こんにちは。兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店の大北和彦です。
お墓に亡くなった方の戒名等を彫刻する機会が増えています。亡くなられる人が増えているということですが、時々あれ?? と思うことないですか? そんなお墓に文字を彫刻する際のルールをお伝えします。
実は、このルールをきちんと守らないと、せっかくの家族の歴史が後世に伝わらなくなってしまう、とても大切な話です。
戒名碑とは?
誰かがお亡くなりになると、お墓の戒名碑(副碑)にその方の戒名・没年月日・俗名・享年などを彫刻します。この戒名碑には、大きく分けて2つの彫刻ルールがあります。
ルール①「家族の関係順」に彫刻する
現在もっとも一般的なのが、先祖→子孫の順(右から左)に彫刻していくスタイルです。
例えば——
| 右(古い世代) | 祖父 → 祖母 → 父 → 母 → 子ども | 左(新しい世代) |
このように、右ほど先祖・左ほど子孫という流れで彫刻されます。
ご主人よりも奥様が先にお亡くなりになった場合や、子どもが親より先に亡くなった場合は、一行空けて後から彫刻することになります。これがこのルールの特徴です。
ルール②「亡くなった順」に彫刻する(古いお墓に多い)
古いお墓では稀に、親・子どもの関係に関係なく、亡くなった順番に右から彫刻していくスタイルが見られます。
このスタイルは、実際に私が目にした戒名碑でこんなケースがありました——

- ①の人(基準となる人物)
- ②は①の奥さん
- ③は①の娘
- ④は①のお父さん
- ⑤は①のお母さん
一見「なぜ父・母が後に来るの?」と思いますが、亡くなった順に彫刻していると考えれば合点がいきます。①②③の息子夫婦とその孫娘が先に旅立ち、④⑤のご両親は長命だったのでしょう。息子夫婦と孫にも先立たれた、さぞ寂しい老後だったのだろうと胸が痛みます。
「亡くなった順」で必ず守るべきこと:関係の明記
亡くなった順に彫刻する場合、世代の順番がバラバラになるため、各人の「関係(続柄)」を必ず彫刻することがルールです。
「妻」「父」「娘」「子」など、故人がどういう立場の人物かを明記しないと、後世の人が見たとき誰が誰なのか全くわからなくなります。

この戒名碑では、ある2人の人物(⑥と⑦)に続柄の記載がなく、2人の関係が全くわからない状態になっていました。それどころか、前の世代との関係もたどれなくなっており、家族の歴史が途切れてしまっていました。
石材店のプロとしての責任
戒名碑の彫刻ルールは、施主(お墓の所有者)の方がすべてを把握しているわけではありません。
追加彫刻のたびに、石材店がプロとしてきちんとルールを確認・提案することで、こうした問題は防ぐことができます。お墓は100年・200年と続く家族の歴史を刻む場所。一度彫ってしまった文字は簡単には直せません。
おおきた石材店では、彫刻のご依頼をいただく際には必ず既存の戒名碑の内容を確認し、ルールに沿った適切な配置・続柄の明記をご提案しています。「どこに、どう彫ればいいか」でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

戒名碑の彫刻は「今この一人」だけを考えがちですが、10年後・20年後に誰かがその碑を見たときにきちんと意味が伝わるかどうかが大切です。「亡くなった順」で彫る場合は特に、続柄の記載が家族の歴史をつなぐ唯一の手がかりになります。彫刻前に一度、石材店にご相談いただくことを強くおすすめします。















