兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

土葬のお骨は掘り出すべきなのか?

    
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土葬のお骨は掘り出すべきなのか?

土葬のお骨はどうする?

「田舎のお墓あるある問題」なんですが、野墓地、つまり山の中とか自然の中に建っているお墓、けっこう多いです。

理由は、いくつかありますが、その一つ。「土葬のなごり」です。便利な場所だと、土地が狭くて、広い墓地を用意できない、という理由があると思います。

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(※ 土葬に使われる棺桶は上記のタイプではなく、丸い桶タイプが多いですね)

土葬とは、棺桶にご遺体を納めて、家のお墓の地面を1.5~2m前後穴を掘り(墓穴ってやつ)、そこに埋めて、上に土を戻して饅頭型に盛り土しておいて、その上に簡易な社とか、木の墓標などを建てておく、という葬法なのですが、これ、全く同じ場所に墓穴を掘るということができません。掘ってみると、あ、おばあちゃんのお骨が出てきた、ってなってしまうので。

そこで、隣の、ある程度離れた場所に穴を掘って、土葬。となるので、田舎の歴史のあるお墓は極めて広いお墓の広さがあります。

一族みんな土葬しなくてはならなかったので、広い墓地が必要だったのです。

火葬の時代の「土葬のお骨」の扱い方

そういうお墓も時代の流れとともに、「火葬」の時代となり、広い墓地は必要なくなり、管理も大変なので、お墓をコンパクトにしようとなります。そういう場合、「お骨の改葬」ということが必要となります。土中深く埋葬されているご先祖様のご遺骨を掘り出し、お骨が出てきた場合は「火葬」仕直して、もう一度、新しいお墓に埋蔵する、という手続きです。

土の中に遺体を埋めると、すぐ土に還る、と思われている人もあるかもしれませんが、意外と長くお骨だけ残っていることがあります。土の質(酸性土かアルカリ性が強いか)によっても、かなり違います。通常、日本の国土は「酸性が強い土壌が多い」と言われていて、比較的早めにお骨が土に還ってしまうことが多いのですが、稀にアルカリが強い土地もあり、そういうところはけっこうなお骨が出てくることがあります。大腿骨と言って、人間の体の中で一番大きな太もものお骨がそのまま出て来たり、頭蓋骨が出てきたこともあります。(おおきた石材店調べ)

意外と土葬のお骨の掘り出しは費用が掛かる

しかも土葬の穴の位置がなかなか特定しずらいので、土葬の骨出しはけっこう大変で、費用もかなり掛かります。場所によっては、10万円くらい頂くこともあります。最初は機械(重機)で掘削しても、最後はやはり人力で掘りたいですから。(機械だと遺骨がバラバラになってしまうかもしれないので)

時として、同じ場所(墓地)に建っていた古いお墓をなくして、新しいお墓を建てるのだから、改葬(ご遺骨の掘り出し)は必要ない、という考え方もあります。

しかし、私は可能ならば、お骨の取り出しはされた方がいいと考えます。

以前(土葬の頃)のお墓は「ここに土葬の方が埋蔵されていますよ」という印がお墓だったのです。でも、今(火葬時代)はお墓とは「ご遺骨(焼骨)を埋蔵する」ための埋蔵施設、と呼ぶ方が正しいです。墓石の役割が「土葬」の頃と「火葬」の時代では違うということです。

ですので、基本的に「土葬」された遺骨は、火葬時代のお墓を新たに建てる時は、「土葬」のお骨を改葬(掘り出し)して、「火葬」仕直すなりの手続きを経て、お墓の中に埋蔵されるべきだと思います。

以前はそういう考えでしたが、最近は、少し考えが変わってきました。

最近のおおきた石材店の方針

火葬しなおすと、土に還りにくくなるから、です。本来、土葬とは「大地に還るための葬法」だったはずです。そういう目的で土葬されたはずです。更にそのご先祖様がそうだったように。

それをわざわざ土から掘り出し、斎場で焼き直して、またお墓に納める。しかも今のお墓は土にはほぼ還りません。もともとご自身の墓地だった土地(ご先祖様が眠っている場所)ならば、そのまま土中に埋葬されている状態で安眠を敢えて妨げる必要はないのではないかなと。。。
(それ以前のご先祖様と一緒だし。。。)

もちろん、その土地を離れて、別の場所に行くということであれば、また考え直す必要がありますけどね。

ちなみに、

全く同じ場所にお墓を立て直すためにお骨を取り出す場合、「改葬許可手続き」は必要ありません。

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先日も改葬のためにお墓に埋まっているであろう土葬のお骨を掘り出しさせていただきました。山の上のお墓だったので、土葬の掘り出しもなかなか大変でした。

費用も馬鹿にならない時もあります。どうするかは最終的には施主様の判断となりますが、必ずしなくてはいけないというものでもないのかな、という感想が最近の私の判断です。

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