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    ユーザーの立場に立つと。(前編)

    おはようございます。
    但馬、豊岡のお墓と墓石のプロ、おおきた石材店のカズです。

    dsc_0031

    眠そうな顔ですが、実際眠いです。。。(^_^;)

    私がこのお墓を建てる仕事を始めた頃は、
    墓石ほぼ100%、自社加工でした。
    自分で作っていたわけです。
    それが当たり前でしたね。

    自分でカットして、
    自分で磨いて、
    自分で彫刻して、
    ほぼすべて自分加工でした。

    加工の仕方は父に教えてもらいました。
    外部に修行へ行ったことは、ないですね。
    ほぼ。

    で、その頃、よく言われたのが、
    「手が切れるような面を作れ」
    ということです。

    どういうことかというと、

    dsc_0006

    この矢印のように、石の角を「面」といいます。
    この面は、加工時、あるいは、研磨時の熟練度によって
    どんどん鋭くすることができます。
    で、一流の職人は、この面を
    「手が切れるくらい」の面と表現するわけです。

    一流の職人の作った墓石は、確かにこの面を触ったらわかると言いますし、
    それは本当です。
    「手が切れそうな面ですね。」とか言います。

    カミソリのような面、とかも言うかもですね。

    実際、切れないのですが、切れそうなほど細い面ということです。
    (実際に手が切れる場合、それは面が磨けてない=加工不良品です)

    この面の細さが石職人の実力だ、という価値観が間違いなくあります。
    私もその価値観は持っております。

    でも、これはちょっと疑問があるんですよね。

    石の性質上、この面が尖っていれば(細ければ)、いるほど、
    欠けやすく、もろくなります。
    自然に存在する石って、基本角がなくて、丸いものが多いですね。
    でも、石を割ったときだけ、鋭くとがった石が出来上がります。
    しかし、その尖った面を持つ石も、
    長い間の風化によって、角が取れ、丸くなるんです。

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    その自然に反する尖った面。

    それを作り出すことが職人の心意気であり、
    技能なのですが、
    これは職人の世界の話。

    お墓は、職人が作り出すけど、
    出来上がったら、お客さん、施主さん、
    つまり素人の方のものになるわけですよね。

    素人の方は、この石の性質を全く知っておられません。
    当然ですよね。
    石って硬いモノ、という先入観がありますし、
    ましてや、自然界にあまり存在しない尖った面を持つ
    石の事なんて、知るはずがないわけです。

    石が割れた時だけ現れる尖った面。
    でも、それがすごくもろいなんてことは、
    知るはずがありません。

    なので、
    施主様に渡ったお墓はすぐに欠けてしまいます。
    今、おおきた石材店はその部分を考慮して、
    石と石が接触する、当たる部分には、緩衝材として、
    目地テープと呼ばれるものを貼っております。

    でも、それはほんの気休め。

    石同士が当たると、ホントに簡単に欠けてしまいます。
    和型のお墓の花立と水鉢は、10年以上経過しているお墓なら
    どこかしら、欠けているのが普通となっています。

    どうすればいいのか?
    どう対応すればいいのか?
    いろいろ考えてみました。
    当時の私は。。。

     

    (夕方に、つづく)

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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