Q024~遺骨は土に還すべきか、還さなくていいのか?
A.どちらかが正しい、はないと思います
昭和30年代、遅くとも昭和40年代初期までは、お墓の建て方が今とは大きく違いました。
人が亡くなると、
遺体は棺桶という入れ物に入れられ、
それを埋める場所にそれがすっぽり入る穴を掘りました。
深さは1.5メートルから2メートルくらいの深さ。
そこに棺桶ごと遺体を納め、その上に土を戻します。
そして、やや盛るように土を戻し、印をその上に置きます。
墓標の場合もありますが、小さな社の様な物の場合もあります。
それが数年過ぎると、棺桶とその中の遺体が次第に土に還り、
ほぼ遺骨を残すのみ、になると、体積が減って、
盛り上げた土がその分窪みます。
すると、俗に「棺が抜ける」と言って、そこにさらに土を戻して
その上に今より小さめのお墓を建てました。
地域によってはそこは印の石を載せておくだけで
お墓自体は別の場所に建てる、場合もありました。
(そういう葬送を両墓制といいます。)
とにかく、遺体を土葬(土に埋める)ことが
公衆衛生上、絶対不可欠だったので、
まず遺体を土の中深く埋める。
それが土に還ってお墓を建てる。
そのうち、遺骨も土に還る。
という流れでした。
なので、土に還る、土に還すということが
非常に重要視されたんだと思います。
しかし、今97%の日本人が火葬される時代です。
火葬して土に還す公衆衛生上の必要性もない。
火葬し、その一部(関西圏は)しか手元に残らない遺骨。
あえて、土葬時代の土に還すことを重視することは
必要かどうか。
喪主の考え方でどちらでもいいのでは、と思います。
補足ですが、焼骨は土の上に置いただけでは、ほとんど土に還りません。
土をその上にかぶせるか、穴を掘ってその中に焼骨を納めて土を戻す、ということをしないと
ほぼ土には還りません。あるいは、土に還るにかなりの時間を要します。