ホームぺージ、リニューアルしました

    地震に弱いお墓の簡単な見抜き方、教えます

    グッドアンセスター(良き先祖)になれるだろうか、ということが今一番気がかりな大北です。お墓という先祖が残したものに触れる仕事をしていると、こういうことがどうしても気になってしまう。

    さて、とりあえず本を読みます。

    達磨落としという昔からあるおもちゃをご存知ですか?

    一番上に達磨が乗っていて、その下にいくつか、台のようなものがあって、順番にそれを横から叩いて、達磨を倒さないように全部の台を叩き弾けるか、というゲームです。単純ですが、少しコツのいるおもちゃなんですが、何かに似ているなと思って、気づいたのがお墓です。

    いくつかの台の上に乗っているというところは確かに同じですが、でも叩いて抜けるってお墓ではありえないじゃないか、という突っ込みがありそうですが、関西の、特に私の住む兵庫県豊岡市あたりの古いお墓はほぼ、この達磨落とし状態です。

    お墓が横から叩いて抜ける状態では、確かに危なくて仕方ないので、簡単には抜けない状態にはしてありますが、でも乗っているだけ、というのは間違いない状態です。

    つまり、達磨落としは台が抜けやすいように、滑りやすく加工してあります。一方お墓は抜けては困るので、滑りにくくしてあるんですが、「石の上に石が乗っているだけ」という状態は同じなのです。

    目次

    地震に弱いお墓の見抜き方

    その証拠は誰が見ても明白です。簡単です。簡単に見抜けます。

    昨日、追加彫彫刻したついでに写真撮影してきました。少し汚れていますが、お墓の写真です。

    少しアップしてみました。上の石と下の石の間、よく見てください。ほぼ密着していますよね。

    この部分、ほぼ密着しています。これは石と石の間に何も入ってない、という感じです。接着剤は入っていない可能性が高いです。入っていてもごくわずかですね。この隙間に入る程度ですから。

    おおきた石材店では、20年前くらいまではこの施工方法をしていたのでわかるんですが、ほんとに石の上に石を直接載せるだけ。あるいは、緩衝材を挟んで載せるだけ、です。

    接着剤を入れていても、入れてなくても同じです。

    「え、接着剤を入れていたら、固定されるんじゃないの?」

    そう思われたあなた。それは違いますよ。このわずかな隙間に接着剤を入れたところで、結果はほとんど変わりません。つまり、

    多少、滑りにくくなっているだけ、です。

    この1ミリ以下の隙間にどれだけ接着剤を入れようと、地震の力にはあまりにも無力です。だって、お墓じまいの際、人の力で簡単に解体出来てしまうんだから。。。

    接着剤のメーカーも明言しております。
    「接着剤の性能を発揮するには3ミリから5ミリの隙間が必要です」と。
    (※ メーカーによって違うようですが、少なくとも3ミリ以上は必要、となっています)

    地震に強いお墓の見分け方

    こちらは他の石材店さんが建てたお墓。おそらく20年より新しいお墓です。多分10年くらい昔に施工されたお墓です。一方、戒名の追加彫をさせていただいたおおきた石材店の建てたお墓。

    建墓年数は5年前くらいです。

    デザイン墓です。石はインド産のアーバングレーという石です。

    アップしてみました。アーバングレーという石の特長がよくわかる写真です。この石を扱ったことがあるプロなら、一目でわかる写真ですね。隙間をよくご覧ください。グレーの線が入っています。

    ほぼ3ミリの隙間が開いています。3ミリのゴム板を挟んで施工していますから。その3ミリの隙間に接着剤をしっかり充填して建てています。更にその隙間、外から見えるので、蓋をする意味合いで、シールという目地詰めをします。グレーに見えているのがシールです。

    こうすることで、内部の大事な接着剤が外気に触れなくなり、接着剤の耐久性が伸びます。このシール目地も大事な役割を担っているんです。

    あなたのお墓は達磨落とし状態ですか?

    さて、素人の方でも、この違いは一目でわかると思います。ご自身のお墓を確認してみてください。
    石の隙間がない、ですか、それとも隙間にシールしていますか?

    シール目地だけして、中身がスカスカってないの?

    という疑問が出て来そうですが、それはほぼないと思います。接着剤を挿入ことはさほど手間はかかりませんが、シール目地をする方はけっこう面倒です。シール目地だけして、接着してないということはあまり考えられません。

    それだけではありません。

    石って、意外と汚れているもので、上に乗る石の下面、下の石の上面、つまり石同士が接する面がきれいに汚れが落ちているかどうかがすごく大事です。シンナー等できれいに清掃してないと、接着不良となります。

    また、乾式工法と言って、接着する際、石が濡れていると接着不良の原因となるので、どちらの石もしっかりと乾燥しているか、も大事です。

    まとめ~お墓の工事は落とし穴がたくさん

    地震対策、見た目ですぐに判別できる、という記事を書きました。シール目地がしてあるかしてないかが大きな分かれ目です。それは見た目で分かりますが、施工時の汚れ落としや乾燥は見た目では分かりません。

    関東以北の東日本ではシール目地をしてないお墓を探すのが難しいというほど、当たり前になっていますが、西日本ではまだされていない石材店さんもいらっしゃいます。西日本に地震が来ないというなら、それも正解ですし、お墓の建墓費用が安くなるなら、私もお勧めしますが、そんなことはないはずですし、しばらくもう100年くらい大きな地震が来てない兵庫県北部は実は結構やばいのでは? と個人的に思っています。

    地震対策って、地震が来なければ、ほんとに無駄な費用ではありますが、いざ来たら、ほとんどの人が「地震対策、もっと考えておけばよかった」と間違いなくなります。
    またもっと困るのは、そうなった結果、お墓離れが加速してしまうこと。

    それにより加速がつくことが明らか

    だからなんです。

    倒れて、修理に莫大な費用が掛かる。じゃあ、もうお墓はあきらめて、別の供養にしよう、となるのは福島県をはじめ、地震で被害が出た地域を見れば明らかです。

    このことはお墓を建てる人も、私たち石材店も分かっていないけど、絶対に間違いのない流れです。

    多少の費用の追加になりますが、地震対策をもっと考えませんか? それが丈夫なお墓を建てることにもなるのですから。

    この記事が気に入ったら
    いいね または フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

    目次