【お墓の移転】は意外と手間がかかる
こんばんわ。
兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店、大北和彦です。
小さめなお墓ですが、お隣り、京都府の福知山市からお墓を持って帰ってきて、豊岡市森地区に設置する工事しております。
で、持って帰ってきた石ですが、「お墓を右から左へ運ぶだけだから、費用なんて掛からんでしょ」
と、思ったあなた。そうあなたです。素人の浅はかさ、です。
お墓の移転って、実はすごい手間がかかるんです。中には「新設のお墓の3倍の手間がかかる」とおっしゃる石材店さんもいらっしゃいます。3倍ですよ。3倍。どうしてそんなにかかるのか? 新しいお墓の石はそのまま施工できるんですが、建っていた石は基本、古い接着剤が付着してます。それをまずそぎ落とさないと、施工不良になってしまいます。実は大変な、見えない手間がかかるのです。
遠目にも、汚れているのが分かりますね。手前の水鉢の石(手前左)とその水鉢の台になる「水板」という石ですが、どちらもずいぶん汚れています。これらの汚れを落とさないと、施工不良になります。そして、汚れている石をそのまま据えるのも、心情的にもあまりいいものではありません。
左上が戒名碑の足が二つ。その右がその足が乗る戒名碑の台。左下がお墓正面のお供え物を置く供物台。その右の長い石が二つあるのが、花立の石です。戒名碑の台の上には戒名碑の足が固定してあったであろうノロ(セメントと水、接着剤を練ったもの)が固まったもの。これを全てそぎ落とさないといけません。
上の写真の上、供物台の裏側にも同様にしっかりとノロの固まったものが付着しております。これもすべて取り除きます。花立の石も表面をきれいに掃除して、裏面を掃除。とにかく、石の表面の掃除と下面の付着物の切除。これを全ての石に施さないと、再び施工できません。とにかく建てるまでにいろいろすべきことがあります。
そして、もう一つ。「お墓あるある」
この花立石は通常、固定されていません。納骨の時、動かした方が納骨しやすいのと、掃除の時も動かした方がそうじしやすいから、です。動かしやすいというのは、動かなくてもいい時も動く、ということ。ということで、花立石ほど、石のカドが欠損している石はない、です。