いです。ここが後悔ポイントになりやすい。
よくある表記の違い
- 命日:和暦/西暦、元号の書き方
- 俗名:旧字体・戸籍字体の違い
- 年齢:行年(満年齢)/享年(数え年) が混在する
- 「才」の扱い:墓誌では 「歳」を「才」に置き換える 表記が多い
- 享年表記:一般的に 「享年〇」 とし、「享年〇才(歳)」とはしない ことが多い
確認のコツ
- 年齢はまず 行年で統一するか/享年で統一するか を先に決める
- 迷ったら、すでに彫ってある先祖の表記に合わせる(一番揉めにくい)
- 「才」の扱い(才で揃えるか)も、既存の墓誌に合わせるのが安全です
後悔③:並び順を決めずに進めてしまう
追加彫刻は、新規建立と違って「入れられるスペース」と「既存の並び」が決まっています。
だから並び順を曖昧にしたまま進めると、あとから「こっちが良かった」となりがちです。
確認のコツ
- 並びは基本 右(上位)から。まず既存の墓誌のルールを確認する
- 「命日順」にしたい方もいますが、実務では 夫婦・家族としての並び(家の考え方) を優先することも多い
- 今後、追加彫刻が入りそうなら、将来入る位置も含めて配列を決めておく(場合によっては、空欄も作る)
- 大事なのは“正解探し”より、「既存の表記と整合するか」 です
後悔④:レイアウト(文字の大きさ・配置)を事前に確認していなかった
同じ内容でも、スペースによって
- 文字が詰まって小さくなる
- 行が増える
- バランスが変わる
ということが起きます。
「思っていたより細かく見える」「あとで読みづらい」などの後悔につながりやすい部分です。
確認のコツ
- 追加後のイメージ(原稿・レイアウト案)を事前に確認する
- 文字数が増える場合、どこが小さくなるか(位号、年齢、命日など)を把握する
- 墓誌のスペースが限られる場合は、どこまで入れるか(俗名の有無など)を先に決める
後悔⑤:朱入れ・納期・当日の段取りを詰めていなかった(意外と多い)
最後に、実務で行き違いが起きやすいのがここです。
よくある行き違い
- 朱入れ(色入れ)をするつもりだったのに、していなかった/逆に入ると思っていなかった
- 法要の日に間に合うと思っていたが、納期に余裕がなかった
- 当日の立会いが必要なのか、納骨口の開閉は誰がするのか分からない
朱入れよりも「朱抜き(色落とし)」の方が多く発生することになりますが、ただ抜くだけ、と考えると大間違いで、この色を抜くという作業は意外と大変です。費用もかかりますので、ご自身でやるが基本、できなければ依頼する、というのがいいと思います。
納骨時、お寺さん(ご住職)は何もしてくれない、と考えた方が無難です。納骨口の開閉はご自身、家族親族がするか、出来ない、自信がない場合は石材店など専門家に依頼しましょう。
確認のコツ(最低限これだけ)
- 朱入れ:する/しない/後日でも可能か
- 納期:いつまでに必要か(法要・納骨日から逆算)
- 当日:立会いの要否、墓地管理者への申請の有無、雨天時の扱い、納骨口の開け閉めは誰が
家族内の確認ポイント(ここが一番揉める)
戒名彫刻は「正解が一つ」ではなく、家ごとの価値観が出ます。揉めやすいのはこの4つです。
- 表記の統一:先祖に合わせるか、新しく揃えるか
- 年齢表記:行年(満年齢)/享年(数え年)どちらで統一するか
- 「才」の扱い:才で揃えるか、既存に合わせるか
- 並び順:夫婦彫り・家族の順番(基本は右から)
おすすめの進め方
まず「決める人(代表者)」を一人決めて、次にこの4点だけを家族で確認。
全部を細かく議論するより、ポイントを絞った方がスムーズです。
彫る前に必ず確認するチェックリスト
最低限、これだけを押さえておけば心配はないと思われます。
- 戒名(法名)の正式表記(紙で確認できるか)
- 位号・院号・「釋」の有無(寺院の方針)
- 命日表記(和暦/西暦、数字の書き方)
- 年齢表記:行年(満年齢)/享年(数え年) のどちらで統一するか
- 享年表記:「享年〇」(才・歳を付けない)でよいか
- 「才」の扱い:墓誌は 歳→才 が多いが、既存表記と揃えるか
- 俗名の漢字(旧字体・戸籍字体)
- 並び順(基本は右から)と、将来の追加を見据えた配列
- レイアウト案(追加後の見え方)
- 朱入れの有無(朱抜きも)
- 納期(法要に間に合うか)
<納骨当日> - 当日の段取り(立会い/申請/納骨口の開閉)


















