兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

「いい墓じまい」と「ダメな墓じまい」

    
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「いい墓じまい」と「ダメな墓じまい」

久しぶりにお墓じまいのご依頼を頂き、施工してきました。

◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


豊岡市営霊苑は横幅が狭い

豊岡市営霊苑は東と日の2つあるのですが、そのほとんどの区画は6㎡広さです。左右(横幅)が2m、奥行きが3mというサイズです。

父が加工して建てたお墓を息子である私がお墓じまいさせていただきました。

まあいろいろ思うところはありますが、これもお仕事です。

最近、日本全国でお墓じまいが進行中です。
お墓じまいの理由はいろいろあるんですが、一番多いのは「後継者問題」

「お墓の後を継いでくれる人がいない」問題です。

これは、全くいない場合だけではなく、
〇 娘しかいない(他家へ嫁いでしまっている)
〇 息子がいるけど、結婚せずおそらく一生独身なので。。。といった場合
〇 息子がいるけど、お墓を継ぐ気がない
〇 息子がいるけど、迷惑かけたくない
など今の「お墓じまい」の流れに乗って、とにかくお墓自体を無くしてしまいたいと考える人もいるようです。

ですがこれはかなり問題があります。

①「お墓を維持し続ける」のが一番費用がかからない

お墓はそれ自体には、完成してしまえば、それほど費用は掛かりません。具体的に必ず必要なのは毎年の管理費です。

お墓というよりも「お寺」との関係で費用が掛かる場合が多いですね。お寺の様々な運営費、だとかお寺の本堂、庫裏、鐘つき堂などの修繕費、古くなって使えなくなった場合の建て替え費用などです。

ただこの費用はお寺の規模だとか檀家の戸数などによってずいぶん違ってきます。修繕したばかりのお寺ならほとんどかからないはずですし、檀家の数が多いお寺ならその負担もずいぶん小さなものになる場合があります。

更に、元々檀家制度とは、その檀家全体でお寺を支えよう、という仕組みです。確かに仕組みとしては古いのかもしれないですが、お墓という日本人が大切にしてきた存在を守っていただいてきた存在ですが、負担が大きいので無くそうというのは早計に思えるんですが、どう思われますか?

どうしても、負担が背負えないという場合、まずご住職や檀家総代さんにご相談してからでも遅くないと思います。話を聞いてくれる場合もそんなに奇跡の確立だとは思いません。

②「お墓を維持」した方が「お墓をしまう」よりも費用が安い

お墓をしまう、という場合、いくつかの予想外の費用が発生するかもしれません。

まず、お墓をしまうという場合、「墓石をしまう」ことはできますが、「お骨をしまう」ことはできません。


つまりお骨は必ず、どこか別の場所へ安置しなおさなければなりません。これを「改葬」と呼びますが、正式名称は「お墓じまい」ではなく「改葬」です。

読んで字のごとく、「改めて(ご遺骨を)別の場所に葬る(埋葬する)」ということが正式な行為です。お骨をお墓から出して、別の場所へ埋蔵するので、あなたのご家族(ご先祖)のご遺骨をどこに移すのかを決めて、そこで許可をもらわないと改葬、つまりお墓じまいはできないのです。

さて、許可を頂いて、お骨を移そうとなった場合、まず、元々あったお墓をお墓じまい、つまり墓石を無くしてしまう工事をします。多くの場合、石材店が実施しますが、この費用がある程度かかります。

おおきた石材店の例の場合、今なら6㎡程度(市営霊苑と同じ広さ)で25万円から30万円が一番多いです。石の量によってはもう少し費用が掛かる場合もありますし、最近のお墓なら基礎コンクリートがべた基礎で、鉄筋が入っている場合、10万円から15万円程度はこの金額に上乗せされます。
(※ 豊岡市営霊苑の場合、原状復帰に別途費用が掛かる場合もあります)

つまり、普通のお墓でも50万円程度かかってしまう場合がある、ということですね。

さらに、新しいお骨の引っ越し先の受け入れ費用が掛かります。お住まいの近くのお墓、集合墓(永代供養墓など)、海洋散骨、納骨堂などが引っ越し先で多いのですが、そちらが安いように見えてもそうではない場合もあります。お墓は別として、集合墓などでもおひとりさまのご遺骨なら、安いかもしれませんが、ご先祖様がたくさんいらっしゃる場合、全員の分となると結構な金額になります。

納骨堂は一時的なお骨の仮安置所です。終の棲家にはなりません。最終的には別の場所へ安置しなおさなくてはなりません。その時にまた費用が掛かる場合があります。

そして、海洋散骨ですが、供養する費用は確かにリーズナブルかもしれませんが、海洋散骨を含めて「散骨」は極めてグレーな葬法です。法律では許可も禁止もされていない方法なのです。将来的にどうなるかわかりません。禁止されるリスクもゼロではないのです。

しかもある程度陸から離れた場所でしか許可されていませんので、かなり外海に出ないといけません。費用的にもそうたびたびお墓参りというクルーズに出ることができないでしょうし、散骨した業者さんが例えば倒産とか廃業、転業されたりしたら、もうお墓参り自体が難しくなります。更に海が荒れるとお墓参りもできません。

③あなた自身が亡くなった場合、どうするのか?

上記の最近の新しい葬送すべてに当てはまることですが、すでに亡くなった人のお骨をどうするか、という問題です。あなた自身が亡くなった場合、どうするのか?

自分が死んだあとのことなど知らなくても結構、と思われる方もいますが、亡くなったら誰かが後のことを面倒を見ないといけません。

お墓じまいしてしまうと、あなたのご遺骨はどこか安置できる場所を新たに探す必要があります。残された息子さんに一から探してもらう、というリスクが当然出てきます。もしくはあなた自身が上記とは別に自分の遺骨の手配もすべて済ましますか? それも一つの方法ではありますが、大変な作業となると思います。その部分を行政がバックアップしてくれる自治体も出はじめてきていますが、まだまだ少数派です。

以上、いろいろ想定してきましたが、いずれの場合にもいろいろリスクがあって、費用の面だけ見ても、もし今お墓があるのなら、そのお墓を維持、管理された方がお得です。

そして、更に私は見落とされがちですが、これも忘れてはならないことではないかと思います。

④あなたの考えだけでご先祖様の行く先を決めていいのか?

あなたとあなたの家族だけのお墓、であればそれほど問題はないです。皆であらかじめ相談しておけばいいのですから。でもご先祖様がたくさん眠っているお墓なら、どうでしょう。


たくさんのご先祖様、例えば江戸時代に生きた人のお墓もある場合があります。明治、大正、昭和と長い間、繋いできた人々の歴史をすべてあなた一人で、あるいはあなたの家族の代の考えで決めてしまっていいのか? という疑問があります。

長い間、○○家の代々の家系を守り続けてきたご先祖様。その長い歴史が刻まれたお墓を果たしてあなたの一存でなくしてしまうというのは、正しい方法なのでしょうか?

例えば、あなたの息子が将来「これを管理するのは大変だろうな」という先回りした、正しいかどうかも分からない親心という身勝手でなくしてしまうのは、正しい判断なのでしょうか?

⑤「では、わたしはどうすればいいのか?」【解決法】

「では、私はどうしたらいいの?」という声が聞こえてきそうです。

タイトルを「いいお墓じまい」と「悪いお墓じまい」としましたが、一番お伝えしたいのは、あまりにも安易にお墓じまいを考えていませんか? もっと別の方法もありますよ、ということをお伝えしたいのです。

〇まず、後継者となりうる人がいらっしゃる場合、その方とじっくりとお話されましたか?

若い頃は先祖とかお墓には興味ないのが普通です。でも年齢とともにこれに大きな価値を持たれる方が増えるのもお墓の特長です。しっかりとお墓のことを相談されるのが一番大切です。親の勝手な思い込みで判断するのは早計です。

〇後継者となるのは「息子」のみとは限らない

例えば、甥、姪といった関係でも、お墓の継承者になる場合があります。友人が後継者になる場合もあります。様々な場合があるので、関係性をよく確認して考えてください。

「私は娘ばかりだから」とおっしゃる場合もありますが、娘さんも後継者になれます。本人が希望すれば。結婚されている場合でも、その結婚した家も同様に後継者問題があるかもしれません。二つの家を一つにまとめる「両家墓」という選択肢を取られる方は増えてきています。

〇お墓じまいもタイミングをよく考える

どうしてもお墓じまいせざるを得ない、となったとしても、タイミングをよく検討しましょう。本当に「今」がベストのタイミングですか? 

お墓の後継者問題が日本全国で悩んでいらっしゃいます。ですから、それに対処する方法を考えられている人もいらっしゃいます。

将来、お墓じまいをします。という想定の元、でも実際にお墓じまいをするのは今ではなく、私(お墓をお持ちのあなた)が亡くなった後にします、という仕組みがあります。

「死後事務委任契約」という契約を結び、予めお墓じまい等の費用を預けておいて、本人が亡くなった後にお墓じまいを実施してもらうという契約を「行政書士」などの仕業の方と結ぶという方法です。

それ以外にも「任意後見制度」という制度を利用して後見人に「死後事務」を委任するということもできます。

私たち石材店も「お墓のみとり®」という仕組みを作って、もし契約の石材店が廃業、倒産等になった後もメンバ―の石材店が協力して契約を実施するというしくみをつくっています。

( ※ 「お墓のみとり®」ホームページ  )

〇お墓自体も進化している

お墓自体も年々進化しています。

後継者を必要としないお墓も一部ですが出てきています。いわゆる「有期限墓」と呼ばれるお墓です。ネット等で検索されれば出てくると思います。

そして、先ほど説明した「お墓のみとり®」という仕組みももともとは
「手を合わす先(お墓)をできる限り残したい」という思いで出来上がったサービスです。ですから、石材店と契約することで今あるあなたのお墓を「後継者を必要とするお墓」から「後継者を必要としない新しい仕組みのお墓」に変更することができるのです。

( ※ この仕組みを成立させるには、墓地管理者(市当局や寺院)との協議が必要です。)

まとめ

「お墓じまい」は実は決して悪い行いではありません。

お墓は放置しておけば将来的には「無縁墓」となってしまいます。それだけは避けたい、という日本人の「跡を汚さない」という美しい美意識が作用する素晴らしい行いです。

ただ、流行であるかのような「お墓じまい」が横行していることを少し立ち止まって考えてみませんか? という提案でした。「お墓じまい」した後で後悔してしまっても、決して元に戻すことはできません。

それだけはしっかりと覚悟して「お墓じまい」を検討ください。

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