「庵治石」生み出し作り続ける大丁場(その2)
さて、白瀬火薬、ではなかった黒色火薬で岩盤からむしりとった庵治石の塊。
(白瀬火薬ではなくて、下瀬火薬でした。。。そこ間違うか。。。)
でも、まだ大きくて、運ぶのが大変です。
しかも、庵治石は非常に傷とかムラとか、ナデとか
とにかくいろいろお墓にとっては都合の悪いものがたくさん含まれています。
それらをすべて取り除いて、残ったものがお墓の石として、出荷されるのです。
なかなかに厳しい庵治石の世界。
で、まずは、採り出した石を割ります。
前回の岩盤は、さすがに割ることはできないので、
予め用意したもので行いたいと思います。
(料理番組的、段取りですが...(^_^;)
先ほどの水平に岩盤に穴を開ける削岩機よりも、ミニーな
掘削機で、割りたいラインを見つけて、穴を開けていきます。
どこに開けてもいいわけではなく、
この穴開けの位置決めは
非常なたぐい稀なカンと
山石屋の経験に裏打ちされていないと、
「てめ~~どこに穴開けてやがる!!」
「これで、1000万円の損だ~~。一生タダ働きしやがれ!!」
ってことになっちゃうんです。
何事も職人の世界は実力本位ですからね。
10年は年期が必要でしょうね。。。
(いや、たぶんですが...(^_^;))
で、割っている様子です。
これが何億年と地中に埋まっていた庵治石が初めて
空気に触れた瞬間の様子です。
58秒あたりで、石が割れてます。
その石の割れる音をしっかりと、ご確認ください。
この面はたった今、
生まれたんです!!
あまりの感動に、涙で前が見えない。。。私ですが、
職人さんは、ベテラン産婆さんのごとく、
やるべきことを淡々とこなして行きます。。。(^_^;)
割った面に水を掛けていきます。
これは、石の面を確認しているんです。
石に水を掛けると、表面の状態が良くわかると共に、
磨いた後の状態に近い、色になります。
つまり、
お墓になった後の状態を確認できるわけです。
このように、日本だけではなく、世界中で
お墓の石を採掘している場所では、このように
水を掛けて、色と傷がないか、確認しておるわけです。
万国共通。
石の見方、というわけですね。
素晴らしい面ですね。。。
うっとりします。。。(^▽^)/
でも、これが全部お墓の石になるわけではないのです。
はい、上の写真を拡大してみました。
この石、どこが使えない部分でしょうか?
この赤枠の中に、キズがあります。
お墓に使えない部分です。
半分くらい、使えないんですよね。
こっちは、使えそうな部分。。。
キレイですね。
美しいですね。
見事な斑(ふ)が出てますね。
庵治の細目の特上品です。
素敵です。
生まれたばかりの庵治石の割肌。
ホントに青くて、美しい。。。
しかし!!
まだ、安心するのは早い!!
これで、できると思ったら、甘過ぎる!!
大あまちゃんだ!!
もう一面、割ってみないと、使えるかどうかは
分からない。
奥から手前向きに傷があるかもしれないんです。
。。。
。。。
あまりにご無体な。。。
そんなことって!!!
けっこう、あるそうなんです。
庵治石の厳しさ、半端ないです。。。
さらに、その厳しさが
更に想定外の厳しさだということを
後で知ることとなります。
※ 文中で「キズ」と表現しておりますが、正確には、キズではない部分もそう表現しております。
石についてあまりご存じでない人も良くわかるように、一律キズと表現しております。
ただ、いずれにしてもお墓の石には使えないので、結果は同じです。ご了承ください。
◆ 「庵治石のお墓」が建てたい!!(その2)
◆ 「庵治石のお墓」が建てたい!!(その3)
◆ 「庵治石のお墓」を作り続ける庵治牟礼(その1)
◆ 「庵治石のお墓」を作り続ける庵治牟礼(その2)(←この記事です)
◆ 「庵治石のお墓」を作り続ける庵治牟礼(その3)