兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

「お墓の防草工事」6つの手法

 

<お墓の防草工事6選 目次>

1,固まる土~ガンコマサ

一番リーズナブルな価格で出来る手法が、「固まる土」を利用した防草工事です。
見た目はほとんど土なのですが、非常に硬く固まり、割れたり、ひび割れたり、隙間からという場合を除き、草が生えてきません。

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おおきた石材店が利用させてもらっているのが、この袋に書かれている名称。「スーパーガンコマサ」という商品です。正確には「スーパーガンコマサ」~コケ、カビ抑制仕様~といいます。地面に均一に均し、ローラーで押さえて、その後、シャワー状の水をかけます。水を掛けることで強固に固まり、草が生えてこないようになるという仕様ですね。

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施工直後は土色ですが、とても美しい状態になります。しっかり水を掛けて、ローラーで固めるとかなり強固に固まるので、人が歩く程度では全く影響がありません。下地もしっかりと踏み固めると、車でも通ることができます。

ですが、この固まる土も弱点があります。コケやカビが生えやすいということです。

以前の「スーパーガンコマサ」は湿気が多い墓地などはすぐにカビやコケが生えてきました。現在のコケ、カビ抑制仕様は以前のものよりも生えにくいですが、それでも絶対ではありません。湿気の多い、じめじめしている墓地には避けた方が無難です。また、コンクリート程の強度がないので、表面が剥離して、剥がれてきたり、出隅のような部分はすき間が出来て、その隙間から草が生えてきたりします。万全ではないのですね。

固まる土の舗装材は扱いがたやすく、施工も簡単ですが、表面にカビ、コケが生えやすく、そうなると見た目が汚くなってしまいます。
また、コンクリートより強度が落ちるので、ひび割れ等に注意が必要です。代替品として、コンクリートの施工をお勧めします。色を混ぜると土に近い色にもできます。
今日は、たぶん一番人気、というか、皆さん一番興味があるこれです。

2,樹脂舗装材~ファイバーレジン

私の記事を普段読んでいてくれる方は「ファイバーレジン」といった方が分かりやすいかもしれません。

ファイバーレジン1

こんなのです。一見化粧砂利が入れてあるように見えますが、がっちり固まっております。はい。しかも色が濡れ色。雨上がりではなく、いや、雨上がりだろうと、乾燥注意報が出ている日だろうと関係なく、濡れ色なのですね。

非常に分かりやすく言いますと、固まると透明になる接着剤ってありますよね。あれにこの化粧砂利を混ぜて、墓地の中に流し込んだ、という感じなんです。いろいろな色の化粧砂利が使えますし、見た目がすごく美しい。しかもがちがちに固まっているので、こぼれだすということがない。

この工事がしたいという人の一番の要望は「この美しさ」に惹かれて、うちにもしてほしい。。。

おかあさん

という、女性の方、多いです。「ファイバーレジン」ファンの会会員№5番、みたいな方ですね。それはそれでいいです。美しいものにあこがれるのは人の常ですね。豊岡市でも今すごく増えております。この「樹脂で固める」舗装材。すごく多いですね。でも、私は実はこれ、お奨めしておりません。はっきりと申します。お勧めできません。
(大事なことですから、2度言いました。)

色々と理由があります。たくさんあります。一個一個説明します。

 耐久性(対候性)が低い

この舗装材、おおきた石材店は「ファイバーレジン」という商品を使っています。でも、実はこのファイバーレジン、とっても高価なのです。高価なので、多くの石材店さんは違うメーカー品を使っています。そっちの方が安いです。しかも施工も簡単。工事も早い。

「じゃあ、そっちの安い方を使えばいいじゃないか!!」

(久々に出てきました。怒りっぽいおじさん)

安いモノには、安い理由があり、高いモノには、高い理由があるのです。実はおおきた石材店も安い商品を使ったことあるのです。昔ね。それで、よくわかったのですが、
樹脂が全然違うのです。安い商品の樹脂はホントに簡単に剥離してしまいます。でも「ファイバーレジン」はホントにしつこいです。。。(この表現、わかりますかね。。。)

施工していると、素手でコテとか使うと、手のひらに樹脂が付いたりするのです。それが汚れて手のひらが黒くなります。お風呂に入ろうが、強力洗剤で洗おうと、4日以上、落ちません。。。コテとかスコップとかに付いた樹脂はまず通常のやり方では100%落ちません。作業服についてしまったら、永久に落ちません。

樹脂自体の性能がかなり違うんだと思います。何しろ、高いですから。他のメーカーの樹脂は数回しか使ったことないので、正確には分からないですが、実感として、耐久性はいくらか劣るのかな、って思っています。(私の個人的感想です)じゃあ、ファイバーレジンの耐久性はどうなんだ、となります。

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こちらは、おおきた石材店の入り口に施工した「ファイバーレジン」です。手前の赤い部分はもうすぐ10年くらいになるもの。剥離はしてないものの、光沢は全体的に落ちています。まだ残っている部分もありますが。

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写真左の黒や白が混ざった部分と真ん中の白ぽい部分はまだ5年経過しません。こちらは、まだまだ濡れ色がしっかりと残っていて、問題ない状態です。この部分は「ファイバーレジン」をマニュアル通りに施工したものです。直射日光がダイレクトに当たる部分ですし、冬は雪の中に埋まってしまいます。道路沿いなので、排ガスなども影響しているはずです。一番過酷な状況ですが、10年程度は耐用年数があると思います。

ですが、他のメーカーの製品はどうなのか?

豊岡市内には多く「樹脂で固める舗装材」を墓地内に施工されていますが、酷いものは数年、5年以内に光沢が完全に落ちてしまっているものもあります。濡れ色が完全に地の色になっていますね。それをよく見ると、いつも陽が当たる部分は完全に樹脂がなくなっているんですが、日陰の部分はまだ光沢つまり樹脂が残っているんです。つまり、紫外線によって樹脂が抜けてしまう。その間隔がおそらく他のメーカーの方が早い、ような気がします。(注意。。。一部のメーカーの「樹脂固め」舗装材を確認したのですが、全てを確認しておりません。中には高性能なものもあるのかもしれません。)耐久性が低い~「ファイバーレジン」でも10年、他のメーカー品はもっと短い可能性もあるということ。

 施工が大変

とにかく施工が大変なのです。大変だけではなく、気を使う。湿気との闘いなのです。この舗装材は。以下、その理由を細かく説明しますね。

冬季は施工しない

おおきた石材店の方針です。施工時に湿気とか水分があると施工不良に直結します。以前、冬に依頼されて、施工現場に天幕を張って、完全養生しても、朝に行ってみると、湿気で完全に濡れていて、バーナーで乾燥させてから、施工、というとんでもない手間と時間が掛かりました。それでも、あの施工は大丈夫だったのかと不安です。表面を乾燥させても、下から湿気が登ってきます。完成後の解体、再施工って一番やりたくない仕事ですから。

下地はコンクリートを施工

これも、おおきた石材店では標準でしています。砕石の踏み固めたものでもいいそうなのですが、下地とファイバーレジンとの間にプライマーと呼ぶ接着剤をファイバーレジンは必ずします。このプライマーが砕石では十分くっ付かないのではないかと思うのです。なので、鉄筋まで入れませんが、可能ならメッシュ筋を入れたコンクリートを下地に施工します。

ファイバーレジンと下地の間に接着剤

上で書きましたが、ファイバーレジンを施工する前に下地の上に接着剤を流布します。プライマーと呼ばれていますが、これが完全に接着剤。ですから、下地が湿気ていると付きません。完全乾燥させないとダメな理由です。冬、雪が降っていたリ、雨が降っていたりすると、もうホントに施工できません。梅雨の時期も、極めて気を使います。湿気が大敵なのです。

炎天下は施工困難

暑い日ならいいのか、というと、そちらでも難しくなります。気温が高いと樹脂が早く固まってしまって、施工が逆に難しくなります。こちらも気を使いますね。少量ずつ混ぜて施工すると時間と手間もかかりますから。

攪拌不足だと施工不良

ファイバーレジンの場合、2種類の液を混ぜて樹脂を作り、それに砕石を投入して、ファイバーレジンを作るのですが、分量がしっかり決まっています。通常のイメージより砕石が少ない感じです。ですから、追加で砕石を入れたいという悪い考えが出てきます。配合が違ってくるので、私はしないことにしています。これが原因で施工不良になったり、樹脂の寿命、耐久性が短くなったりする原因になる気がします。それ以上に、ファイバーレジンの場合、砕石と樹脂の攪拌が十分でない場合、白い気泡が出来て、そのまま施工すると施工不良(見た目が悪いだけで、品質には問題ないはずです)となります。白い泡が出来て、見た目がすごく悪いんです。私はまだ施工始めて間もない頃、この気泡が出来て、その部分だけ、完成後、剥がして、再施工をしたことがあります。攪拌不足はホントに注意しないといけません。

まだいくつか細かいことがありますが、ホントに施工が大変で難しいのです。そして、最後にとてもショッキングなことが。。。防草対策としてするはずなのですが、実は草が生えます。

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コケ、が生えていますね。樹脂もずいぶん、劣化していて、もう砕石が剥がれて来そうな状態です。

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これなど、完全に草が生えてますね。根を張っているので、抜きにくいです。

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これもそう。草が砂利のすき間に入り込んで、隙間から樹木のように値を張り出して、草になったようです。いずれも樹脂が完全に劣化してなくなっているように見えます。このように、樹脂がなくなってくると、草が生えだすことがあります。しかも、これはまだ序の口。草がぼうぼうの樹脂施工のお墓もあるのです。こうなると、防草対策とは呼べない気がするのは私だけでしょうか? 樹脂の砕石の中から草が生えてくると、根を張っているので抜きにくいんです。土の中なら簡単に抜ける草も樹脂に根を張ると、上だけちぎれて、根が残り、その残った根がまだ成長して、という具合に草が生えだすわけです。

樹脂舗装材のまとめ

砕石を樹脂で固めるタイプの舗装材。防草効果を期待して工事するのですが、残念なことが多く、あまりいい工事とならないことがあります。但馬地方などは今年は雪が全く降らなかったので、まだ施工できるかもしれませんが、夜間、最低気温が氷点下になる場合も施工不良が起こる可能性があります。また、施工できたとしても、工事完了後、24時間程度は雨に対する養生を必要とします。水分を含んでしまうと、白く濁って残念な結果になることがあります。

ホントに工事の時期を吟味して、天候を考えて、施工時間を考えて、工事後の養生(雨対策)を考えて、ホントにたくさんの条件が必要です。しかも下準備も時間が掛かります。その上、10年くらいしたら、リフォーム工事、つまり樹脂を継ぎ足す工事をしなくてはなりません。割に合うか、どうかという話です。私は敢えてこの防草対策を施す意味はない、と考えますがあなたはどうですか。それでもやってくれ、と言われたら、やりますが…(^_^;)

ホントにビックリするくらい工事費用が高い設定をしています。それでもやりたくない工事の一つです。おおきた石材店ではお勧めしない防草工事の一つ「採石を樹脂で固める舗装材工事」でした。

3,石張り施工~高価なのが欠点

これは今のところ最も確実で、間違いない方法です。草はほぼ生えてきません。耐久性も高いです。目地切れで草が生える可能性がわずかにありますが、下地がコンクリートなので、生えたとしてもほんの僅かです。ただこの方法にも2つの欠点があります。

「やっぱ、あるんだ。。。欠点が。。。」
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はい、ありますよ。

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1つは、板石を張るわけですから、その板石が磨きなら、滑るし、滑り止め加工されていると汚れが付きやすい、という欠点です。こればかりはどうしようもない気がしました。磨きの石は滑りやすいので、危険です。多少汚れても滑り止め加工は必須ではないでしょうか。

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とはいっても、やっぱり汚れるのはどうなのか?? そこは今いろいろ試行錯誤しているところです。いいものが見つかったら、また報告します。
(追記 「汚れにくい滑り止め加工」ができるようになりました。「防滑タフグリップ」というものです。汚れが付きにくいし、滑り止め効果も高いです。リフォームにも使えますよ)

そして、もう一つの欠点。それはずばり、「値段が高い」です。

樹脂系の舗装材の時も書きましたが、下地にコンクリートを施工します。コンクリートをすれば、二度手間となるので、どうしても高価になってしまいます。場合によっては、樹脂系よりも高価になる場合もあります。

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でも、仕上がりは美しいですよね。しかもそれが長続きします。美しいのはわかる。すごくわかる。美しさは価値ですからね。でも費用は限られる。そこをどうするか、ですが。下地のコンクリートをするなら、いっそそのコンクリート仕上げにしてしまったらどうですか? という提案が次の「コンクリート土間仕上げ」(四番目の方法)です。

4,コンクリート土間仕上げ~汚れやすい

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これらの写真はコンクリート土間仕上げです。やはり石から見ると多少落ちますね。見た目が。それに、耐久性も石より落ちます。表面が黒ずむこともあります。費用が安いのはいいけど、やっぱりお墓の大事な部分にコンクリートって、どうなの?

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そういうあなたのために、おおきた石材店一押しの防草化の切り札が、これです。「コンクリート+化粧砂利」仕上げです。

5,コンクリート+化粧砂利仕上げ~落ち葉が多い墓地以外はお勧め

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昨年の秋に完成したお墓ですが、手前の化粧砂利。那智石(フィリピン産)の部分ですが、

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中はこうなっています。コンクリートが前面に施工しています。(水抜きの穴を開けているので、水が溜まることはありません)

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はい、こんな感じですね。これは、石張り工事の美しさ、土間コンクリート工事の費用の安さ、その中間をとった、いいとこどりの方法です。この方法の唯一の欠点は、落ち葉が多い墓地には不向き、ということ。これは私も分からなかったんですが、落ち葉が多く、こまめに落ち葉を取れたらいいんですが、そのままにしていると、積もった落ち葉が腐葉土となって、草の生える土壌と化します。年に2,3度お墓掃除して、そのたびに落ち葉の掃除ができるなら、まったく問題ないですが。

では、お宅では一番何を進めているの?

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おおきた石材店では5つくらいの「防草工事」の方法をご提案していますが、現在、新しいお墓を建てる場合、この「石張り」による防草化という手法と「コンクリート施工+化粧砂利」という手法のいずれかが人気があり、工事を実施しています。通路に関しては、コンクリート土間仕上げ、という方法もとります。費用的な問題ですが。さて、この3種類(実質2種類)の方法が決定版であったんですが、もっと別のものが現れました。それを最後にご紹介します。これがなかなか優れものです。

6,大型新人の予感「グラベルフィックスプロ」

一度施工してみたんですが、「防草化」を目的にした施工なら、下地に別の「防草シート」を敷いた方がベストなようです。広い面積を防草化したい場合、有効かもしれませんね。

「グラベルフィックスプロ」

重機が上を載っても大丈夫、だというのがセールスポイントですが、下にある膜が防草効果を保持するらしいのですが、あまり耐久性がありそうに見えないので、更にその下に防草シートを敷くことが必要となるようです。

7,まとめ

5種類?6種類?の草の生えないお墓の工事の仕方を紹介しました。その中でおおきた石材店のおすすめも「石張り」か「コンクリート+化粧砂利」とご紹介しましたが、これはあくまで一般論です。落ち葉の多い墓地、雑草が良く生える墓地、芝や竹が茂る墓地、湿気が溜まる墓地、後ろに木が茂っていて日当たりの悪い墓地など、その墓地の条件によって、ほんとにお勧めできる方法が変わってきます。どの方法がベストか、というのは一般論なら言えるのですが、あなたの墓地にベストな方法は、実際に墓地を見てみないと何とも言えないというのが正直なところです。

「草が生えないようにしたい」というご要望、おおきた石材店にご相談ください。30分のお時間を頂ければ、電話にてお応えさせていただきます。

この電話は直接、私のスマートフォンにつながりますので、他のものが出ることはありません。ご安心ください。まだわからない、納得できないことがもし仮にあるなら、私に直接、お電話ください。どんなことでもお応えいたします。でも、ご心配なく。電話番号が分かったから、後から営業電話を掛ける、というようなことは一切致しません。強引な営業を掛けるということも決してしません。

なぜなら、そういうの、私が一番嫌いだから。絶対にしてほしくないから。しかも時間の無駄だと思っているから。そんな時間があるなら、ホームページに記事を一つ書いた方がいいから、です。

ここまで読んでいただいたあなただけへお届けします。完全無料のお墓に関する無料電話相談ダイヤルです。スマホからご覧のあなたは、下の「電話 相談」と書かれた部分をクリックしていただけたら、私のスマホに繋がるようになっています。移動中、作業中の場合、出られないことがあります。どうか時間を空けてもう一度ご連絡ください。知らない番号で着信があった場合はこちらからかけ直すこともありますが、それ以上の営業活動はご了承がない場合、しませんので、ご安心してお電話ください。

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