K家お墓新設工事①
新しいお墓の工事が始まります。

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
☑ 顧客満足推進委員会委員長
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
再利用された墓地で新しいお墓を建てる
新しい墓地工事が始まります。がここは、以前お墓があった場所だと思われます。

そこを再貸付(再利用)でお墓を建てます。が、気になるところが。。。ここです。

分かりますか? ここです。

ここ。墓地の裏側ですが、墓地の後ろは低くなって、通路があるので、その境界は石垣になっているんですが、その隅っこ。

このように、ずれてますね。隙間が出来ています。確かに年月が経過していて、こういうすき間ができることはありますが、一番下の石から2段目、3段目と同じようにずれています。これは嫌な予感。。。

上から見たら、こんな感じ。隅の石だけ、押し出されているような感じ。そのうち、下に落ちそう。
お墓の基礎はこの石垣の中なので、この石垣に直接お墓が乗るわけではないのですが、この石垣がズレで落ちてしまったら、良くないので、何とかずれないように対処します。
というわけで、裏側に施工してあるコンクリートを破砕して、石垣の石を外してみます。隅の石がうまく取れなかったので、その隣の石から外してみると。。。簡単にはずれてしまい。。。

こ、これは。。。嫌な予感が的中。。。

裏に充填するはずのコンクリートが。。。
ここはコンクリートがしっかり充填されていないといけない部分ですが、大穴が空いています。これは、コンクリートの中にコッパ(石材を加工した後出る破材)を一緒に埋め込んであるので、隙間が出来てしまうのです。(加工している石屋さんなら分かるはず)
コンクリートより硬い石を入れるので、問題ないと思いがちですが、このように破砕してみて、中を見てみるとよく分かります。完全な施工不良となっています。大きな石が含まれているので、コンクリートが完全に充填されないのです。
施工不良が容易に分かるのが、この石垣石を外してると一目瞭然。裏側がかなり汚れています。これは、石とコンクリートが十分に密着していないことが原因です。隙間があるので、年月を経過する中で、土が侵入して、汚れてしまうのです。
しかもしっかり密着していると、石とコンクリートを分離するのはかなり困難で、石垣石を外すのは、なかなか時間を要するはずなのですが、簡単に外れてしまうのは、これが原因です。

というわけで、もう一枚隣の石を外し、隅の石を含めて3個の石を取り外して、再施工します。
今回は最低限の工事で
本来なら、すべての石垣の石を外して、再施工するのがベストではありますが、今回、この作業は隅の石一個を外して、再施工の費用しか見ておらず、3個の石のみを据え直します。全部やってしまうと大変な費用が掛かりますし、隣の墓地予定地まで改修するのは非現実的です。
それに最初に説明した通り、お墓の外柵も含めて、お墓はこの石垣石の中に納まるので、石垣の上には乗りません。なので、今回はこの最低限の補修にて、基礎工事を進めていきます。
なお、今回は「信頼棺®」でもなく、「地震に強いお墓」でもないので、トップベースを据える必要もありませんし、このまま基礎工事を進めていきます。
まとめ
お墓を新しく建てる、と言っても、お墓を建てる土地、つまり墓地区画が全くこれまでお墓が建ったことがない墓地なのか、それとも以前お墓が建っていた墓地なのか、というのは意外と大事な情報で、このお墓のように、以前お墓が建っていた墓地なら、このように、墓地区画自体が古く、構造が昔設計した墓地、という場合があり、古い構造、耐用年数が過ぎつつある区画というのもあります。
ですが、素人の方にはそういったことは分からないことがほとんどです。

このように、古い擁壁(コンクリートの壁)の上にお墓を建てるタイプのお墓、墓地の場合、十分考えてい建てないと、上に乗っている石も傾いてきてしまいます。
今回のお墓はその上に乗るようなお墓ではないのですが、後ろの石垣が少し気になったので、説明させていただきました。