「お墓」と「移動」~お墓リフォームの理由
お墓の移転がとても大きな「お墓リフォーム」の理由になっています。その一端をご説明します。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
お墓は誰のもの?(昔)~亡くなった人中心
お墓を別の場所に引っ越したい、移動したい、移転したいという要望はよくあります。
私の住む豊岡市でも結構な頻度で問い合わせがあります。
以前はお墓とは「見晴らしのいい場所」で建てるのが最上だとされていました。
特に、田舎では、「里山」と言って、居住する地区の裏山の比較的見晴らしのいい場所に建てて、自宅を見守ってほしいという願望がありました。
昔のドラマとかアニメでよく目にしたシーン。時代劇などで、お墓参りしながら、「おとっつあん、草葉の陰から見守っていてね」とつぶやくシーン、ありましたね。
自分の大切な亡くなった家族。姿は見えなくなったけど、その存在はなくなったわけではなく、見えなくなっただけで、きっと存在する。その存在と唯一、意思の疎通ができる場所が「お墓」だったわけです。遺体はその下に安置されているわけですから。
お参りすることは二の次、まずは、亡くなった家族が残された家族を見守ってもらうため、敢えて大変な場所だとしても、自宅や住んでいる地区が見通せる小高い場所にお墓を作る傾向があったのです。
「亡くなった遺族のために建てるもの」がお墓だったわけです。
残された遺族のお墓参りの都合など、全く配慮していなかったのです。
お墓は誰のもの②(今)~残された遺族中心
しかし現在は、亡くなった遺族を配慮する、という考え方はだんだん薄れてきている気がします。
逆に残された遺族の都合を優先して、お墓を考えている方が多い気がします。防草という考え方も増えています。ご要望が多いのでおおきた石材店でも多く施工しますが、多くは墓地内の草が映えなくする方法なので、墓地内を固めてしまう手法です。
また、お墓の引っ越しのご要望も多いですね。
昔、里山の上に建てていたお墓がお参りが大変なので、お参りしやすい場所に引っ越しする、ということが多くあります。
こういった山の斜面の大変な場所にあるお墓を。。。
このような平地の便利なお墓に移転したいというご要望。
ですが、このようなことは決してダメだとは思いません。むしろいいことだと思います。
お墓に対する様々な考え方がだんだん変わってきた。それに伴ってお墓のことを真剣に考えて、移転を考えるって、前向きでいいことだと思います。
一番ダメなことは、「お参りしずらいお墓」のまま放置して、だんだん足が遠のく。そのうちお墓のことを大事に考えていた世代がいなくなり、無縁墓(誰もお墓参りしなくなるお墓)になる、ということです。
まとめ~「お墓の意味」が変わってきた
お墓に入る人が第一だった時代が過ぎて、お墓参りする人が第一になった、ということです。
時代とともに「お墓の意味と価値」も変わってきた、ということですね。
それだけではありません。かつては「お墓」とは、ご遺体が安置されていますよ、という印でもありました。土葬だったから、です。
だからいまだにお墓にコンクリート等を使うと「息ができない」などと言われる方がいらっしゃいますが、かつての土葬時代のお墓の感覚をそのまま持たれているから、です。
ですが、今のお墓は違います。ご遺骨を安置する構造物です。ご遺骨を土に還す、ということを言われますが、それは無理です。土の上にご遺骨を安置されているだけでは、100年くらい経過してもまだ遺骨は残っているでしょう。(細かくにはなっているかもしれませんが。。。)
意外と知らないことだらけかもしれません。昔のお墓と今のお墓、意味が違ってきています。