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    芝石の「四つ石」は地震には弱すぎる

    年に一度、工場にやってくる亀。どこからともなくやってきて、いつの間にかいなくなる。側溝の中からどうやって脱出したのかが、すごく謎です。

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    福島のお墓の特徴

    今年の5月、福島県へお墓の地震の影響を視察に行きました。
    その模様は詳細に記事にしています。

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    そこでも感じたんですが、
    「地震対策をしっかりと施した福島県のお墓でさえ、これほど倒壊しているんだから、豊岡あたりでは、ほぼ壊滅だろうな」ということ。

    それを避けるため、少しでも地震に強いお墓を建てていこうと決意しました。

    倒れたお墓の原因は。。。

    福島県全てなのかどうかわかりませんが、視察した墓地の多くの倒れたお墓は、
    「目地幅5ミリ」「免震棒設置」「接着剤使用の施工」がほぼ守られていたお墓が多かったように思えました。
    ところがそれでも倒壊していた。

    原因はそれぞれ正しい施工がされてなかった、十分な施工がされてなかった、接着剤の分量が少なすぎた、等が原因で倒壊してしまっていた、ようにみえました。

    と、ここまでみて来て、感じたのは。。。

    豊岡に建っているお墓の8割くらいは「目地なし」「免震棒なし」「接着剤不使用」のお墓だよな、です。

    豊岡のお墓の最大の弱点

    先日、固定金具の話をしましたが、固定金具って、お墓本体には使えません。

    (※ 例外的にカロートなど外から見えない部分には使用します。)

    基本的にお墓本体の石には、固定金具は使用できないのです。まず、使える部分がない。それから使えたとしても見える部分では不自然すぎるので、使用できない、からです。

    その代わり、大きい石を使用していて、石の上に石が乗っている構造で、しかも石と石の設置面積が比較的広いので、接着剤や免震ボルトを有効に設置できる、という利点があります。

    とあるお墓の写真ですが、一番下が一番大きく、その次がやや小さく、その上がさらに小さく、一番上の竿石は背丈が高いですが、設置面積は一番小さい。

    こうなっています。ですが、一つ問題があります。

    一番下の石、芝台と言いますが、この石は外見は大きく見えますが、

    それを4つ組み合わせて大きく見せているだけなんですね。(下の写真参照)

    しかも、組み合わせている石の真ん中を空洞にして、そこにお骨を収める納骨スペース、つまりカロート(納骨スペース)として使っているんです。確かに有効活用ですし、いいアイディアだとも思いますが、地震対策としては、絶対的な不利、というより最大の欠点になるんです。

    これは、お墓の撤去工事の時に撮影した写真です。芝台ですが、4つの石を組んで作ってあるというのはよくわかると思います。中の土が入っている部分がカロート(納骨スペース)です。

    で、注目してほしいのは、この汚れた部分。この部分が上の石が乗っていた部分です。

    たったこれだけで上の石を支えていたんですね。しかもこのお墓は割としっかりと広めにとってある方です。中にはこの半分以下の面積で上の石を支えているお墓もあります。

    これを見たら、どんな人でもお墓を支えるのは難しいと気づくと思います。

    地震が来たらひとたまりもないのです。間違いなく倒れます。でも、四つ石で組んでいるお墓はほとんどこうなっています。

    これを見たとき、私はこの4つ石のお墓を建てるのはやめようと決心しました。

    更に、リフォーム、移転などの場合も四つ石の芝台は交換しましょう、と強くお勧めしています。

    で、一時、上の写真のような一枚の石ですが、中に穴が開いているタイプの芝台を作っていました。

    しかし、それも最近ではありますが、やめました。福島視察以降です。

    こうしてしまうと、一枚石ではありますが、上の石との接着面積がどうしても狭くなるのです。接着面積が狭くなると、耐震、免震上、ウィークポイントとなります。そこが弱くて倒れてしまっては本末転倒、意味がないということになるからです。

    現在移転工事中のお墓もそうですが、芝台は薄くしてますが、一枚の穴の開いていない石にしています。

    設置前で工場にある写真ですが、一枚の芝台と同じサイズです。石は別の石になってしまいますが。。。この後、耐震ボルト穴を開けたり、耐震ボルトを設置したりします。

    結論~お墓の最大の弱点を無くす

    ですから、それを無くすため、四ツ石芝台をやめました。それに伴い、関西型の納骨スタイルもできなくなります。基本、関東型の拝石がカロートの蓋になっているスタイルのお墓か、私がお勧めしている「信頼棺®」スタイルのお墓となります。

    確かに四ツ石芝台というアイディアはいいアイディアで、お墓の石の有効利用にはなっていました。しかしお墓をたくさん建てる時代ではなくなった現在、地震大国の日本で石で建てるある程度大きな石のお墓には、四ツ石芝台は時代遅れ、となったように思えます。

    お墓のスタイルも時代とともに変わっていくべきものだと思うので、それはある種仕方ないのかもしれません。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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