お墓の価値~自然葬との比較①
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おはようございます。
但馬、豊岡のお墓と墓石のプロ、おおきた石材店の大北和彦(stoneman-ohkita)です。
最近、増えてきているというか、ご遺骨の新しい行き先となりつつある
新しい埋葬方法。
その長所と短所を明確にすれば、
もしかして、お墓の良さも見えてくるのでは?と思って、書いてみますシリーズ。
まず、
自然葬というくくりで紹介されやすい、
「散骨」「樹木葬」「海洋葬」「桜葬」あと、「宇宙葬」のこのカテゴリでいいのではないかな。
今年注目を集めた「バルーン葬」というやつもそうかもしれません。
この供養スタイルのいいところは、
「自然に帰る」ということを明確に確認できること。
自らの手で、自らの意思で、故人の最後に残った遺骨を
大自然に還す、ということで、
仏教的には正しいのかどうかわかりませんが、自然という循環の一部に戻して、
いつかはまた、生まれ変わるものの一部となる、という意識になれます。
実際に、私も「オーシャンブルーセレモニー」さんの海洋散骨に参加させていただいて、
(その様子はこちらへ)
とてもありな、いい葬送だと感じました。
とてもありな、いい葬送だと思いますが、私はしないと、おもいます。
何故なら、海が苦手だから。。。(^_^;)
つまり、
海に思い入れが強い人には、すごくいい葬送だと思いますが、
あまり海に何かを感じない人には、お勧めしにくいかと。
つまり、「自然に帰る」のその自然が自分では選べないということ。
限られた、定められた自然の場所しか選べない。
現に、どこでも海洋散骨はできません。
許可された一部の海域でしかできないです。
自分が思い入れが強い場所の近くなら、いいのかもしれないですが、
そこから遠い場所なら、そこに眠る意味が薄れてしまうかもしれません。
さらに、
海洋散骨、宇宙葬とかもそうかもしれませんが、
特定のこの場所、ということがあいまいになります。
大体、あのあたりくらいの感じですね。
昔はやった「ファジー」な感じです。
目標物も指定しにくいですし、その近くに行くにも障害(船に乗る)があります。
海洋散骨の場合、海岸から眺めて、だいたいあのあたり、というのが
おおよその感じなのではないでしょうか。
宇宙葬とかバルーン葬とかになるともっとあいまいですよね。
一方、
お墓というのは、きっちりと区画が区切られた場合が多く、
お墓というもの自体が祈りの対象です。
限られた「プライベートな祈りの場」というものがあります。
これがお墓の最大の強みではないかと感じております。
〇 お参りしたい時、すぐできる、
〇 時間を問わず、手軽にお参りできる。
〇 親類縁者でなくても、場所さえ知っていれば、お参りできる。
〇 回りの目を気にせず、しっかりとお墓、そしてそこに眠っている人と向き合える。
〇 いつでも行けば、そこにあるという安心感がある。
〇 お墓に行くだけで、厳かな気分になり、生と死を分けるモノを感じることができる
などが、お墓の強み、メリット、ではないかと思います。
海洋散骨は
〇 海(宇宙、大空)という自然に還る意識が高い。
〇 供養する場としては申し分ない「祈りの場」です。
〇 いつでもどこでも遠くから大体の方角でなら、お参りできる
というメリットがありますが、一方、
「パブリック」な場所で(占有できない)
〇 「ファジー」な(おおよその)エリアで(海のあのあたり。。。)
〇 その場所へ直接行く際のお参りの障壁が高い(船でいく、宇宙船で行くなど)
〇 後でやり直しができない(お墓じまいができない)。
が、でメリットだとおもいます。
以上が主なポイントだと思います。
次に、「樹木葬」「桜葬」「森林葬」と呼ばれるもの。
今すごく多い気がしますが、これも自然に還る、という趣旨がよくわかります。
これは、実は、その墓地によって内容は千差万別なんです。
イメージとしては上に記した「お墓のメリット」を樹木葬墓地は全てクリアしているように見えます。
でも、実はこれほど、イメージと現実が乖離している供養もない気がします。
一般的なイメージとして、
「木が植わっていて、その根元へ穴を掘って、遺骨を埋葬して、その上に土を戻す。
そして、その樹木とともに大地に還る」と想像されていると思います。
実はそういう「樹木葬」の埋葬の仕方をされる墓地は少ないと思います。
あまり表立ったことはこの文章の趣旨ではないので、書きませんが、
もし樹木葬墓地を検討されている方がいたら、
「埋葬の様子を見学できない」樹木葬墓地は避けた方がいいと思います。
ご遺族でも埋葬の様子は非公開の樹木葬墓地は多いようです。
樹木葬墓地といいながら、構造的に絶対に大地に還れないものも
けっこうたくさんあるようです。
さて、それはさておき、樹木葬墓地を代表する「大地に還る」系の墓地、供養方法のメリットは、
「樹木葬」はお墓と同じように、ある場所へ埋蔵されるので、お参り等は
比較的簡単にできるのですが、一つの木に対してたくさんのご遺骨という関係なので
(一対一という場合もありますが)
場所としては、プライベートとはいいがたく、パブリック(公共の場所)ではないかと。
逆に、お墓は
やはり「プライベートな祈りの場」ですね。
それ以外の供養方法とお墓との違いは後日。