兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

地震対策と耐震ボルト

  
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地震対策と耐震ボルト

耐震ボルトを下向きにつけるか、上向きにつけるか? 何本使うか?

これは非常に大事な問題です。


◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


耐震ボルトの使い方

地震対策したお墓を建てる場合、耐震ボルトを使われることが多いです。ただ、それでも倒れてしまう現実を福島県ではみてきました。

耐震ボルトを使ってあるのに、倒れて、外れてしまっています。

ただ原因は、接着剤の使用量が少なすぎることが一つの原因のように思えます。

手前、台石が吹っ飛んでしまっていますが、

耐震ボルトが曲がってしまっています。すさまじい力で曲げられたという感じです。接着剤の周囲が汚れているので、シールが不完全だったのも一因かもしれません。接着剤の劣化の原因となります。

上の2つの事例ですが、どちらも下の石に耐震ボルトが固定されています。

下の石に固定して、上の石に穴を開けて施工するのは、簡単なのですが、施工不良の可能性が高くなります。上の穴に十分接着剤が詰めていないリスクが高いのです。普通に考えてもそうなりますね。

おおきた石材店では、必ず耐震ボルトは石の裏面に固定して、下の石なり、コンクリートなりに穴を開けて施工します。そうすると下の石の穴には、簡単に接着剤が充填でき、施工不良にはなりにくいのです。

こんな感じですね。これは、和型のお墓の中台ですが、ひっくり返して、裏面に耐震ボルトを固定しています。ちなみに耐震ボルトはステンレス製です。

施工時にはこのようにひっくり返して、下の穴に差し込みます。
(注 写真は仮組み時の写真です)

穴にしっかりと入るかどうか、を確認しています。現場で入らないと非常事態となりますので。

そして、最後まで入るかということまで確認します。耐震ボルトが長すぎて、最後まで入らないとそれも非常事態ですから。

耐震ボルト、何本使う?

更に、大事なことは、2本ずつ耐震ボルトを設置している、ということ。「関根式トップベース工法」では、この2本の耐震ボルトが基本になります。

1本だと、倒れない場合でも、このように回転してしまうリスクがあるので。ただ、2本開けることで、施工の困難さは倍増します。位置がずれると穴に入らない、建てることが出来ないというリスクが高まるので。

写真の地震の被害を受けたお墓は、耐震ボルトが使ってありますが、いずれも1本しか使っていません。
これを2本使うことで、回転を防ぐだけではなく、お墓が倒れてしまうリスクも軽減できる可能性が高まります。

耐震ボルト、材質と形状が大事

そして、最後は材質、形状。

蓮華台がひっくり返っています。こちらはお墓の石の下面に固定してあるので、そこはいいのですが、耐震ボルトをよく見ると、ステンレスではありますが、ネジが切ってありません。更に、飛び出た耐震ボルトの先はあまり接着剤が付着した痕跡がない。

下面の台石の接着剤の使用方法に問題があったかもしれないな、という原因と、耐震ボルトがネジが切ってないので、(ネジでなくても異形鉄筋でもいいのですが。。。)ボルトごと抜けてしまった可能性もあります。

更に2本使ってあったら、結果は変わっていたかもしれません。

まとめ

耐震、免震対策、ってそれぞれの石材店さんが独自で実施しています。全くしていない石材店さんもあるかもしれないし、全く的外れに対策をしている石材店さんもあるかもしれません。こういったことは、なにか一つ、間違った対策、甘い対策をしていたら、すべてが無駄になるという性質のことです。

だから、自己流というのが一番問題なのです。おおきた石材店も以前は自己流で地震対策をしていました。ですが、現在は「関根式トップベース工法」を基本に、各地の同業者と情報交換しながら、よりベストな方法を模索しています。

一つ、抜けていたら、すべてがダメなら、その一つを見つけて対処することが大事なのです。