Q318~お墓の耐用年数ってどのくらい?(石の種類)
耐用年数というのがどのレベルかというのが
人それぞれなので、一概には言えないのですが、
例えば、
①光沢が施工時より落ちてきたとき
②光沢が明らかにくすんできたとき
③文字の輪郭がぼやけてきたとき
④文字が明らかに判別しにくくなったとき
⑤正面の文字が読めなくなったとき
磨き仕上げのお墓の場合、墓石の劣化によって、このように分けることができるのではないかと、思います。
それ以外に
⑥お墓の石が傾いてきたとき
⑦お墓の石が動いてズレてきたとき
⑧お墓の石が倒れたとき
施工に関しては、このように分類できるかと思います。
①から⑤に関しては、
石の産地、石の種類、加工工程、加工方法、墓地の環境などによって違って来ますね。
石の種類で言えば、
花崗岩(みかげ石)やそれ以外の火成岩は耐久性が高いので、劣化が遅れる可能性が高く
お墓の石としては最適だと思います。
それ以外の火山岩(玄武岩、安山岩など)、堆積岩、砂岩などは、劣化が早く、耐用年数も短いと考えられます。
石の産地に関しては、
火山岩は造山活動によって生成されるので、石の生成時期はその土地によって多少異なり、
おおよそにいって、
大陸の火山岩は相対的に古く、日本列島から採れる火山岩は新しい傾向がある、との説があります。
中国産の石は高齢で、日本の石の方が若い、ということです。
日本の石の方が有利と言えるかもしれません。
加工工程、加工方法に関しては、
石の研磨工程は7~8工程が一般的ですが、それを省略すると、光沢が早く落ちる原因となります。
また、最後の光沢を出す工程では、熱を加えないと光沢が出ないのですが、
あまり高温にしすぎると強い光沢が出ますが、石表面の光沢の膜を破り、石本体にダメージを与えることもあります。
(この状態の事を「石が焼けた」と呼びます)
その兼ね合いが難しいのですが、熱で焼けてしまった場合、既に劣化してしまっているとなります。
墓地の環境に関しては
気温が氷点下になる場合があるかどうか。
厳冬期に氷点下にある墓地では、石の破損の可能性もあります。
墓地自体が樹木などの繁る場所なのか、広い場所で近くに樹木が茂っていないのか、も影響します。
常に、樹木に覆われて、落ち葉に覆われている場所は湿度も高く、濡れた状態になりやすいです。
石は表面が光沢で光っていても、実は表面には無数の穴が開いており、水分を吸収しやすい性質があります。
常に水分を吸収している状態では、石の変色が起こりやすく、劣化の原因となります。
墓石の耐用年数は非常にたくさんの条件があり、一概には言えないです。
ですが、経験から大まかに言って、
①の条件で言えば、10年くらいが一番短い期間ではないかなと思います。
⑤の条件で言えば、
50年くらいで文字が読みにくいお墓を時々見かけますが、
火成岩以外でも、江戸時代に建てたお墓で何とか読めるものもあります。
石の種類が大きく影響すると思いますが、50年から100年、150年ということではないかなと。
施工に関しては、のちほど。