兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

お墓の裏にブロック塀の秘密

    
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お墓の裏にブロック塀の秘密

田舎のお墓の場合、多いのが、後ろが山だとか、斜面で草が生えているなどの時、

ブロックを積む仕事が多いです。

そんな時、気を付けてください。後悔するかもよ。


◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


お墓の後ろが草だらけ。これを何とかしたいというリフォーム、実は多いです。特に私の住む豊岡市などの田舎の墓地。お墓が段々畑みたいになっていて、後ろが斜面で草が多い。だからブロックを積んでほしいというご依頼。

今やっている、リフォーム工事。

リブブロックという普通のブロックです。ホームセンターでも売っている場合がありますね。3段積みでその上に笠石というブロックの天場をカバーするブロックが積んであります。ごくノーマルのブロックです。

この中はどうなっているか、と言うと。。。

ブロックの厚みは12ミリ。その間にすき間が空いていて、ブロックの真ん中と両端に上から下へ貫通した穴が開いています。そこに鉄筋を通して、下の基礎から一番上まで鉄筋で組んでいます。

見えない部分は赤い線が鉄筋が組んであると考えてください。上と下、そして、基礎の鉄筋とも組んで結合しています。

更に完成したブロックの中身は。。。

赤い線が主に縦をつなぐ鉄筋。黄緑の線は横をつなぐ鉄筋です。このように、縦にも横にも結束していて、全体で一枚のブロック塀のようになっています。昔のブロック塀は鉄筋が入っていない場合もありましたが、現在は鉄筋のないブロック塀など、ありえません。このように鉄筋を組むのがあたりまえになっています。通常偶数段に横筋を組むのですが、3段なので、3段目にも組んであります。少々のことでは倒れたりはしません。

しかも、下の基礎コンクリートとも一体になっているので、通常のブロック塀よりも更に強固です。

でも、どんな場所でもこのブロック塀を作っていいわけではありません。

これは、ブロック塀の裏側。墓地裏の斜面とブロック塀は完全に分離しています。

つまり、後ろからの土圧(土の前に押す力)を受けない場所なので、このようなブロック塀を建てています。実際、この墓地は笹がひどく茂っていて、地下茎がすごいことになっていました。それで、墓地裏の斜面が崩れている形跡はほぼなかったので、通常のブロック塀にしました。

ブロック塀ではダメ

こちらの写真はお盆前のお墓のリフォーム工事の写真です。よく見ると分かりますが、こちらは通常のブロック塀ではありません。穴が大きくて、たくさん開いていますね。こちらは「擁壁ブロック」と呼ばれるものです。

一番上のものが「リブブロック」通常のブロックです。
真ん中と下が「擁壁ブロック」と言って、特殊なブロックです。厚みが150ミリと分厚く、穴が大きいです。しかもすべて穴が開いています。

リブブロックには、鉄筋は10ミリの鉄筋で組みます。その周りには、モルタルと言って、セメント+砂+水で作ったものを流し込みます。鉄筋と一緒に固まり、強固になります。ただコンクリートよりも強度は弱いです。

擁壁ブロックは穴が大きいので、13ミリという太い鉄筋で組みます。更にその周りにはモルタルより強度が高いコンクリート(セメント+砂+砕石+水)で穴に流し込みます。全体的にコンクリートは入るので、コンクリートで作った擁壁に準じるものになります。

こちらが完成した写真ですが、こちらはむしろ「土圧(後ろの土が流れてきて壁を押す力)」がかかる前提での擁壁ブロックです。土のうを積んでいるのは、可能な限り土が擁壁ブロックにかからないように土留めとして設置していますが、将来的には土が流れ込んで擁壁ブロックを押し出す力がかかる前提で作っています。

こちらは、土が後ろに流れ出て、壁を押す前提なので、「擁壁ブロック」にしました。

「擁壁ブロック」と「ブロック塀」。見た目はそんなに違わないですが、中身は全く別物です。