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    せっかくの接着剤も量を間違えたら。。。「地震に強いお墓」への道

    地震に強いお墓の記事を書いています。

    普通のお墓を「地震に強いお墓」にするには、いくつかのポイントがありますが、その最初のポイントが接着剤の選択と量です。


    ◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

    ☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
    ☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
    ☑ (一社)日本石材産業協会正会員
    ☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得

    おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


    目次

    接着剤の選択

    墓石業界ではいくつかの石材専用、墓石専用を銘打った接着剤が発売されています。
    ですが、私が使うのはこの製品です。

    コニシボンドの「エフレックスZ」という製品。以前は別の製品を使っていましたが、製造元が変わり、品質が変わってしまったので、今はこの製品を使用しています。

    この製品、実は、他の専用接着剤よりも高価なんです。割高なんです。
    でも、使ってみると分かりますが、他の製品よりも品質は高いです。

    他の製品は、弾性接着剤とは言いながら、年数が経過すると固くなり、強い力を与えると切れてしまいます。現に、とある〇〇という製品は、簡単にちぎれてしまいます。しかし、このエフレックスZという製品はとても強いく、また弾力が長持ちします。そして、その弾力が固くなりにくい。

    高価だけあって、少し他の製品よりいいように思います。

    お墓というのは、長い時間、屋外に設置されるものです。その長い間、空気に触れ続けて、次第に劣化して、弾性の性質が固くなっていくのですが、それが長い、時間がかかるというイメージですね。

    更に、もう一種類の接着剤というよりも、固定剤と言ったらいいのかな。

    多少、色が違うので、見分けがつくと思われます。少し色が薄い、白っぽい方が「エフレックスZ」という接着剤。で、今写真で施工しているのが、「ソフトファスナー」という製品です。こちらは、接着剤というより、強い力から墓石を守ってくれる守護神のようなものです。プチルゴムという製品で、完全に固まるということがありません。10年経過しても、長く伸びる性質があります。(実験済み)

    強い力をゆっくり掛けたら、少しずつ伸びて、広がっていきます。でも、強い力を衝撃のように急に加わっても、石同士を固定し続けるのです。地震のような、強力な、強い、瞬間的な力が加わった場合は石を固定し続けてくれる製品です。ただ、ジワジワとした力には動いてしまう場合があるので、高い弾性性能のある「エフレックスZ」と併用することで、強力な地震に対する免震性能を発揮してくれます。

    ただ、この二つの製品を使えばいい、という話ではありません。

    量も重要です。

    石と石が重なって、両方の石に付着したとき、ある程度の大きさの玉状にならなければなりません。

    直径が10㎝程度にならなければ、ダメだと言われています。こういった接着剤は空気に触れると次第に硬化、つまり固くなっていきます。完全に硬くなって、弾性がなくなると、接着剤の役割を失うと言われます。いかに、その硬化を遅らせるかが、極めて重要となります。

    10㎝(100ミリ)の円状に施工すると、外部からジワジワ硬化が始まっても、真ん中の部分が硬化するまで、一番時間を稼げるはずです。なので、長い時間、免震効果が持続するには、玉状になるように、だんご状態にする必要があります。

    厚みも重要です。

    接着剤は厚みも極めて重要です。おおよそ、3ミリ以上の厚みがないと性能を十分発揮できないと多くのメーカーが言っています。東北、地震の多い福島では5ミリの目地を取る石材店もあります。

    関西では、目地なし、と言って全く石と石のすき間がないのが、腕のいい石職人だという風説がありました。それで、目地という感覚がありません。石と石のすき間は何も挟まず、そのまま建てただけ、というお墓がほとんどでした。昔は地震が少なく、それで大丈夫だったのでしょう。ですが、現代は地震多発時代です。それでも関西は地震が極めて少ない地域です。

    阪神淡路大震災があったのですが、あの自身も直下型だったので、少し離れた地域ではほとんど被害に遭わなかった場所がとても多かったのです。きわめて限定的な地域では大きな被害が出たのですが、少し離れた場所では全く影響を受けない、という場所がほとんどでした。

    ですから、関西は基礎という概念がない、あっても極めて脆弱な布基礎、あるいはブロックを基礎替わりに施工する、という場所も多くあったようです。

    更に、石の表面処理も

    どんなに強力な接着剤でも、石の表面が汚れていたら、接着なんてできません。石の表面をしっかりと清掃して、ほこり、湿気等は必ず除去して、乾燥した状態で接着することも大事です。

    まとめ

    地震に遭うと、必ず墓石が倒壊していて、そんな画像がニュースで流れて、それで地震の揺れの激しさを表現していた、という時代がありました。今ももしかしたらそんな風潮があるのかもしれません。

    でも、それは過去の話です。お墓もそんなに簡単に倒れていては、建てた人ももうお墓なんて建てたくないと思うはずです。地震が来ても、周囲のお墓がほとんど倒れてしまっていても、自分のお墓は何とか最小限の被害で済んだ、というお墓を目指して、「地震に強いお墓」を建てていきたいと思います。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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