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    墓石の裏に「昭和拾八年」。今年のお盆は、子どもと「お墓の探検」をしませんか

    夏休みは長い休みですが、学校で教えてくれない、いろいろな学びを得る機会でもあります。

    ◇ お墓ディレクター1級:お墓のプロの証、1級取得者は全国で2桁
    ◇ 墓地管理士:お墓、納骨堂、永代供養墓の法律の専門家
    (一社)日本石材産業協会正会員、兵庫県支部理事
    ◇ 石材加工技能士1級:石の加工の技能を表する国家資格
    ◇ 雨漏りしないお墓「信頼棺®」正規代理店
    ◇ 「地震に強いお墓」施工店

    おおきた石材店

    昭和の初めより三代続く、兵庫県豊岡市の小さな石材店。震度7の地震でも倒れなかった「地震に強いお墓」と特許技術「雨漏りしないお墓、信頼棺」の正規代理店。百年後に残るお墓を作っています。

    目次

    「拾八」って、何?

    先日、あるお客様の墓地に工事の打ち合わせで伺ったときのことです。

    中学生の息子さんが一緒に来ておられて、お墓の裏面を見ながらこう聞きました。

    「これ、なんて読むん?昭和拾八年って」
    「拾は、十のことだ。昭和18年——1943年、戦争の真ん中だな」
    「へえ、ほんならこれ建てたの、ひいひいじいちゃんぐらい?」

    そこから10分ほど、その中学生は墓石のあちこちを覗き込んで、ときどきスマホで写真を撮っていました。工事の打ち合わせは横で親御さんと済ませましたが、彼にとってはあの10分のほうが、たぶん記憶に残る時間でした。

    お墓は、家族の歴史の索引になっている

    お墓を「暗い場所」「怖い場所」と思っている子は、意外と多いです。

    でも、お墓は情報が詰まった歴史のパネルだと思って見直すと、印象がガラッと変わります。

    普通の和型のお墓には、だいたいこういうことが刻まれています。

    竿石(縦長の一番上の石)の正面:「〇〇家之墓」など家名、もしくは宗派の題目(南無阿弥陀仏など)
    竿石の裏面や側面: 建立年月日、建立者の名前
    墓誌(横に立てた別の板石): そのお墓に納められた方の戒名(法名)、俗名、没年月日、享年

    つまり、お墓の周りをぐるっと歩くだけで、「いつ建てられたか」「誰が建てたか」「誰が眠っているか」「何歳で亡くなったか」がわかるようになっている。家系図の要点だけを抜き出したパネルのような構造です。

    建立年を読むコツ:「拾」は十のことです

    まず、多くの子どもがつまずくのが、年の書き方です。

    古いお墓ほど、漢数字の大字(だいじ)が使われています。契約書などで金額を書き換えできないように使う、あの字です。

    (いち)= 1
    (に)= 2
    (さん)= 3
    (じゅう)= 10

    だから「昭和拾八年」は「昭和18年」。「大正参年」は「大正3年」です。「明治参拾五年」なら「明治35年」。読めるようになると、いきなり歴史が近づいてきます。

    昭和18年は1943年、太平洋戦争の真っ最中。

    大正3年は1914年、第一次世界大戦が始まった年。明治35年は1902年、日露戦争の2年前です。建立年を教科書の年表と照らし合わせるだけで、そのお墓が建った時代の空気がだいたい見えてきます。

    側面と墓誌から、家族をたどる

    建立年がわかったら、次は建立者を見てみてください。竿石の裏か側面に、「〇〇家 △△ 建之」のように書かれています。この△△が、そのお墓を建てた人です。

    そして墓誌(なければ竿石の側面)には、納められている方の戒名、俗名、没年月日、享年が並んでいます。ここが探検のいちばんの見どころです。

    たとえば、こんな読み方ができます。

    建立者と、最初に納められた方の関係を考える

    父親を亡くしてすぐに息子が建てたお墓か、母親を送るために夫が建てたお墓か。並んだ没年月日から、家族の順番が見えてきます。

    享年から生年を計算する

    没年月日から享年を引くと、その方が生まれた年がだいたいわかります。「ひいおじいさんは慶応生まれや」となると、江戸時代の終わり——子どもにとっては教科書の中の時代を生きた実在の人が、自分の血筋に急に接続します。

    同じ墓誌に並ぶ名前の間隔を見る

    数年おきに戦争、続いて数十年の平和、また誰かの記録——お墓は、家族が経験してきた時間の年表です。

    戒名が3名連名で彫られている場合

    普通ご夫婦の2名ですが、3名の場合、ご主人、最初の奥さん、後の奥さんの場合や、ご夫婦2名+幼くして亡くなった子供、の場合など、家族の物語がお墓に刻まれていることもあります。

    お盆の「お墓の探検」の楽しみ方

    お盆は、家族が集まる貴重な機会です。お参りを終えた後の15分でいいので、子どもと一緒に「お墓の探検」をしてみてください。

    用意するもの:スマホ(写真を撮るため)、メモかノート、水分。

    やることのアイデア:

    1. 一番古い年号を探す。 そのお墓の中で、いちばん古い記録は誰のものか。何年前か。
    2. 一番若くして亡くなった方を探す。 その方の生きた年数と、亡くなった時代を照らし合わせる。
    3. 戒名の中の文字を集めてみる。 戒名には、生前の人柄や職業を偲ばせる文字が入っていることがあります(釈、信、慈、勇、など)。
    4. 家に帰って、おじいちゃん・おばあちゃんに聞いてみる。 「拾八年に建てたのはひいおじいさんなの?どんな人やったん?」
      ——この質問がいちばんの成果です。お墓が、家の中の会話のきっかけになります。

    お墓は、家族史の「入り口」です

    お墓の役割というと、供養の場所、手を合わせる場所、というイメージが強いと思います。それは間違いなく本体なのですが、もうひとつ、家族の歴史を保管しているアーカイブという顔もあります。

    書籍や日記は失くなりますが、御影石に刻まれた文字は数百年残ります。何世代か先の子孫が、自分たちの祖先について知りたくなったとき、唯一残っているのがお墓の記録、というのは実は珍しくない話です。

    だから、お盆に子どもとお墓を歩くのは、供養であると同時に、家族史の引き継ぎでもあります。今年、お子さんやお孫さんに一つだけ持って帰ってもらうなら、「うちの一番古いご先祖は、〇〇年に生まれた」という一行でいいと思います。それだけで、その子と家との繋がりは、確実に一本増えます。

    おわりに

    冒頭の中学生の息子さん、帰り際に「今度、家系図作ってみるわ」と言っていました。いい夏の宿題です。今年の8月、皆さんのお家でも、お墓の裏側を覗いてみてください。


    お墓に関する疑問、質問お受けしております。

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    この記事を書いた人

    兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー。兵庫県北部での唯一の「お墓ディレクター1級」取得。供養のプロ、墓地管理士。「お墓」に関する記事を1500以上執筆中。現在お墓に関する記事を365日毎日更新継続中。(一日怪しい日があるが。。。)地震に強いお墓と雨漏りしないお墓を建てています。

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