その石の選択、ほんとに正しいの?
石は、強固で耐久性が高く、お墓には最適。確かにそうなんですが、石にも弱点があります。ご存知ですか?
石には3つの弱点が少なくともあります。その3つの弱点とは、「水分」「塩分」「熱」です。いずれもお墓の石に大きな影響を与えます。場合によっては、割れたり、変色したり、表面を大きく変えたりといった悪影響を与えます。そのうちのひとつ、「塩分」が石に与える影響を痛感した、私の体験を聞いてください。
そこは、防風林が植えてあるような墓地であり、海風が吹き付ける場所でした。工事しているとき、ふと気になるお墓を見つけたんです。
そのお墓は妙に白っぽくて、目立ってたんですね。気になって、近くでそのお墓を見ていると、驚くべきことになっていました。
そのお墓、一見、普通のお墓に見えたんですが、海風が直接当たる面を見ると、妙に白くて、触ってい見ると「ザラっと」していたんです。お墓の石って基本的につるっと光沢があり、ピカピカしているものですが、そこだけザラっとしていたんです。変わった作りのお墓だな、って思って、逆の海風が当たらない面を触ってみると、つるっとしていたんです!!
なんと、左側と右側で全然触った感触が違っていたんです。
どうしてこんなことになってしまうんだと思いますか?
石屋さんがふざけて作った??
ありえません。
こういうデザイン?
ありえるかもしれないですが、デザインとしては最低です。こんなことする人は普通いません。ではどうしてこんなことに??
答えはこれも簡単です。でも簡単であるからといって、対処も簡単だとは限りません。
「答えは海風です」
お墓の石は「塩分」に弱いとお伝えしました。
海風とは多少の塩分を含んでいます。海沿いに住む人はよく知っていると思います。車ですら、海風に常時当たっていると簡単に錆てきます。石も同じように海風に当たり続けると、簡単に風化、劣化してしまうんです。表面の石の組織に悪影響を与えてボロボロになってしまいます。そんなことも知っていて当然なのですが、実は石材店でも知らない人がいるらしいです。
更にもう一つ。
石は均一な材質ではなく、いろいろな成分が含まれています。中には「鉄分』が含まれる石も結構多くあります。その含まれる鉄分が空気と塩分とに反応して「錆(さび)る」ということも実はあるんです。含まれる鉄分が錆びると、場合によっては石が破損する場合も稀にですが、あります。
じゃあ、もう海沿いの墓地にはお墓は建てられないな、そう思った方。半分正解ですが、よく考えてみてください。日本は海に囲まれた国です。ありとあらゆる場所に海があります。でも、すべてのお墓がそうなっているわけではないのです。すぐなる石となかなかなりにくい石があるのです。石は自然の頂き物ですから、工業製品のように常に同じ性質だとは限りません。海風に当たり続けても変化しにくい石と海風に弱い石があるのです。
その違いをあなたは見抜けますか?
おめでとうございます。海の近くの墓地ではない、というだけで大きなメリット(有利な点)がありますね。でも、最初にお話ししたように、お墓に使う石の弱点は「塩分」だけではなかったですね。ほかにも2つも弱点があります。思い出しましたか? じゃあ、そっちはどうですか?
例えば「水分」。この写真を見てください。
よく見てください。なんだか色がまだらになっていますね。あまり見た目良くないですね。どうしてこのようなまだらになるかというと、「水分」です。吸水率って聞いたことある人もいらっしゃるかもしれません。水をどれだけ吸収するか、という数値です。この写真のお墓の石は吸水率がみかげ石の中でも高い石で、水を吸うと色が濃くなるのです。この黒い部分は水分を含んで色が濃くなるのです。このようなまだらはあまり好ましくないですね。
屋外に設置するお墓にとって水分はどうしても避けて通ることはできません。それなら、水分を吸収しにくい石を選んで建てる、ということが必要になってきます。
確かにそれはそうです。そうなんですが、それだけで解決すれば、誰も苦労しないんです。石というものは、個体差があります。吸水率が低くても、色が目立って変わる石があります。水を吸っても色が変わらない石もあります。でも水を吸うと石にとってあまりいいことがありません。色の濃い石の方が色が変わっても目立たない、という側面もあります。
果たして日本国内で約40石種以上、世界全体で250とも300ともいわれる数多くの石の中であなたに最適な石を果たして探し出せるでしょうか?
これまで、お墓に大切な「基礎工事」の必要性、そして、数多くの石材の中からあなたのお墓に最適な石の選び方の難しさをお伝えしました。最後に一番大切な情報をお伝えしないといけません。
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