お墓そうじの裏技~お彼岸前のお墓まめ知識③
お墓参りするに際して、お墓そうじされる方は多いと思います。汚れたままでお墓参りするより、きれいになった後でお墓参り、がやっぱり気持ちがいい、ですよね。

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
ただ、お墓そうじは①草取り、②落ち葉、ゴミ拾い、③墓石の清掃と大まかに分けて3つくらいありますが、①の草取り(草抜き)はご自宅でもされることがあると思います。②の落ち葉、ゴミ拾いもね。
お墓そうじは根気次第
こちらは誰でも、大体やったことがあるので、わかると思うんですが、一番厄介なのが、「墓石の清掃」なのです。お墓本体の清掃は後日、お伝えするとして、一番気になるのが、お墓の周囲の石の汚れではないでしょうか?
これ、気になる人は気になるけど、気にならない人は気にならないという法則があります。
(どんな法則だよ。。。)

こういうところや、

こういうところ。これは「拝石」と言いまして、お参りする時にその上に乗ってお参りください、という印の石です。この石の上に乗ることが基本になるので、雨とか雪でも滑らないよう(それでもすべるんですけどね。)滑り止め加工されていることがほとんどです。
もろ刃の剣でもある「滑り止め加工」
滑り止め加工されているお蔭で、滑りにくくはなっている(それでも滑るんですけどね。)のですが、その影響というか、汚れが付着しやすいのです。つるんとしている研磨加工(磨いてピカピカしている石)は逆に汚れが付着しずらく、汚れても簡単に落ちます。
一方、ピカピカの石は非常に滑りやすく、雨とかで濡れていると極めて危険です。雪が降り積もった日には、フィギュアスケートの選手でも転倒しそうなほど滑ります。
つまり、このすべり止め加工は必需品なのですが、汚れを落とすのが一苦労なのです。
この汚れはほとんどが「水あか」です。水あか汚れなのです。ですから、時間をかけて、じっくり根気強く汚れを落とそうとすれば、落ちますよ。でも、時間がかかる、力がいる、根気がいる、3拍子揃っているんです。なので、私たちお墓のプロ、はお墓そうじを依頼された時は、裏技を用います。
お墓磨きの裏技とは
それはつまり、「墓石専用洗剤」です。

お盆前に依頼されたお墓です。そうじ前。

そうじ後です。まだ濡れているのでよく分かりませんが、かなり汚れは落ちています。

工事着手前。2枚の板石(拝石)の様子。少し汚れているように見えます。それにしても草もすごい。

2枚のうち、右側のみ、墓石専用洗剤で汚れを落としました。1回で少したわしでこすったら、こんな状態です。
では、右側も掃除します。

ちょっと強力なんですが、水あか汚れ専用の墓石用洗剤。一回、石に塗って、たわしでこすった状態。

その後、水でしっかり洗剤と汚れを流した後です。まだ乾燥していないので、分かりにくいですが、しっかりと汚れが落ちています。かなり強力な洗剤です。
このように、かなり強力な洗剤ですが、強力であればあるほど、使用方法が難しい、取り扱い注意というものが多いですね。強力ですから。
しかも、こういった洗剤は一般には販売されていません。あまり需要がないのでね。でも石材店では、特殊なルート(なのかな。。。)を通じて購入されます。でも、想像以上に高額なのです。ちょっとお高いホームセンターの強力汚れ落とし洗剤など、比べ物にならないほど、高価です。はい。
お墓の素人である私たちはどうすればいい?
年に一回、お墓そうじするだけの私たち、素人はどうすればいいの?

そういう人にお墓そうじ、特に墓石の汚れ落としの極意をお教えします。
① 雨の日、雨上がりの日にそうじする
お墓の石は濡れているときと乾燥している時では汚れの落ち方が違います。濡れているときが断然汚れが落ちやすいです。逆に乾燥しているときは、とても汚れが落ちにくい傾向があります。雨上がりの日にお墓そうじしましょう。
② 滑り止め加工はワイヤーブラシでも可
滑り止め加工は滑らないように表面をあえてガタガタに加工しています。そこに汚れが付着している場合、硬いワイヤーブラシのようなものでこすっても、傷つきますが、目立ちません。この部分は固いブラシで掃除して下さい。
ただし、つるつるの磨いた部分は絶対にダメ。傷がついて、目立ち、取り返しがつきません。
③ 洗剤は主に水垢汚れ用の洗剤
強力なものの方がよく落ちますが、洗剤が石に残ると変色、劣化の原因になりますので、完全に水で洗い流してください。大量の水で洗い落とせない場合、あまり強力な洗剤はお勧めできません。
④ 最後に、汚れを必ず落とすという気持ち
お墓の石の汚れは一年間で付着したものなら、簡単に落ちます。でも何年も何年もかけて付着した汚れはなかなか落ちないのです。ですから、最後は根気、つまり粘り強く汚れを落とすという気持ちが大事。汚れとあなたの根競べです。ぜひ汚れに打ち勝ってください。
逆に今回、根比べで勝ったなら、来年からは楽勝となりますよ。だって一年の汚れだから。
さて、次回はお墓の文字の汚れを落としますよ。