お墓が石な理由~お彼岸前のお墓まめ知識①
お墓って、どうして石なのか、知ってますか?

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
オベリスクってありますよね。
背の高い角柱の形の石に文字を刻んであるもの。記念碑だと思うのですが、パリのコンコルド広場、バチカンのサン・ピエトロ広場、などに建っているものが有名らしいのですが(実物は見たことない)

2000年以上昔に作られたオベリスク。その文字はいまだに判読可能です。
石はとても硬くて、耐久性があります。なので、長い年月、存在し続けるものとして、お墓とか記念碑などに最適なのです。木の墓標などはすぐに腐ったり、墨文字は濡れて、見えなくなったりしますから。
でも、硬いということは、実は脆い(欠けやすい)と同義なのです。
日本刀は非常に硬い、ということは知られていますが、同時に刃が欠けやすいのも、良く知られた性質です。それと同様、石も極めて欠けやすいのです。
石は欠けやすい
特に石で欠けやすい部分があります。花立石です。

上はお墓の石の正面ですが、花立石の足元が欠けやすいのです。

花立石の足元。赤の線で囲った部分です。分かりやすくズームすると。。。

よく見ると、わずかに欠けていますね。
でもこれはまだわずかな方で。。。


このように大きく欠損しているものもよく見ます。古いお墓ならまだ仕方ないと思いますが、新しいお墓がこのように大きく欠けていると、とても残念に感じます。
花立石はこのような、足元だけではなく、この部分も欠けやすいです。



このように、お墓本体の台石と角と角が当たる部分が欠けやすいのです。
対策が返って裏目に
なので、このように角と角が当たらないように、離している場合もあります。


このようにすき間を開けている場合もあります。でもこちらはこちらでデメリットがあります。
まず、隙間にゴミが溜まりやすいこと。本来ピッタリとくっついていると、隙間にはゴミは溜まりにくいはずなんです。でも敢えてすき間を開けてしまうと、そこにゴミは入り込み、汚れやすくなります。
また、ゴミが溜まるので、それを掃除するため、石を動かして、中のゴミを掃除するために石を動かすとどうしてもまた欠けてしまいます。
石が濡れていると、予想外に石が滑って石同士が当たってしまい、欠ける。 かといって、石が乾燥しきった状態だと、石同士がくっついてしまい、分離しようと力をかけて動かすと、急に動いてしまって、勢い余って石が当たり、やっぱり欠けると、なりがちです。
石が欠けるだけならいいのですが、勢い余って、石が落ちてしまい、怪我をする、ということもあります。ほんとに、難儀なんです。ですが、そういうこともあると考えて、十分注意してください。
石が不安定になる
先ほどのように石同士を離して置いておくと、石同士くっついていると安定していたものが、設置面が少なくなって、不安定になる、というデメリットもあります。
地震だとか、動物(カラス、鹿、イノシシなど)が動かすこともゼロではないはずです。特にカラスと鹿はお墓に近づきがち、です。お供え物、お花を食べるので。
普段なら、何事もないはずなのですが、不安定になっているので、それだけで倒れてしまう可能性も当然、高くなります。
最近のお墓は花立石は動かさないように工夫されています。
花立石も進化




上の写真のように、花立は今や、石に直接お花を挿すのではなく、ステンレスの筒にお花を挿すようになっています。このステンレスの筒の中に水を入れて、そのまま花立石に差し込んで、お花をお供えするというスタイルがほぼ92%です。(おおきた石材店調べ)
ですから、このステンレスの筒を掃除すればいいので、花立石を動かさなくてもいいのです。本来はそうなるはずなのです。
でも、相変わらず、花立石は移動され、その度に花立石は欠けるリスクを負っているわけです。
花立石が欠けやすいお墓の構造
その理由は、「納骨口があるから」です。

真ん中の石が納骨口の蓋になる「水鉢石」、その左右に「花立石」があります。

つまり、お骨を納骨するたびにこの「水鉢石」をどけないと納骨できないのです。
この水鉢石を移動させるために、花立石を移動しないといけない。そういう構造になっているわけです。これはある種、石材店の怠慢、と言ってもいいかもしれません。花立石を動かさなくても納骨できる構造は作れるはずです。物理的に不可能ではないはずです。でも、そういう配慮がない、という怠慢です。
おおきた石材店では、この「納骨口」⇒「花立石」と動かさないと納骨できない構造を解消しようと考えています。現在、「信頼棺®」構造のお墓の一部ではありますが、納骨口を水鉢石からの納骨をやめて、別の場所からの納骨を設計しつつあります。そうなると、花立石も水鉢石も動かす必要がなくなります。
おおきた石材店は常に、お墓にまつわる「不具合」「不便」を解消することを考えています。