兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー

特殊構造のお墓は時間と手間がかかる

  
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特殊構造のお墓は時間と手間がかかる

「地震に強いお墓」と「信頼棺®」、どちらも、とても手間と時間のかかる構造なのです。


◇兵庫県豊岡市のお墓のアドバイザー大北和彦です

兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、おおきた石材店です。

☑ 兵庫県北部で唯一の「お墓ディレクター1級」
☑ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
☑ (一社)日本石材産業協会正会員
☑ お墓の法律のプロ、「墓地管理士」取得

おおきた石材店はお墓のことを全く知らない人にも、お墓を建てる時に大事なことをわかりやすくお伝えすることを第一に考えて情報発信しています。


信頼棺は広さは4倍だが、時間は2倍かかる

「信頼棺®」に関しては、納骨口の構造が特許権を取得されている独自の構造です。構造が従来のお墓とは全く異なります。

まず、お骨が従来の関西型の納骨式のお墓と比べたら、2倍以上、場合によっては4倍くらい、納骨スペースが広くなります。また、従来の関西型納骨は四ツ石という石の中に納めるという「お墓を建てる石材店にとって都合がいい構造」になっているので、お墓を建てるスピードは速いです。

カロート(納骨スペース)の構造によっても、多少違うのですが、私の体感では、「信頼棺®」構造のお墓と通常のお墓(和型の四ツ石タイプ)では、1.5~2倍くらい「建てる時間」に違いがありそうです。

「地震に強いお墓」は更に3倍の時間

地震に強いお墓は、更に時間がかかります。まず、基礎の下にトップベースのコマを埋設しなくてはいけません。これが意外とたいへんで、ここでずいぶん時間を取られます。しかも周囲にあるお墓の養生も必要なのです。関西のお墓は最近では、基礎コンクリートは普通になりつつありますが、少し古いお墓は基礎コンクリートがなかったり、あっても布基礎(石が乗る部分のみ、コンクリートを施工)だったり、いろいろな場合があり、基礎のないお墓の隣りにトップベースを施工するのは、極めて気を遣います。

基礎がないということは、深く地面を掘ったら、お墓の石が倒れてくる可能性がある、ということ。

ほんとに恐ろしい、リスクがある工事になります。

トップベースだけではない、時間がかかる要因

トップベース工法は基礎コンクリートの下にするので、これまでしなかったことをしているので、丸々その時間が加わりますが、今までしていた作業も全面的に見直して、「地震が来た時、お墓を守ってくれる」ということのみを考えて、工事しています。

モルタル接着剤を使用

これまで、普通にモルタル(コンクリートから砕石を抜いたもの)を石を施工する時、使用していましたが、今はそのまま使うのではなく、接着剤を使用します。
それも、非常に高価で接着力が強固な「カチオン系」と呼ばれるレイタンス除去効果もある製品を使用しています。それをモルタルに加えるだけではなく、接着面にも流布しております。

レイタンス除去もします

更に、それ以外にも、基礎コンクリートの接着面には、レイタンス除去作業もしております。コンクリートは生成過程で不純物が表面に膜を作るのですが、この膜が接着力を弱める原因となります。それを除去するために表面を削り取る作業をするのです。通常、土木工事など特殊な工事のみされる作業ですが、基礎コンクリートとその上に乗る石をしっかり固定するためには、必要なのです。

更に、ほぼすべての石に耐震ボルトを2本ずつ穴を開けて、固定して使用します。これもなかなか大変で、正確に穴を開けて、正確に固定しないと、基礎にも同じように穴を開けても、位置が微妙に違って穴に入らなかったり、入っても、微妙にずれていて、ボルトと基礎コンクリートが干渉して、正確な位置に石が据えられなかったり、耐震ボルトが長すぎて、当たってしまったり、などいろいろなことがあります。

耐震ボルトを外柵石の全てに2本ずつ

固定金具もたくさん使います

また、お墓の石の部材のうち、お墓本体以外の部材は固定金具でも固定します。


下の写真のように、すべての外柵石と外柵石の固定に固定金具を使うだけではなく、外柵石と基礎のコンクリートとの結合にも使用します。こちらも一つの石に対して、基本2か所使用するので、一つのお墓に固定金具が24組程度、カロート石にも12組程度、基礎石にも使うので、多い場合は40組以上、アンカーに関してはその倍で80本以上使うときもあります。すべて、ステンレス製で費用もかなりのものになります。

接着剤も厳選しております

墓石用とか石材用の接着剤は実は意外とたくさん出ています。
ただ、性能はかなりいろいろありそうで、今のところ、

この接着剤を使用しております。かなり高価で、一般でもあまり見かけない製品ですが、別の接着剤より高価です。でも使ってみて思うのですが、価格なりの性能はありそうです。

まとめ

など、様々な仕様、様々な製品を多用して、お墓を作っています。ですから、時間もかかるし、費用も高くなるのは仕方ないのです。これらはすべて、より良いお墓を建てるための時間ですし、後悔のないお墓つくりには必要な時間だと考えます。

おおよそ、ですが、おおきた石材店では、契約時、工事期間は3か月程度、お願いしています。
つまり、今、契約いただいても、12月中頃までになる可能性があります。
先日契約いただいた工事は12月末、完成予定となっています。

このように、「地震に強いお墓」と「雨漏りしないお墓『信頼棺®』」のダブル構造のお墓はとても時間を頂くことになります。

ですから、『四十九日の法要までに、お墓建ちますか?」と言われても、残念ながら、無理なんです。