外柵石の設置は大変です~K家お墓工事②
基礎工事からずいぶん時間が経過してしまいました。
コンクリートの型枠は予め撤去しておきました。
◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。
☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会常任理事
おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。
ここにお墓の石を置いていけばいいだけ、じゃないの? と簡単に考えるのは素人(前回と同じ流れですね。。。)
こちらは設置する予定の石ですが、このように石の裏側(上と下が反対になっています)に地震でもずれないように耐震ボルトを装着しています。これを固定すると非常にずれにくくなります。
それぞれの石に2か所ずつ、耐震ボルトを装着します。
このように、すべての石に耐震ボルトを付けます。そのボルトとボルトの間、くぼみがあるのは、コンクリートと石は相性があまり良くなく、分離しやすいので、グリップを強めるためのくぼみです。車のタイヤの溝、みたいなものだと思ってください。こういうくぼみが1か所でもあれば、全然違います。
更にコンクリート側にも手を加えます。まず、石が設置される部分のコンクリートの表面の不純物を取り除きます。【レイタンス除去】といいますが、早い話、表面にカンナをかける要領です。
コンクリートというのは、固まる工程で表面に不純物が浮き上がってくるのです。その不純物を取り除かないと、上の石と強固に固定できません。簡単に分離してしまうのです。
公共工事なら当たり前、らしいのですが、石材店さんがレイタンス除去をされるのは、あまり見かけません。私の信頼する数社の石材店さんは実施されていますが。。。
上の写真、見た感じ全く分かりませんが、【レイタンス除去】を実施した後です。ホコリが凄いので、隣のお墓に汚れが行かないように、養生しております。
次に、写真では分かりにくいですが、石が設置される場所を正確に知るために、コンクリートの表面に墨打ちといって、墨で線を引きます。【地墨打ち】とも言います。
これはなぜするかというと、石の位置を正確に知るとともに、次の工程の穴あけをするためにどうしても必要となるからです。
次に、石の裏側に装着してある「耐震ボルト」が入るための穴を正しい位置に開けます。この正しい位置がずれると、耐震ボルトがずれて、石が正しい位置に設置できなくなります。ですから先ほどの地墨打ちを正確にすることが大事になります。
写真では分かりずらいですが、耐震ボルトがはまる位置に正確に穴を開けております。
こちらの写真の方がわかりやすいですかね。。。すべての位置に開けているわけではなく、都度都度開けているので、まだ空いていない所もありますね。
その上に、モルタル接着増強剤を薄く塗っています。コンクリートの表面の色が変わっているのはよくわかると思います。モルタルと接することで接着力が強固になると同時に防水効果も得られるという優れものです。石って水分を吸うと変色したりするのですが、この増強剤を塗っておくと、防水効果が得られるというものです。どれほどの期間、その効果が得られるのかはまだ分かりませんが、施工後しばらくの期間はかなりの効果が得られるというのは実証済みです。
長い石から設置していきます。
いきなり設置ではなく、まず一度仮においてみて、問題なければ、接着増強剤を使ったモルタルを敷いて、耐震ボルトの穴には、接着剤を装填して、施工、となります。まあ、通常の2倍の時間を掛けて設置しているということです。ほんとに気を使いますね。
同時にお墓本体が設置される部分の基礎となる、【基礎石】も据えていきます。
こちらも
レイタンス除去 ➩ 地墨打ち ➩ 穴あけ ➩ 接着剤塗り ➩ 仮設置 ➩ モルタル敷き ➩ 耐震ボルト穴に接着剤 ➩ 本施工
という工程で設置していきます。
ほぼ施工完了。クリ階段の奥の石を設置すれば、外柵石は設置完了です。
更に、固定の金具を設置します。いつものようにいつもの金具です。
上記の強度3倍というスプーン型固定金具。非常に強力なのは、触れば分かります。絶対に曲がりません。
写真下の金具はこれまで業界標準の金具です。上の10ミリのウェッジ式アンカーが私が使っているもの。金具が強力なのに、アンカーが貧弱なら、意味がないので、アンカーも強力なものに変更しております。
友達の石材店さんからお借りした写真ですが、このような鉛を使ったアンカー、使っている石材店さん、まだいらっしゃるんでしょうかね。。。売っているということは。。。
簡単に外れてしまいます。だって、鉛なんだもの。。。外れるよね。。。
というわけで、私はこちらを使っています。
とっても強力ですね。まず抜けませんし、曲がりません。
というわけで、上記の固定金具を18か所、設置しました。見積よりも少ないですが、一部設計変更したので、数が変わりました。
これで外柵石は設置済みです。お墓本体は施工できます。副碑と灯ろうはまだ基礎部分がないので設置できませんが。。。
で、この後、この工事の一番の難所、山の上からお墓を降ろして来ます。