冬の墓石の文字彫刻は辛い
お墓の正面の文字彫刻は「お墓の顔」ともいえる部分を形作る工程です。
最も力を入れていると同時に最も大切にしている工程です。
でも、冬の文字彫刻、特に正面の文字彫刻は時間もかかり、指先が感覚がなくなるほど冷たくなり、
凍傷との闘い(大げさ??)です。「八甲田山」という映画を思い出しました。
(知らない方は検索してみてください。「天は我々を見放した」という言葉が流行しました。確か)

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
真冬の寒気が居座って、雪が降り続く2月ですが、文字彫刻は最も寒い作業です。高圧エアを石に吹き付け続ける作業なので、指先がとんでもなく冷たくなります。そのエアが飛び出す先が凍り付くときもあるので、長時間の作業は難しく、他の時期より長くかかります。
途中、休み休み(暖房で温めつつ)彫刻するので、どうしても時間がかかってしまう。

とはいえ、通常と同じように工程を踏むので、まっすぐ立てた状態から、横に寝かせた状態にして、細かく彫刻します。
文字は深く彫刻するので、側面と底が出来ます。つまり、横から見たら凹の形になります。この部分がきれいに彫れていれば、見事な文字になりますが、ガタガタだと、残念な彫刻となってしまいます。

理想はきっちりと凹の形になること。でも底まできれいに彫刻するには、長い時間と忍耐力が結構必要なのですよね。
今度は反対に寝かせてみました。
通常は逆さ向き(上下反対)に立てて彫刻するんですが、この墓石は「陣笠頭」と言って、頭の上に尖った部分があるので、上下反対には出来ないのです。なので、左に倒したり、右に倒したりしながら、細かく、彫刻していきます。

なかなか画像ではうまく写りませんが、結構時間かけて彫刻しておりますよ。

なんとか、出来たかな。。。
冬の文字彫刻は大変寒いので、なかなか厳しい作業となります。体は着込めばいいんですが、指先が専用の分厚い手袋していても、すぐに冷たくなってしまい、ほんとに大変です。
昔見た映画で「八甲田山」という映画がありました。
冬の八甲田山で行軍して、遭難してたくさんの死者が出る、という内容の映画だったんですが、足や指先が凍傷でやられるシーンがありました。しばらく文字彫刻しているとその映画を思い出して、このまま文字彫刻していると凍傷になるんじゃないかなと、思えるほどの冷たさです。
まあ、現代人はこんなもんかもしれませんね。
