Q262~お墓の意味って何?②(トリセツ⑨)
② 死者との対話の対象としてのお墓
人って、多かれ少なかれ、周りの人に何らかの形で依存しております。
(どこかで書いたフレーズだな。。。(^_^;)
テレビで、殺人事件が起こった、とか
交通事故で誰かが亡くなった、とかなら
ほとんどの方が、ああそうなのか、と思う程度で
ほとんど日常の風景と化していますが、
ご近所の知っている人が亡くなったら、多少の何らかの感慨が
あります。
小さいころ、かわいがってもらったな、とか
あのおじさん、無口で怖かったな、とか。
それが家族なら、なかなかそれだけではすみません。
心にぽっかりと大きな穴が開いたような気分になり、
なかなか普通の生活に戻ることができないこともあります。
その状態を、グリーフというそうです。
その状態を癒そうとする行為、こと、モノを
グリーフケア、というそうです。
日本人が亡くなって、
その後の通夜、葬儀、初七日からの一連の法事、儀式は
実は、グリーフケアの意味合いが非常に大きいのです。
いくつも、いくつも儀式を通過儀礼を経ることにより、
心に空いた大きな穴が徐々に、徐々に癒されて、
埋められていく。
上げ法事(最後の法事。通常、三十三回忌や五十回忌)の頃には、
すっかり心の整理がついて、亡くなった人との距離も
適度になっている、ということ。
その中で、お墓も実は、グリーフケアしてくれるモノ
施設として、存在しているわけです。
亡くなって、もう話すこともできない。
もう、顔を見ることもできない。
いたはずの存在が、この世から消滅して
どこを探しても、もういない。
この感覚は非常に辛く、悲しく、寂しいものです。
これは、人間だけではなく、動物も同じでしょう。
それをなんとかしたい。
そのこの世からいなくなった存在ですが、
その唯一の残ったものが遺骨、焼骨です。
それを、確実に、しっかりと守ってくれているのが、
お墓なのです。
唯一、この世と、亡くなった人とをつなぐ場所。
お墓で、お墓の前での会話というのは、
「ただの自問、自答じゃないか」
と思う人も多いかもしれません。
確かにそうです。
でも、
人間の潜在意識というのは、
とてつもない量の情報の塊だそうです。
亡くなった人から聞いた話、姿、しぐさ、行動、
全て忘れ去って、思い出すこともできないことが
その潜在意識にストックされていて、
普段は、それを取り出すことは不可能なのですが、
唯一、
お墓の前で、問いかけた時だけ、
その膨大な潜在意識とアクセスできて、
想像もできなかった答えが自分の中から出てくる。
そういうことなのかもしれません。
なんだか、よくわからない話になってしまいましたが、
お墓、その前での会話というのは、
亡くなった人と自分との唯一の場所なのだと、
思われます。
実は、亡くなった父との会話の中で、
このことに気づいたんです。
その一文です。 (→「父のお墓」)
さらに、お墓、お墓参りには特別な効用があるようです。
③ お墓、お墓参りの効用