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    「地震に強いお墓」の主役は、接着剤

    昨日は、「地震に強いお墓」の記事を書いてみました。

    おおきた石材店 代表 大北和彦

    〇 お墓ディレクター1級
    〇 墓地管理士
    〇 石材施工技能士1級
    〇 技能顕功賞
    〇 一般社団法人日本石材産業協会正会員

    おおきた石材店

    昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

    記事はこちらです。

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    「お墓に強いお墓」というキーワードで検索してみて、いくつかのサイトを読んでみたんですが、いろいろ突っ込みどころ満載だったので、まずはこちらを書いてみたんですが、他にもいろいろあります。

    今日は接着剤について。

    接着剤と言えば、多種多様で、いろいろなタイプがあります。その中で、お墓工事に使うのは、主に、「弾性接着剤」というカートリッジを使って使用するタイプ、2種類の半練り状の接着剤を混ぜて練って使う「エポキシ系の接着剤」。そして、完全に固まらない「プチルゴムタイプ」の接着剤という3種類が多く使われます。

    目次

    メーカーではわからない接着剤の性能

    石材用、墓石用と専用接着剤から、汎用接着剤まで、メーカーもほんとに多種多様ですが、多くは「コニシ」と「セメダイン」というメーカー製ではないのかな。そして、メーカーは同じでも、性能が違ったり、価格重視の製品も多く、メーカーだけでは比較できないのです。同じメーカーでも、高品質なもの、廉価版なもの、多種多様です。

    ならば墓石専用の接着剤なら、どれでもいいのか、となると、それも疑問が残ります。

    以前、品質が高いと思われた「ストーン〇〇〇〇」という石材専用の接着剤があり、愛用していたのですが、現在は、使用していません。品質が変わってしまったから。
    使ってみて、その変化が顕著です。以前のその製品は、硬化が遅く、表面が硬化するのに、一日以上経過していた感覚だったのですが、現在の製品は、非常に硬くなるのが早くなり、柔軟性がなくなって、すぐに切れてしまうように感じました。以前は表面硬化後もかなり伸びる?(柔軟?)な感じだったのですが。。。

    このように、品質が変わってしまうこともあります。

    弾性接着剤

    その中で弾性接着剤で現在使用しているのが、こちら。

    メーカーはこちら。

    弾性接着剤のメーカーとしては、かなり有名で、汎用接着剤をかなり販売されていて、墓石専用接着剤もメーカーとして製品を製作されています。

    それ以外の製品よりも、高価です。3割4割高めと言った感じ。但し、それなりの品質がありそうです。価格に見合ったものだと思います。

    エポキシ系接着剤

    2液混合タイプのエポキシ系接着剤。樹脂系とも呼ぶようですが、基本的に私は、耐震ボルトの固定用にしか、今使っていません。もちろん、一基建てるのに、20本、30本使うので、結構な量になるのですが、それでも、それ以外の接着剤よりも使用料は少ないです。

    石と石、あるいは、石とコンクリートの接着する際に、耐震ボルトを使いますが、一つの石に2つ、というのがルールになっています。1つだと、石がその耐震ボルトを軸に回転してしまう、という事例をいくつか地震被災地で見かけたので。

    更に、上の石の裏側に穴を開けて、その石と耐震ボルトを固定するために、エポキシ系、樹脂系接着剤を使用します。

    この部分。

    赤線丸の部分、耐震ボルト(棒)が埋め込んであります。この接着は「エポキシ系接着剤」で固定しています。施工の問題なのですが、このボルトの穴が微妙に角度が異なった場合、このボルトを少しだけ曲げて、穴に挿入しやすくするのですが、これが弾性接着剤だとボルトが曲がりにくいのです。しっかり固定しているエポキシ系接着剤なら、曲げるのはさほど難しくないので。

    プチルゴム系接着剤

    プチルゴム系の接着剤として、上の写真の「ソフトファスナー」という接着剤を使用しています。こちらもかなり高価なのですが、お墓工事にはもう欠かせません。

    これは、最初の弾性接着剤と併用しています。プチルゴムはかなり長期間、施工後経過しても固まりません。ほぼ施工時のように柔軟な性質をキープしてくれます。

    私は、以前、お墓の引っ越しの際、10年前に施工したお墓を仮解体した際、プチルゴムで施工してあったのですが、施工時とほとんど同様の柔らかさを保っていました。ほんとに驚きました。

    弾性接着剤は次第次第に硬くなる性質があります。そして、完全に固まって硬くなってしまうと、接着剤の性能を発揮できません。その際に補助的役割でお墓を守ってくれるのが一つの役割。

    そして、もう一つが、とても柔軟で限りなく伸びるのですが、瞬間的な強い力がかかった場合は石と石を保持してくれる力が強い。でも、ジワジワとゆっくり力を加えると、本来の性質のように、だんだん伸びて行って、限界すぎると外れるという性質があるようなので、弾性接着剤とプチルゴムを併用して、お墓工事に使用しています。

    まとめ

    弾性接着剤、エポキシ系接着剤、プチルゴム系接着剤といろいろな接着剤を併用することで、それぞれの特性に合わせた使用方法で、いいとこどりの接着方法を採用しています。

    エポキシ系は早く固まるけど非常に強固になります。平面に使うと、強い衝撃を受けた際、簡単に外れてしまうリスクがあるので、穴の中のボルトの固定という、一番合った使用方法で、抜けにくい挿入剤としての使用も併用しています。耐震ボルトは本来、「ずれ防止」が主な役割なので、これが一番いい使い方だと思います。

    弾性接着剤とプチルゴム系接着剤は、柔軟な形で固定していて、免震性能も多少、期待できます。そして、メインが弾性、その補助の役割として、プチルゴム系。ただ地震の揺れという場合、プチルゴムはメインの働きも十分期待できるので、こちらもかなりの量を使用しています。

    3種類の接着剤を併用することで、お互いの弱点を補い合い、穴の少ない接着を目指して施工しています。それこそが、「地震に強いお墓」の接着剤使用方法です。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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