地震が来たら、あなたのお墓は大丈夫?
今、南海トラフ地震の注意情報が出されています。
今年になって日本は地震が多い気がします。兵庫県北部地方でももう大きな地震が100年くらい来ていないので、いつ大きな地震が来るか、不安を感じていらっしゃる方が多いかもしれません。地震の被害は自宅がどうなるか、という不安が大きいですが、実はお墓も大きな影響を受けます。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
最近の住宅は地震対策を施した住宅を建てなければならないという建築基準法と言う法律があって、新しい家は多少の地震で倒壊する心配はほどんどありません。
10年、20年以上古い住宅は少し心配ですが、新しい住宅はほどんど心配する必要がないと思われます。ですが、お墓はどうでしょうか?
お墓の耐震基準は??
お墓は地震対策として、どんな法律があるのだろう、と思われたことはありませんか?
実は、お墓は地震に対して耐震基準を定めた法律というものは、ありません。
そもそもお墓の建て方を定めた法律って存在しないのです。
石材店にごとに自社のルールでお墓を作っているのが本当のところです。でもその「自社ルール」で建てて地震が来ても倒れないですか? 本当に大きな地震が来ても大丈夫ですか?
そもそもそのルールすら、決めていない石材店の建てるお墓、大丈夫ですか?
基準のないお墓つくり?
お墓は非常に敷地面積が狭いにもかかわらず、1トン以上の重量があって、極めて不安定な構造物です。
この写真のお墓は0.5㎡くらいの面積ですが、概算ですが1.5トン程度のお墓の石が積みあがっているお墓です。ですがこのお墓が特殊なわけではなく、このくらいのお墓は通常です。
しかも墓地全体のうち、お墓の石は比較的後ろに建っている場合が多いです。これは、お参りする人がお参りするスペースを確保するため、正面に広いスペースを確保することが多い、お墓の構造的理由によります。
この写真は工事の途中ですが、手前の部分はお参りするので、何もなく、比較的軽く、後ろの部分に墓石が集まる状態になりがちで重量がかかる構造になります。
上の写真も同様ですが、墓地全体に均等に重さがかかる墓地というのはほとんどありません。後ろに全体の半分以上の重量がかかる、というのが普通なのです。
ですから、大きな地震が起こると、こういうお墓の石が倒れてしまうことがいまだに起こります。能登半島沖地震でも多くのお墓の石が倒れているのを映像で見た方も多いと思います。
ですが、その対策としての法律は全く整備されていません。
つまり建てる石材店によって、対策されていたり、対策されていなかったり、対策していると思ってもあまり効果がなかったり、ということが起こります。
また、お墓の石が倒れるかどうかは「運しだい」という要素まであります。
同じ墓地内でも完全倒壊(お墓の一番下の石から崩れている)という墓地もあれば、そのすぐ隣の墓石は全く無傷で影響なし、ということが福島県の震災後の墓地でも見かけました。
同じ墓地内でも水の流れ沿いは倒れていて、その周囲は影響が少ない、とか地盤がほんの一筋違えば、全然違ってくる場所も多くあるようです。
豊岡市のお墓の地震対策は?
さて、豊岡市のお墓は大丈夫なのか? というお話ですが、新しいお墓に関しては大丈夫な可能性は高いと思います。でも少し古いお墓の場合は安心できません。
「私のうちのお墓、倒れやすいか、倒れにくいか見分けられないの?」と思いませんか?
実はいくつか見分けるポイントがあります。
それをご紹介いたします。
見分けるポイント1 コンクリートがしっかりしているか?
まずは基礎コンクリートをしているか、どうか?です。
豊岡市でも基礎工事をしている石材店は増えつつあります。ですが、まだされていないお墓は全然大丈夫ではないのです。基礎工事とはいっても、モルタルを敷いただけ、とか布基礎と言って、石が置かれる場所のみのコンクリートでは、全く安心できません。
上の写真のように、お墓の墓地全体、広い墓地ならば全体ではなくても、ある程度の広い部分を一枚のコンクリートの板の状態にコンクリートを施工してあるかどうか? がまず大きなポイントです。
厚みも最低10㎝以上、鉄筋もしっかりと組んであることが条件となります。
でもね、完成した後のお墓、基礎工事を確認するのって、なかなか難しいですよね。その見分け方も実はあるんですけど。。。
ではどうやって見分けるか?? 地震対策をしている石材店と、そうではない石材店の見分け方。。。
もっと簡単な方法があります。
見分けるポイント2 お墓の石と石のすき間
ずばり、「石と石のすき間を見る」です。
この写真、上の石と下の石の間、3ミリのすき間が空いています。なぜ3ミリかというと、3ミリのゴム板が挟んであるから。接着剤メーカーの多くが3ミリ以上のすき間がないと接着剤の性能を最大限引き出せないと説明しているから、です。
更に、このようにすき間をしっかりと蓋がしてある、これをシールと呼びますが、これは内部の接着剤が空気に触れて劣化するのを防ぐために施してあります。
接着剤の施工の仕方にもルールがありますが、そこまでは外見からは分かりません。とにかくこのように3ミリのすき間が空いている、しかもすき間を開けたままではなく、シールしてあること。
ここが大きなポイントです。
まとめ
さて、あなたのお墓は大丈夫ですか?
新しいから大丈夫だろう。多分そうだと思います。でも、不安は尽きません。そもそも豊岡盆地は元々沼だったそうです。なので、掘削すると水が出る場所はとても多いです。
ただ、市営墓地、豊岡東霊苑、西霊苑はそれぞれ山間部に造成されています。地盤の流動化の心配は少ないかもしれませんが、安心はできません。(流動化の心配ももちろんありますよ)
市内の寺院墓地、共同墓地は場所によっては、地盤がとても弱い墓地が点在しているのは経験上、知っています。周囲にお墓が多く建っている場所なら、その周囲のお墓をよく見てください。近くに傾いているお墓があるなら、そこは間違いなく地盤が柔らかい土地なのです。
しっかりしている地盤でも大きな揺れを受けると大きなダメージを受ける可能性は高いです。能登半島沖地震でもそういう墓地は多くあったようです。また、埋めて作った墓地だと非常に地盤が軟弱な可能性が高いとも言われています。ほんとにお墓と地震の関係は心配です。
是非ともお墓も確認しておいてください。しっかりと建てられているか、それとも地震に弱い建て方なのかを。地震が起きてしまってからでは、元に戻すのは残念ながら、とても長い時間と高額な費用が掛かります。どの被災地でもお墓の被害はそうなってしまいます。