四十九日までにお墓を作って欲しい
「四十九日の法要までにお墓を建てて欲しい。」
と 時々、そう言われる時があります。
忌明あけ(きみあけ)と言って、通常、この日に
法要をして、遺骨を自宅からお墓に移すのが
普通の流れなのです。
お墓がすでにある場合は、そのまま納骨となるんですが、
お墓が無い場合、どこかに預けておかなくては
ならないので、それまでにお墓を建てて
その日に納骨したい、と思うのは
分かります。
でも、
基本的に、私は無理だとお伝えします。
時間的に、かなり厳しいスケジュールになるからです。
それでも、
どうしても納骨したいんだ、と仰られる場合、
「形、デザインなどは選ぶことは出来ません。
予算で出来るお墓、としかお約束できません」
とお伝えします。
実際、かなり制限されます。
デザイン墓などはほぼ無理です。
展示しているものは可能ですが、
そうでない場合、ほぼ無理です。
和型の場合、オリジナルで製作しているものも
実質、無理です。
一番ポピュラーな、規格型、
関西なら、神戸型、大阪型などは
可能な場合もあります。
ただ、サイズは10号以下。
9号、8号などは可能かもしれません。
10号以上は出来ません。
どういうことかというと、
どこかにすでに完成(文字を彫れば完成)な状態にある
お墓の石があるなら、建てることはできますが、
今から製作するお墓は、基本的に無理です。
車で例えるなら、
最もポピュラーな色、形。
色はシルバーか、白、
オプションはなし。
グレードはベーシック。
このようなものなら、どこかにありますが、
多少、自分好みにカスタマイズしようと思ったら、
この期間では無理だと言うことです。
それだけではありません。
お墓を建てるときは、
いろいろなことを決めなくてはなりません。
いろいろなことを相談しなくてはなりません。
時間がかかるんです。
まず、
◆ お墓のデザイン。
和型なのか洋型なのか、
あるいはデザイン墓なのか。
(時間があまりない場合はこれは選べません、とは
先ほどお伝えしました)
それは、誰が決めるのか。
(あるいは誰に相談して決めたら後から不満が出ないのか)
◆ お墓の石の選定
◆ 家紋は何か。
分からなければどこへ行けば分かるのか?
◆ 戒名(法名)碑には、何人の方の戒名を刻むのか、
あるいは、刻まなくてもいい人はいるか?
◆ 古いお墓と過去帳、位牌で戒名が違う人がいた場合、
どれに合わせるのか?
◆ お墓の前の文字は何にするのか?
◆ お墓の裏に刻む人の名前(施主)は誰にするのか?
(あるいは刻まないのか?)
これ以外にもたくさん決めるべきことがあります。
それらをしっかりと決めなくてはお墓は出来ません。
それらを同時並行に決めながら、お墓を作っていくんです。
あまり期間がないと、見落とし、不手際、などが出て来ます。
更に、
お墓は施工(建てる工事)が必ず付いて来ます。
お墓の施工は非常に大事です。
雨降りは基本的に工事を行ないません。
お墓の石は濡れると非常に滑りやすくなります。
しかも、
最近のお墓は接着工法なので、石が濡れていると
施工不良、となってしまうんです。
コンクリート工事も雨の中では不向きです。
場所のいい墓地ならいいですが、
山の上、森の中、川を渡ってその先、
といろいろな場所にお墓がありますから、
その間の輸送にも細心の注意が必要となります。
様々な要因があって、
それでも、法要に間に合えばいいですが、
間に合わなければ、
工事中のお墓にお参り、と言うことになります。
これだけは避けなければなりません。
こういったいくつもの要因が絡むので、
時間のないお墓の建立は
避けたほうがいいのです。
お寺さんによっては
「四十九日法要のあとに納骨をされた方がいいですよ。
焦ってお墓を作ってもいいことはありません。」
と言っていただけるご住職もいらっしゃります。
私の個人的な意見ではありますが、
お墓つくりにはじっくりと時間をかけたほうが
後、振り返ってみても、
いいお墓が出来る、と思いますよ。
私の個人的意見ではありますが。