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    新しいお墓で迎えた初盆。孫が小さな手を合わせた日

    目次

    「お盆までに」というご依頼でした

    数年前の春、あるお客様からお墓のご依頼をいただきました。

    ◇ お墓ディレクター1級:お墓のプロの証、1級取得者は全国で2桁
    ◇ 墓地管理士:お墓、納骨堂、永代供養墓の法律の専門家
    (一社)日本石材産業協会正会員、兵庫県支部理事
    ◇ 石材加工技能士1級:石の加工の技能を表する国家資格
    ◇ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
    ◇ 「地震に強いお墓」施工店

    おおきた石材店

    昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

    前の年にお父様を亡くされた息子さんで、ご希望はひとつ、「初盆までに建ててほしい」。

    お墓づくりは、石の加工や基礎工事を含めると数ヶ月かかります。お盆前は石材店が一年で一番忙しい時期でもあります。それでも「初盆に間に合わせたい」というご依頼が毎年あるのは、家族が全員そろってお墓の前に立てる日が、お盆をおいて他にないからです。

    打ち合わせを重ねて、石を選び、文字を彫り、7月の終わりにお性根入れ(建墓式)を終えました。私たち石屋の仕事は、本来ならここで一区切りです。

    でも今回は、その先を少しだけ見せていただく機会がありました。

    8月13日、夕方の墓地で

    お盆の初日、たまたま近くの現場の帰りに、そのお墓の前を通りかかったんです。

    夕方の墓地に、車が2台。県外ナンバーでした。

    建てたばかりの墓石は、まだ角がぴんと立っていて、磨いた御影石の面に西日がまっすぐ反射している。周りの年月を経たお墓の中で、そこだけ光り方が違います。石屋なら誰でもわかる、「建った年のお墓」だけの光です。

    その前に、ご家族が集まっていました。喪主だった息子さん、そのお姉さんのご家族、そしてお孫さんたち。

    一番小さな子が——たぶん3歳くらいでしょうか——お母さんに手を添えられながら、見よう見まねで小さな手を合わせていました。線香の煙が夕方の光の中をまっすぐ登っていく。誰かが「じいちゃん、みんな来たで」と言って、少し笑いが起きる。

    それから、お墓を背にして家族写真を撮っておられました。真新しい石を真ん中に、三世代が並んで。

    私は声をかけずに、そのまま通り過ぎました。仕事の邪魔をしてはいけない場面ってありますが、あれは間違いなく、お墓が仕事をしている場面でした。

    お墓を建てるとは、「集まる理由」を建てること

    この仕事をしていると、「今どき、お墓なんて」という声も耳に入ってきます。維持が大変、子どもに負担をかけたくない、形あるものはいらない——どれも、わかる理屈です。私も正面から否定はしません。

    でも、あの夕方の光景を見ると、こう思うんです。

    もしお墓がなかったら、あの3歳の子は、会ったことのないひいおじいちゃんに手を合わせる機会を、いつ持てただろうか。県外に住むお姉さん一家は、お盆に「実家に帰る理由」のひとつを、持ち続けられただろうか。

    お墓を建てるというのは、石を買うことではありません。家族が年に一度、同じ場所に集まる理由を建てることです。そしてその理由は、位牌のように家の中に閉じたものではなく、外にあって、みんなで出かけていって、汗をかいて、手を合わせて、帰りに「どこかで飯でも食うか」となる——そういう、家族みんなが集まるための行事となります。

    3歳の子は、今日のことを覚えていないかもしれません。でも、毎年お盆にあの場所へ行けば、いつか必ず「ここに来ると家族が揃う」ということだけは、体で覚えます。それを何十年も先まで運んでくれる乗り物として、記憶より確かなものは、おそらくないでしょう。

    「初盆までに」は、間に合わせる価値があります

    初盆に合わせてお墓を建てるのは、正直、スケジュールとしては楽ではありません。石の手配、基礎工事、彫刻、据付、そしてお性根入れ。逆算すると、遅くとも春先にはご相談いただきたいのが本音です。

    それでも毎年「お盆までに」と駆け込むご依頼をお受けするのは、初盆という一度きりの日に、故人を「新しい家」で迎えたいという気持ちに、間に合わせるだけの価値があると思っているからです。

    来年の初盆を迎えるご家族で、お墓をどうするか迷っておられる方は、時期だけでも早めにご相談ください。「いつまでに決めれば間に合うか」をお伝えするだけでも、気持ちの整理がずいぶん違うと思います。但馬・豊岡近辺でしたら、おおきた石材店がご相談をお受けします。

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    おわりに

    お盆が終わると、墓地はまた静かになります。

    でもあの真新しい墓石は、来年もその次も、同じ場所で家族を待っています。角が尖った感じがなくなり、石の光り方が周りのお墓と馴染んでいくころ、あの3歳の子は、誰に手を添えられなくても手を合わせるようになっているはずです。

    そんな家族の集まる機会を提供できる「お墓」を建てる仕事は、魅力ある仕事だと思います。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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