お墓じまい基本のキ⑥~昔のお墓の意味
「墓地内改葬」の説明ですが、
その前に、昔のお墓、
俗に「土葬のお墓」の建て方を簡単に説明します。
私の手書きの説明なので、
読みにくいかもしれませんが、
ご容赦を。
昔のお墓の建て方①
まず、人が亡くなると、棺に納めて、土葬する場所へ運びます。
この際、親戚、近所総出で担ぎ、
土葬用の穴を掘ります。
昔のお墓の建て方②
その穴は、棺が入る大きさで、
深さはその土地の土質等も関係しますが、
大よそ1.5~2mくらいの深さが平均だと思います。
昔のお墓の建て方③
穴に棺を納めるとその上に土でフタをします。
穴が分からなくなるまで、
あるいは、
こんもり盛り上がるまで埋めます。
昔のお墓の建て方④
その場所に目印も兼ねて、
木の墓標か地域によっては
小さな祠のようなものを上に設置します。
昔のお墓の建て方⑤
ある程度の時間が経過すると、
棺が腐敗し、中に土が入り込みます。
するとその分の土が下に下がって、
上に穴が開いたようになります。
この状態を「底が抜けた」とか
「棺の底が抜けた」とか言います。
昔のお墓の建て方⑥
底が抜けたら、その穴に土を継ぎ足して、
平らにし、その上に石のお墓を建てます。
つまり、
土葬の頃のお墓は
「この下に○○○○信士(信女)さんが眠ってますよ」という
標識のようなもの、
目印のようなものだったわけです。
なので、
古いお墓がいっぱいあるお墓を
新しいお墓にまとめる時には
その下の埋まっている遺骨を掘り返して、
移さなくてはならないのです。
そうしないと、
埋まっている遺骨は上の標識のお墓を移動してしまうと、
もうどこに埋まっているか、分からなくなってしまうのです。
もう遺骨が無くなってしまっている可能性もありますが、
それでも、探さないと遺骨がもう二度と
見つけることが出来なくなってしまいます。
そうして、
埋まっている遺骨を掘り出して、
新しいお墓に移す、
つまり、
墓地内で遺骨を移動させる、
「墓地内改葬」すると言うことです。