兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

「墓石の引っ越し」と「新しい墓石建てる」どちらがお得?

    
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「墓石の引っ越し」と「新しい墓石建てる」どちらがお得?

古いお墓があり、引っ越しして、便利な場所に移転という場合、
「お墓の引っ越し」と「お墓新規建墓」どちらがお得なのか? という問題があります。


◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


豊岡市など、比較的田舎にあるお墓は山の中腹とか、斜面とかにお墓がある場合がまだまだあります。

場所によっては、参道もなく、とてもお参りしずらいお墓って、まだまだあります。

もう少し、お墓参りしやすいお墓にならないかしら?

というご要望で、お墓を便利な場所(市営墓地、寺院墓地など)に引っ越しということはよくあります。

どうして、お参りしにくい場所にお墓があるの?

家族が亡くなったら、残された遺族はその亡くなった方にこれからも見守っていてほしい、秘かに守ってほしいという願いを託し、自宅や遺族たちが住んでいる場所を見下ろせる、いつでも見守れる場所(少し小高い山・里山と呼びます)にお墓を建てることが多かったようです。
それで、お参りしずらい山の中にお墓が建っている場合が多いようです。

ただ、現在は、お参りする人の都合が優先されがち。どうしてもお参りしやすい場所へ引っ越ししたいという要望が増えております。

その場合、普通は「元のお墓の石をそのまま引っ越しして、新しい墓地に建てたい」と考えることが普通ですね。ただ、その場合、

お骨だけ引っ越しして、墓石は新しくする、ってできないの?と、思われる人がいると思われます。
それは可能です。また、そういう工事は時々、させていただいています。

でもそうすると、

全部新しくすると、費用がすごく高くなるんじゃない?

という心配が出てきます。

墓石再利用のメリット、デメリット

古いお墓の石を再利用するとして、工事代金のうち、石代が必要なくなるので、きっと安くなるだろうと考えるのは、早計です。

メリットは?

石を新しく用意しなくてもいいので、石代が安くなるのは間違いありません。

但し、「お墓工事」総額のうち、「石代」の部分は実はそれほど多くありません。もちろん、国産の高級銘石等を使ったり、巨大なお墓である場合、石代の占める割合は、相対的に多くなりますが、現代のお墓はどんどん小さくなっていく傾向にありますし、高級墓石材を使用したお墓は徐々に減る傾向にあります。

では、デメリットとは?

① お墓参り困難な場所は工事も大変

多くの場合、古いお墓は山の上だとか、離れた場所だとか、お墓参りが難しい、大変な場所にあるはずです。そうでないと、引っ越しするという発想が出てこないはず。

そういう場所はほとんど、お墓の引っ越しも困難な場所です。急斜面、人が通るだけの道、曲がりくねった先、など、ほとんどがお墓工事が困難です。しかも、「お墓じまい」と違うのは、お墓の石を再利用するので、そのまま運ばないといけない、ということ。

② 長年お墓であった石は劣化、風化も激しい

長い年月、お墓に立っていた墓石です。まず、持ち帰って掃除をする、ということが最初に必要です。これが意外と時間と費用を必要とします。お墓の石って、ずいぶん多く部材がありますから。

③ 現代のお墓は、接着工法です

必ず石と石は接着することが必要です。ですが、古いお墓の石は、接着工法で建てる前提でできていない場合が多いです。見えない部分がカットされていなかったり、加工が精密でなくて、再加工しなくてはいけない場合も良くあります。使われている部材のうち、見えない部分がサイズがなかったり、ということがよくあります。

④ 芝台などの石は再利用が出来ない場合が多い

特に、一番下の「芝台」と呼ばれる部分に手抜きがよく散見されます。

もし不良な部材が使われている場合、その石のみ、新しく作るということが必要になります。こういった場合、石を揃えないといけないので、その石で注文するのですが、古い石は現在流通していない石があり、多くの場合、こういった発注の仕方をしたら、かなり割高となることが多いです。

⑤ 四ツ石は取替前提

お墓の一番下の石、四ツ石と呼ばれる石はこういう構造をしています。この中にお骨を納めるスペースがあります。

上がお墓の正面。黒く汚れているのが、上の石が乗っていた部分。このように、前後、左右にわずかずつ乗っているだけの構造がお墓の構造です。ですから、この芝台の四つの石が動いたり、倒れたりしたら、お墓全体が倒れてしまうのは、間違いないです。

ですから、おおきた石材店では、こういった4つ石のお墓の場合、一枚の石に取り換えを原則とさせていただいています。この石が1枚でできているか、4つの石を組んで出来ているか、は極めてお墓の構造に大きな影響を与えるのです。

普通のお墓の場合はこのように一枚の石の真ん中だけ、空洞となっているもの、を使用します。お墓の中、お骨を納める部分のみ、空洞になっています。この上に乗る台石とも接着面積がずいぶん大きくなりますし、構造的にもはるかに丈夫になります。

ちなみに、「雨漏りしないお墓、信頼棺®」構造のお墓の場合、その真ん中の穴も全く異なります。

こちらは以前、信頼棺構造のお墓を建てた時の途中写真です。まだ竿石が設置されていないので、信頼棺の納骨口が分かりやすい画像です。

黄緑線の枠内がお墓の芝台、つまり、一番下の台石です。そして、赤線枠内が信頼棺®構造の蓋石です。この蓋石の中に納骨口があります。

芝台の一枚石の上にお墓本体が乗り、接着するので、最も安定した構造になります。

このように、多くの古いお墓は芝台を交換する必要があります。交換しない場合でも、同じ四つ組んだ石を使う場合も、ある程度の加工を施すのが通常です。

まとめ

こういった古いお墓の石はいろいろ手をかけて、メンテナンスしてからではないと再利用できません。

例えば、古い自動車が好きな方、いますね。古い自動車を乗りたい場合は、そのまま乗れることはあまり多くありません。部品が劣化している場合が多いんですよね。レストアと言って本格的なメンテナンスを費やして、やっと乗ることが出来ます。

その場合の費用はかなり高価になります。普通の新車を購入するよりもはるかに高価になる場合がほとんどです。

それと同じで、古いお墓の石は、様々なメンテナンスを経て、再利用できるので、実は、新しく建てるお墓とさほど違いがない費用かかる場合が多いです。場合によっては、新しくお墓を建てた方が安くなることもあります。