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    墓石の設置は仮組が必須

    以前はただ石の上に石を置くだけでした。ですが、今はそれではダメな時代です。

    まず、基礎コンクリートに外柵石を設置するんですが、設置する前に、コンクリートの表面のレイタンス(不純物)を除去します。これをしておくと、石とコンクリートが分離しにくくなるのです。

    上の写真、コンクリートが固まって、型枠を外した状態です。コンクリートは美しく施工されていますが、実は表面には不純物が膜を張っていて、コンクリート本体とその上に設置される石とを分離しているのです。その不純物を「レイタンス」と呼びます。このレイタンスを取り去らないと十分な接着力を得ることができません。

    そのレイタンスを除去(削り取る)ことをして、その上にセメント系接着剤を塗り込んだのが、上の写真です。

    赤線の内部が「セメント系接着剤を塗った後。色が変わっているのがわかると思います。セメント、モルタルなどならかなりしっかりと固定されます。

    その上に青線の丸枠。これは耐震ボルトが入る穴です。写真の石の裏側には耐震ボルトが固定されているのがわかると思います。この穴に接着剤を装填し、耐震ボルトを差し込むとかなりしっかりとした固定となります。

    こちらは別の石ですが、耐震ボルトがうまく設置できるか、仮組と言って、仮に組んでみた写真です。

    このように、上の石に耐震ボルトを固定して、下の穴にうまく挿入できるかを確認しています。
    実際にはこの下の穴に接着剤を完全に充填して、その中に耐震ボルトを差し込む、という感じで組んでいきます。

    穴の深さより耐震ボルトが長いと引っ掛かって上手く組めないのです。このように仮組してみないとわからないのです。耐震ボルトがほんの少し曲がっていると、途端に穴に入らなくなります。

    外柵石を設置して、固定金具でも固定した状態です。写真でもわかるように、固定金具でも基礎コンクリートと固定して一体化しています。

    更に、外柵石の中に更に、レイタンスを除去して、セメント系接着剤を塗っています。
    中に色の違う部分がありますよね。

    お墓の芝台石が乗る部分に基礎石を同様の設置方法で取り付けました。石同士は固定金具で固定しております。

    このように、ミリ単位で位置を決めて、穴を開けて、それにうまくはまるように耐震ボルトを固定する。それもまっすぐになっていないとうまく入らない。これらは仮組で確認しないととても怖くて建てることは出来ません。接着剤を付けてからでは、もう取り返しがつかないからです。

    どう考えても、昔見られたような墓地で梱包された石を開放して、そのまま設置する、というような方法ではこの施工方法では無理なのです。施工する前に仮組が必ず必要となります。

    それ以外にも、以下のようなことを基本的に実施しています。

    〇 基礎コンクリートの表面のレイタンス除去
    〇 基礎コンクリートと石の接着には、接着剤を加えた樹脂モルタルを使う
    〇 石同士、石とコンクリートとは固定金具を使う
    〇 石の裏面には、耐震ボルトを設置して、横ずれに強くする
    〇 石同士にはそれ以外にも専用接着剤を使用する

    これらは東日本大震災、それ以降の東北、特に福島の中規模地震のの教訓を得て、それでも地震の影響を受けなかった事例を参考にさせてもらった施工方法です。