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    地震に強いお墓の建て方⑥~接着不良(続き)

    久々の雨。ずいぶん久しぶりのような気がしますが、月曜日です。

    前回は接着剤の量が少なくて、接着不良がおこるという話でした。

    「接着剤が少なくて倒れたお墓」

    実は量が少ないだけが不良の原因ではないです。石に接着剤が密着して石の微細な穴に侵入して接着剤と石ががっちり固定されて接着されるのですが、仮に石の表面が汚れていたり、水分が含まれていたりしたらどうでしょうか?

    目次

    接着剤の性能を引き出せない一番多い原因

    例えば、この写真。お墓の台石ですが、上の面に黒い円状のものが接着剤の跡だと思われますが、残っています。恐らく6点に接着剤を使われているはずです。

    でも、接着剤が全く残っていない。

    石と接着剤がしっかりと密着して接着されていたのなら、接着剤がこちら側の石にも残っていて当然です。この石の上の石にはおそらくしっかりと接着剤が残っているはずで、その半分はこちら側に残っているのが普通です。

    つまり、

    正しく接着剤が使われていたなら、石と接着剤は固定されていて分離せず、強い地震の力で3ミリ厚の接着剤のどこかで「ちぎれて」、両方の石に接着剤の残りが付着しているのが、正しい状態のはずです。

    こちら側の石に接着剤の残りが全く残っていないのは、接着剤を使った時の施工が悪かった可能性があります。石の表面を十分に水分と汚れ、不純物を除去せずに施工していた可能性がある、ということです。

    実は正しく施工されているお墓は稀かも?

    こちらの写真は逆に完全に接着剤が残っています。

    ほぼきれいに残っている、ということはちぎれたのではなく、上の石と接着剤が分離した可能性があります。石の加工の仕方によっても違ってくるんですが、このように下の石に完全に残って、上の石に接着剤が残らない場合、ほとんどは上の石の接着面の水分、汚れ等の不純物の除去不良の可能性が高いですね。

    逆に正しく施工されて、接着剤がちぎれている写真というのは、先日の福島県に行った時、ずいぶんたくさん写真を撮影したんですが、ほぼなかったですね。ずいぶん探したんですが。。。

    正しく施工されたお墓は石と接着剤の分離が起きず、接着剤がちぎれるというほどの力も加わらなかったので、被害がほとんどなかった、という仮説もできます。

    ※ <追記>  もちろん、それだけでお墓が倒れる、倒れないが決まるわけではなくて、「基礎部分の構造」、「地盤の支持力」、「基礎のコンクリートと石の接着」という部分も影響されます。

    まとめ

    2回にわたって、石と接着剤との問題をお伝えしました。

    接着剤を使っているから大丈夫、というのは全く違っていて、正しく接着剤を使用して初めてその接着剤の性能を最大限使って、お墓を守ることができるというものです。

    でも、それじゃあ、正しく接着剤を使用しても、接着剤がちぎれるほどの力が加わったらダメじゃん、と思われた方もいられるかもしれません。

    そういう場合を想定した対処方法を次回に投稿します。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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