「庵治石のお墓」を作り続ける庵治牟礼(その1)
バスに乗って、一路、庵治の大丁場へ
曇り勝ちですが、悪くない天気ですね。
石を採掘している場所を俗に「丁場(ちょうば)」といいます。
高級墓石材を採掘しているところもあれば、
建設資材のような石を採掘しているところもあります。
正面に見えるのが、大丁場。大丁場の「大」は
大きいという意味ではなく、「大久保家の丁場」という意味??
ではないかと、勝手に推測しておりますが、
大久保家の土地であり、大久保さんが地主さんで、
そこで採掘しているのが、小作さん、となります。
そして、毎年、年貢を納められている、とのこと。
年貢ですよ。
年貢。。。
まあ、名称はクラシカルではありますが、借地料、ということですね。
その大久保さんが経営する「大石産業株式会社」の横を通って、
大丁場の中へ。
はい、よく見えませんが、
「ここからは、大久保家の土地なんだから、
関係ない人は入っちゃダメ」
的なことが、書いてあります。
オオクボエンタープライズ。
大丁場の管理会社です。
7年前は、こんな感じだったんですが、ちょっと雰囲気違うのかな。。。
まあ目的地が違いますからね。
今日は、「田渕石材株式会社」の丁場へお邪魔します。
前回は、「有限会社太田秀雄石材店」でしたからね。
ちなみに、ここから上は
トイレがない、のです。
山の神様の聖地なので、おトイレは下界で済ませておきます。
トイレの近い人はややつらい。。。(^_^;)
それから、お正月は山の神様の祀りの終わる日までは
一切の仕事はしないそうです。
古くからのしきたり、慣習は頑固に守られているわけです。
丁場に到着わーい\(^▽^)/
最も良質の庵治石が採れる場所、庵治石「大丁場」
その中でも、最高品質の庵治石が採掘されることの多い
「田渕石材株式会社」の採掘場です。
遠目からみると、なんだかキズだらけで、
こんなところから、ちゃんとしたお墓の石が採れるのかな~~って
すごく心配してしまいますが。。
しかし、よく見て下さい。
手前のCAT
その左手の小さなCAT
さらに、採掘場の中腹、小さくて見にくいですが、
小さな重機が二台、いますよね。
こっちの方が見やすいかな。。。
いかに、大きな石の山かが、分かります。
私が死ぬまでにこの山がなくなることは、100%ありませんね。
会いたかった人に
とりあえず、ご挨拶と注意事項から。。
まずは、田渕社長@青ヘルメットから、と思いきや。。。
隣の人が、いきなり挨拶を始めましたよ。。。
って、
。。。
。。。
「大久保です」
ご本人、でした。。(汗)
いきなりで、ドキドキの瞬間。
7年前はご都合が合わず、お見掛けできなかったのですが、
目の前に。。。(^_^;)
オオクボエンタープライズの代表であり
大久保家第17代当主でもあられる大久保一彦さんです。
ちなみに、字は違えど、私も同じ「かずひこ」です。
(まあ、たまたまですけどね。。。とりあえず言ってみた(^_^;))
大久保さんのプロフィールはこちら。。。
→→→「庵治石ブランドを次の世代に」
でも、なんか、緊張です。。。
(なんで緊張するのかは、自分でもわかりませんが。。。(^_^;)
庵治石の採り出し方
引き続きまして、実際に石を採掘する工程をご説明頂きます。
こちらが、田渕社長@ブルーヘルです。
写真のように、削岩機という穴を開ける機械をつかいます。
岩盤の採りたいラインに削岩機で深く穴を開けていきます。
こんな感じですね。簡単そうに見えますが、
非常に根気と力のいる仕事です。
音も半端ないので、耳栓は常時使用しないと、おかしくなります。
はい、私です。
こんな大きな岩状態の
でも、庵治石の塊を採りだします。
このたくさん開けた穴に
「黒色火薬」を詰めます。
ちなみに
「下瀬火薬」は日露戦争で日本軍が開発した当時世界最新鋭の火薬です。。。
(関係ないですが、ふと「坂の上の雲」を思い出したので。。。(^_^;))
この「黒色火薬」を燃やして、その破壊力でこの岩盤の様な岩を下の部分と分離して、
浮かせる、のです。
そのことで分離し、採りだします。
黒色火薬とたまに
「ダイナマイト」も使うらしいですが、
ダイナマイトは高額で、
しかも、爆発の力が四方八方に広がるので、
採りだしたい石が粉々になってしまうので、
主に、黒色火薬をつかい、
場合によっては、ダイナマイトも使う、とのこと。。
マニアックな火薬雑学でした。
ほとんどの人にとっては、意味のない情報ですが、
採掘している人にとっては、大変ありがたいモノなのです。
後日ご紹介しますが、火薬を使わない丁場は
それはそれで、大変なんです。。。
その後、採りだした原石が大きすぎて、
運べないので、運べる大きさに割る作業です。
これが、熟練と経験がないと絶対にできない作業です。
◆ 「庵治石のお墓」が建てたい!!(その2)
◆ 「庵治石のお墓」が建てたい!!(その3)
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