お墓を作るとき、多くの人が「今の自分目線」で建てようと考えてしまいます。でも、お墓は家族が何十年、何百年と使い続ける「最後の住まい」のような存在だと考えると、少し見方が違ってきませんか?

おおきた石材店 代表 大北和彦
〇 お墓ディレクター1級
〇 墓地管理士
〇 石材施工技能士1級
〇 技能顕功賞
〇 一般社団法人日本石材産業協会正会員
おおきた石材店
昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

最近、お墓に対してこういう声を聞きます。
驚く女性私たち高齢者世代はお参りしにくい



将来、管理が負担にならないようにしてほしい



管理しやすい形にしておきたい
こういう要望が増えてきました。では、未来の家族も使いやすく、引継ぎしやすいお墓、とはどのようなものでしょうか?
今回はこれまで多くのお墓つくりに携わってきたおおきた石材店の視点から、将来まで安心できるお墓つくりのポイントを分かりやすくご紹介します。
なぜ未来を見据えたお墓つくりが大切なのか
お墓とは今の管理者だけではなく、次の継承者を想定して建てるものです。
お墓は今の世代だけのものではない
お墓の多くは、今の管理者(墓石の所有者)だけではなく、次の継承者がいないと建てられない規約の墓地が意外と多いものです。これは、次の世代へと継承されることを前提としているから。ただそれが、また別の問題を引き起こしている原因でもあります。
将来の管理者(子や孫)に負担がかかるという親(現在の管理者)の心配から、あらかじめ今の時点でのお墓のリフォームを実施するというケースを今年、いくつか経験しました。継承しやすいお墓、管理しやすいお墓というのは、その後継承してくれる、子、孫世代も不安なく継承できるので、家族間、親子間のトラブルに発展しないためにも必要なことではないか、と考えます。
未来を見据えたお墓の安心設計5選
①お参り、掃除がしやすい動線設計


こういう階段が一番危ない
お墓のお参りのしやすさ、しにくさのポイントは階段、段差、足場の高さ、手すりなどとなります。
おおきた石材店では階段などに関してはルールを定めています。
階段に関しては、まず、ないのが1番。あったとしても3段まで。階段の高さは揃っている、一段の高さが150ミリ以下。などの条件を作っています。
段差は限りなくない方がいい、のは間違いないですね。特に歩く際に障害となる段差は限りなくなくすこと。
足場の高さは、階段の部分で記載しましたが、150ミリ以下が基本です。
手すりに関しては、あった方が安全なのですが、手すりが歩くのに邪魔になったり、障害になったりということもありますので、その部分は要注意。十分検討して、施主様と相談の上、設置することにしています。
②草が生えにくい、汚れにくい仕上げ
防草工事と呼びますが、こちらもおおきた石材店ではこだわりがあります。
お墓の防草工事としては、6つくらいの手法がありますが、いずれも一長一短があり、メリットデメリットをよく検討して、選ぶ必要があります。
たとえば、今一番人気の高い、樹脂で砕石を固める舗装方法。私は商品名を取って「ファイバーレジン」と呼んでいますが、こちら、出来上がりはとても美しく、人気ですが、私は可能な範囲ではありますが、やめた方がいいと説得しています。


完成時はとても美しい
出来立ては美しいですし、以下のように様々な石を選べるので、とても魅力的です。


様々な石を選べる
ですが、その魅力を超える多くのデメリットがあるのです。ここでは書きませんが、知りたい方は以下の私の書いた記事をご覧ください。


それ以外にも、固まる土、防草シート、コンクリート+玉砂利、石貼りなど様々な手法がありますが、耐久性、メンテナンス、草が少しでも生える可能性などを考慮して、石貼り仕上げが一番のおススメとしております。ですが、それも墓地の環境等によって、多少違ってくることもあります。
また、汚れにくいお墓というのも常に良いものは何か、ということを想定しています。
板石は滑りやすいので、表面に滑り止め加工を施します。ですが、そのすべり止め加工部分が汚れやすいのです。


このように、滑り止め加工した板石はすべて黒く汚れてしまいます。もちろん汚れですから、洗えばきれいにはなるのですが、その度に余計な手間がかかります。


磨いて滑りやすいので、滑り止めのコーティングしています。透明な樹脂なので、磨いた状態とさほど変わらず、汚れも付着しずらいので、メンテナンスも簡単になります。


お墓の手前、納骨口の部分はお墓で最も汚れやすい部分。ですから、構造から変更して、納骨口を別の場所に変更し、花立石もなくして、汚れを減らす構造に変更も常に考えています。
③地震に強い構造で安全性を確保
「お墓の地震対策」はいろいろな石材店さんが訴えていますが、墓石対策の対策だけでは、おそらく無理ではないかと思われます。地盤改良をしなくてはどんなに強固に固定しても、自然の力には無力です。


地震の強い揺れを軽減してくれる効果を実証されている数少ない工法「トップベース工法」をお墓の基礎に転用した「関根石材店式トップベース工法」をお墓の地盤改良したお墓を建てているおおきた石材店では、地震対策を最も重視した設計を目指しています。


石のずれを防ぐ「耐震ボルト」の使用。


地震の揺れを想定した、2種類の2種類の接着剤の使用。


普通の3倍の強度を誇る金具を一基につき30組前後使用し、固定した固定金具。
接着剤、耐震ボルト、固定金具というトリプルで固定した基礎構造。こういったすべての構造、設計の見直しで地震に強いお墓を作り上げています。
納骨のしやすさ、雨漏りしない構造
お墓全体の構造をアップデートしたことにより、とても強いお墓は出来ましたが、実はもう一つ、安心できるお墓に必要なことがあります。
お墓は実は、雨漏りしやすい、ということ。雨が降るとその水が墓地内に侵入して、お骨が収まっている納骨スペースに溜まりやすいのです。ひどい時には、プールのような状態でお骨が浮いている、という状態になることも。


先ほどのこのお墓も実は信頼棺のお墓です。納骨口は正面ではありません。


納骨口は竿石のすぐ左隣のこの場所となります。信頼棺の納骨口はあまり見せることは出来ないので、掲載は控えますが、納骨口に特殊な形状があり、内部に水が浸入しにくい構造となります。
⑤将来の家族構成の変化にも対応できる設計
将来、家族の構成が変わり、家族が少なくなったり、多くなったりした場合でも、信頼棺のお墓なら、内部は想像以上に広く、多くのお骨を壺ごと、あるいは納骨袋に移し替えてもたくさん納骨することが出来ます。
狭くて、増えた家族の分、お骨が入らない、とか、たくさんのお骨が重なり、もう納骨できないと言った心配もほぼ解消されます。将来的にお墓のリフォーム、拡張あるいは縮小などを心配しなくてもいいお墓なのです。
継承しやすいお墓とは「維持のしやすさ」で決まる
お墓の手入れのしやすさは将来の負担を左右する
お墓の手入れのしやすさ、というのは広さとも関係しています。広い墓地は昔、土葬の時代はどうしてもその広さがないと家族を埋葬できなかったので、必要だったのですが、現在はコンパクトなお墓の方が「手入れしやすい」のです。
また、そういう手入れしやすいコンパクトなお墓でも最近は十分なお墓の必要要素を含めることが出来ます。
墓地の立地が継承のハードルに
実は墓地の立地が意外と墓地管理者の負担に大きく影響することがあります。
陽当たり。太陽光が常に当たる墓地と常に当たらない墓地。湿気というのは、お墓の石にとっては大きな問題です。湿気が多いお墓は石の内部が常に水分が溜まり続けている状態。石は微細な穴が無数に開いているので、湿気を嫌います。湿気が多いと水分が常に石の内部に残留して、変色、劣化の原因になります。
ですが、逆に常に直射日光が当たり続ける墓地も、あまり良いとは限りません。乾燥するのはいいのですが、真夏に石の表面が常に高温な状態だと、石が焼ける状態になることも。表面の光沢が落ちる原因にもなります。
また、水はけがいい、悪いも石に影響します。先ほど伝えたように、水はけが悪いと常に水分が残留している状態なので、石にはあまりいい影響とは言えません。実は水はけがいいお墓は墓地としては、良い立地だと言えます。ただ、水はけのいい立地が墓地に最適かどうかはまた別問題。砂地に近い墓地は水はけはいいのかもしれませんが、お墓を建てる場所としては、決して良い土地とは言えません。不同沈下しやすい土地かもしれません。


周囲の環境も大きくお墓に影響します。周囲に樹木がない墓地は樹木の影響を受けない墓地なので、墓地としてはいい環境の一つとなります。逆に周囲に樹木が多いと、その樹木の影響を受けやすい墓地と言えます。
大きな木の下の墓地は落ち葉が多い、掃除が大変な墓地となりますし、上に樹木がかぶさっているような墓地は樹木を通した雨が降り、樹木のあくが墓石を汚します。またそういうお墓は陽当たりが悪い墓地となるので、墓地としては決していい状態とは言えないでしょう。
実例:将来の家族を考えたお墓つくり
先日、お墓の引っ越しをさせていただいた墓地です。山の中のお墓で、お墓参りが大変でお墓の引っ越しをしたいとご要望を頂きました。


山に少し入ったところにあり、比較的広い墓地に後ろの竹林から大量の落ち葉が毎年落ちてきて、掃除もかなり大変だった墓地でした。
そこから、寺院の境内にある墓地へ引っ越し。広さは3分の1くらいのサイズに小さくなりました。


お墓本体と戒名碑、そして副碑は以前の墓地の石をそのまま利用。下回りの石のみ、新しく設置して、コンパクトなお墓になりました。
境内の墓地なので、駐車場もあり、水道もあり、線香とお花のみ持参していけばいつでもお墓参りできる状態です。メンテナンスも極めて良くなり、落ち葉もなく、汚れも簡単に掃除でき、掃除する面積も3分の1になりました。
草取り、落ち葉掃除はほとんど必要なくなりました。また信頼棺構造なので、納骨スペースに雨水が入る心配もなし。
トップベース構造+地震に強いお墓構造でしかも手前に納骨口がないメンテナンスしやすい。
以前は車を止めた場所からかなり歩かないと到着しない場所だったのが、今はほぼ段差のない、お参りしやすい場所にに。
まずは「今の悩み」と「将来の不安」を見える化しよう
まずは、家族で話し合うべきポイントリストを作成しましょう。自分だけではなく、子供、その次の孫の代でもお参りしやすい、お参りするのに苦労が少ないお墓ってどんなだろう、と相談してみてください。
そして、ポイントリストが出来たら、知り合い、あるいは気になる石材店に実際に相談してみましょう。
プロの視点で、あなたには分からないポイントを指摘してくれるかもしれません。その石材店さんが地元の石材店さんなら、地盤のこと、陽当たり、その墓地独自の特徴を知っているかもしれません。
地震対策、雨漏りしないお墓、お参りしやすいお墓について普段から考えている石材店さんなら、きっと更にいいご提案をしてくれるかもしれません。
そして、お墓のリフォーム、お墓の移転などの工事が伴う場合、お墓の新規建墓であっても、お墓の現地に来てもらい、しっかりした説明をしてくれて、その上でその土地、その建て方、その地盤に合った見積をしてもらってください。次の代までお参りしやすいお墓であるようなしっかりしたご提案をしてくれる石材店なら、きっとあなたの望み通りのお墓を作ってくれるはずです。
まとめ
お墓は一度建てたら、次の代、その次の代まで使い続ける大切な場所です。
だからこそ「自分たちが使いやすい」だけではなく、「未来の家族も困らないお墓」を考えることがとても大切です。
防草、雨漏り、地震対策などの今の問題だけはなく、将来の継承者にとっても維持しやすい設計にしておくことで、家族みんなが安心してお参りできるお墓になります。
少しでも
「宇都のお墓、このままでいいのかな。。。?」
「子供や孫に苦労かけたくない」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。
おおきた石材店でもしっかりとしたご提案をさせていただいています。
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