文字彫刻は奥が深い。その手助けとなるか?
こんばんわ。
但馬、豊岡のお墓と墓石のプロ、おおきた石材店のカズ(stoneman-ohkita)です。
今日は、現場作業のつもりだったんですが、
雨のため中止、しかし、途中から晴れ。。。(^_^;)
と、
やや空回りの日でした。
こんな日もあるさ。。。(^_^;)
ところで、大阪のストンアシストで見かけた、ピコムの新商品。
透明なPゴム。
社長(@湯口さん)に直接説明してもらいました。
今、サンプルしかないのですが、
透明のPゴムを開発中とのこと。
来年の早い時期に、発売予定とのこと。
一見、透明??
どこがいいの??
って思いますが、実は画期的なんですよ。
改めて、お伝えしますが、
画期的です。(^_^;)
まず、
① 追加彫彫刻の場合、
実は、意外と追加彫彫刻、文字の位置決めが難しいんです。
これまでの文字との間隔をそろえなければならないからです。
均等な感覚で文字を彫らないと、
「あれ、この戒名だけ、変だよね」となったりします。
なので、その間隔をそろえるため、下の石が見えると
分かりやすいのです。
② 墓石の磨き直しの場合、
これは、ちょっとかなり限定的なのですが、
お墓の石が少しくすんできたりして、磨き直し工事をしましょうと
なった時です。
通常、そのまま磨き直しても、あまりきれいにならないので、
薄皮一枚剥ぐように、石の表面をカットして、磨きなおします。
その場合、正面の文字もやはり薄くカットしたいところなんですが、
薄くカットしても、文字の跡は消えません。
(文字が深く彫刻してあるので。)
本来なら、文字がなくなるまで厚みをカットすべきなのです。
でも、それだけ厚みをカットしたら、全体のバランスも崩れます。
なので、どの程度、落とす(厚みをカット)かは、経験と勘にゆだねられます。
A、そのままカットしてしまい、全体のサイズが小さくしてしまうか、
B、あるいは、厚みだけ薄くするか。
C、あるいは、文字の跡が少し残っても厚みを多く残すか。
私がよくするのは、Cです。
サイズも犠牲にせず、加工しなおせるんですが、
前文字が同じ文字だという条件が付きます。
文字を変えたい場合、文字の位置決めで苦労するんです。
でも、この透明のシートなら、比較的容易に位置決めができます。
③ 新規のお墓を建てる場合
さほど大きくないのですが、黒玉、白玉が正面にあって
それを文字彫刻で消したい、消せる位置にあるという場合、
以前は、長年の勘と、綿密な位置計算で出来たんですが、
(時々、半分残った!!とかが。。。(^_^;)
しかし、この透明なシートの場合、それがほぼ解消できます。
施主様にはあまり関係ないかもしれませんが、
(でも、出来上がりに多少関係するので、無関係ではない、ですね。)
文字を彫刻する職人にとっては、
画期的です。(^_^;)
お墓の文字彫刻はけっこう奥が深いです。
ただ彫ればいい、というだけではないわけです。
深さもあるし、
仕上がりもあるし、
そこの形状もあるし、
水が溜まりにくい彫刻もあるし、
石の彫りやすさ、彫りにくさもあります。