兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

お墓じまい基本のキ⑨~3つの落とし穴

    
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お墓じまい基本のキ⑨~3つの落とし穴

さて、お墓じまいの話も最後のポイントに来ました。一番訴えておきたい部分がここです。意外と知らない人が多いんですが、知らないと、あとで後悔することを取り上げておきます。

まず、お墓じまいをするに当たって、法的な手続きが必要になります。

1,法的な手続きの落とし穴

簡単にお伝えすると、


① 今ある墓地(仮に旧墓地とします)の管理者にお墓じまいをすることを伝えて、「埋葬証明書」を発行してもらう。

② 新しい墓地あるいはお骨を受け入れる施設等(仮に新墓地とします)に「受入証明書」を発行してもらう。

③ 旧墓地の市役所に行き「改葬許可申請書」を発行してもらう。

④ 「改葬許可申請書」に旧墓地の管理者に署名、捺印してもらう。

⑤ 3つの書類とその他の必要書類をそろえて旧墓地の役所に提出し、「改葬許可書」を発行してもらう。

⑥ 新墓地の管理者に「改葬許可書」を提出することで「改葬」つまりお墓じまいが可能となります。

まあ、ここまできっちりと手続きしなくてもいい場合がありますが、原則としてこれが必要だということです。

ちなみに、改葬許可申請時に必要な書類は、
①新しい墓地の使用許可証(永代使用許可証)、
②受入証 明書、
③埋葬証明書、
④改葬許可申請書、
⑤死亡者の戸籍(除籍)謄 本。
の5点です。

無断でお墓じまいしてしまい、お骨を永代供養墓へ移そうそしても、「改葬許可証」がないので、お骨を受け入れてくれない、ということがありますので、気を付けて。

2,人間関係のリスク

そして、この書類上の手続きも大事ですが、もっと大事なことがあるのです。それが。。。人間関係ですね。墓じまいはつまり、お墓をなくすことでそれにまつわる人間関係もなくすことになります。

墓地管理者、具体的に言えば、お寺との関係を絶つ、ということ。当然、そこでの人間関係も難しい局面が出てきます。お寺との関係がそれまで密接な関係があるなら、ある程度、こちらの事情も考慮してもらえることもありえますが、疎遠な関係であったならば、どうしてもトラブルとなりやすいですね。

先日の記事にも書きましたが、「改葬許可申請書」に署名、捺印してもらう必要があるため、安易な交渉はトラブルの元となります。十分な配慮が必要となります。(回りくどい書き方をしてますが、察してくださいね。)

人間関係をクリアできても、更に大きなリスクがあります。

3,後戻りできないリスク

「お墓じまい」の最大のリスクであり、最大の欠点は、「一度、やってしまったら、後戻りできない」ということです。これはかなり、大きなリスクです。しかも、意外と知らない人が多い。

「お墓じまい」か。。。試しにやってみるか。。。。

試しにやるのは自由ですが、「やっぱり止めた。元のお墓に戻すよ。」ということが出来ない場合がほとんどなんです。

当然、お墓の石は元には戻りません。そして、お墓の石よりあなたにとって大切であろう、ご遺骨も一度、お墓じまいしてしまって、別の場所に供養したら、もう一度手元に戻そうということすら、不可能である場合が多いのです。

ちょっと考えれば分かりますが、散骨は元には戻りません。海の海洋散骨も然り。樹木葬なども、後から採り出すことがほぼ不可能と考えたほうがいいです。

そして、永代供養墓。お墓じまいの後、お骨の行く先の一番多い、永代供養墓。その場合でも、一度、永代供養墓に納骨してしまった場合、もう一度採り出すことが出来ない場合があります。

これは重要なことなので、しっかりと肝に銘じておいてください。

この永代供養墓と言う名前が誤解を招いているのかもしれません。ずっと今のまま供養し続けてもらえるお墓、だとは限りません。

すごく大雑把に分けて、永代供養墓は以下のふたつに分かれます。

Microsoft PowerPoint - お墓じまい基本のキ-044

わかりやすく区別するためにロッカー型合祀型に分けていますが、はっきり言えば、「他のお骨と一緒にして永代供養します」という供養墓と「一定期間、お骨を預かって供養します」という供養墓に別れます。

他のお骨と一緒にして供養する「合祀型」は一度納骨すると、取り出すことは不可能。これはわかります。シンプルです。

一定期間、お骨を預かって供養する「ロッカー型」は(ロッカー型が有名なので、ロッカー型としていますが、ロッカーに見えない形もあります)その期間、個別に供養していただけますが、期間が過ぎれば、「合祀型」に移される、あるいは追加費用を払う、のような形に移行します。

そういう形が多いですね。なので、永代供養墓という名前にだまされないよう。(一部、ほんとに永代、今のままで供養していただけるお墓もあるようです。)

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