「墓地が破綻」したらどうなる?
札幌にある納骨堂が経営破綻による売却する、という事件が注目を集めています。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
納骨堂が売却!! そんなことってあるの??
実は、あります。経営破綻することは稀にではありますが、そういう話は聞きます。特に人口密集地など都会にみられるようです。
お墓や納骨堂の法律に関する専門家、「墓地管理士」になりました。
実は、墓地も納骨堂も経営破綻ってあり得ます。
墓地や納骨堂は基本的に「地方公共団体」が許可し、運営するもの、となっていますが、それで手が回らない場合は「宗教法人」や「財団法人」でも、許可されます。
ですが、当然お金が回らなくなると経営破綻してしまいます。北海道の夕張市が破綻したことはご存知だと思います。破綻すると当然その財産である墓地や納骨堂も競売等で売却されるので、あのような事件になるんですが、実はお墓はあのようにはなりません。
墓地が経営破綻したらどうなるの?
墓地が経営破綻したら、どうなるか。
「墓地の経営」はまず「墓地」として登記されていなくてはなりません。更に、「墓地、埋葬等に関する法律」で「墓地」として経営許可を得なくては「墓地」として運営できないのです。
ですから、その墓地の権利を取得し、別の目的で利用しようとするなら、「墓地経営」の廃止を申請しなくてはなりませんが、ここがポイント!!
墓地内のすべての墳墓(それぞれの個人のお墓)を改葬、つまりお墓を無くして、更地になった状態でないと墓地経営の廃止の許可は出ないことになっています。遺骨が入ってなくても、墓石が残っていると許可が出ない可能性があります。
つまり、すべてのお墓がなくなった後でないと、墓地はなくならないのです。
お墓をつぶしてマンションを建てよう、とか思ってもなかなかスムーズにうまく進められないので、こういう「墓地の別目的の活用」って、実際に行われることはあまりない、と思います。
では、「墓地」はどうなるの?
こういった場合の多い事例としては、
① 「墓地は残る」けど、管理会社が倒産したので、誰も管理してくれない。
という場合と、もう一つは。。。
② 「墓地は残る」し、新しい管理会社が管理してくれるけど、管理費が高くなる。
①の場合は草がぼうぼうに生えて、通路が穴だらけ。ガタガタだけど我慢しなくてはならない。空き区画は草が生えすぎて、ジャングル見たいになる。管理が悪いので、引っ越しされるお墓が出てくる。
②の場合は今まで通り行き届いた墓地。むしろ以前より良くなるかもしれませんが、管理は高い!!管理費を払えず、お墓じまいされる方も。。。
墓地は残っても、あまりいい結果にはなりそうではないですね。
札幌の納骨堂も墓地と同様の扱いになると思うのですが、ニュースでは売却先も決まって、期日までに遺骨を退去、みたいな扱いだと聞きましたが、札幌市がそのあたりの判断をしたはずですが、どうなのでしょうか。
ちなみに、「納骨堂」は「他人の委託を受けて」「焼骨を収蔵するために」「都道府県の許可を受けた施設」という3つの条件を満たした施設です。
自宅に自分の家族の遺骨を安置する場合や四十九日や一周忌法要まで一時的に寺院に安置する、と言った場合は納骨堂に含まれませんが、長期間、寺院の一部に保管するような場合は「納骨堂」と見なされる場合があるので、都道府県に許可を得ることが必要となります。